戦火の馬  書籍関係

〔書籍紹介〕

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児童文学→ウエストエンドで舞台化→スピルバーグが映画化
という軌跡をたどった小説。

主人公は馬のジョーイ。
終始一貫してジョーイの視線から物語が語られる。
6カ月で母馬から離されて農家に買い取られたジョーイは
そこでアルバートという少年と出会う。
信頼と愛に満ちた友情で結ばれた二人は
農場で平穏な日々を過ごしているが、
ある日父親は、借金を返すためにジョーイを軍隊に売ってしまう。
アルバートはジョーイの世話をするために軍隊に入ろうとするが、
年齢の壁に阻まれる。
アルバートは、年齢が満ちたら軍隊に入って
お前を探しに行く、と約束する。

軍馬となったジョーイは、
やがて第一次世界大戦の欧州戦線に派遣される。
ここからジョーイの波瀾万丈の生涯が始まる。
ドイツとの交戦で突撃したジョーイは、
ドイツ側に捕らわれ、
大砲を運ばされ、
ぬかるみの中を行軍する。
エミリーという少女との交流で一時的な平安を得た後、
徴用され、更にひどい任務につかされる。
沢山の人が死に、仲間の馬も病に倒れる。
特に最初から行動を共にしてきたトップソーンの死に遇うあたりは哀切だ。
戦場を駆けめぐったジョーイは
前線で助けられ、
そこで思いがけない再会をする・・・
そして、食肉業者に売られそうになりながら、
ある人によって救われる・・・。
この最後の下りは胸を打つ。
たとえ馬の生涯であろうと、
神の恩寵がある、と思わされるシーンだ。

馬の視線を通じて、
戦争の悲惨さを訴えながら、
最後は救いにほっとする。
巧みな物語である。





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