『大鹿村騒動記』  

今日はセシウム問題での大きな進展はなし。
それにしても、「汚染牛」という言葉が
新聞等ですっかり定着してしまいました。
いやな言葉ですが、
実際に汚染されてしまったのだから、仕方ない。
BSEの時は、
「狂牛病」という言葉とさんざん闘わされました。
「狂牛病」と相手が口にするたびに、
「その言葉は、間違っているから使わないで下さい」と言い、
マスコミにも文書を出しました。

2年前の「豚インフルエンザ」に対して
素早く対応して、
すぐにやめさせたのは、その経験から。


「食肉ギフト券」の廃止がいよいよ来週になったので、
加盟店や各県組合に連絡文書。
某地域の財務局が
各県に新聞広告の文案の提出を求めており、
最近決まった最終原稿を送付。
各県から同じものが行くことになります。
一カ所から取ればいいのに、不思議。


あわただしく片づけて、
帰りは「ちょっと一本」。

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これが面白かった。

大鹿歌舞伎で有名な長野県下伊那郡大鹿村が舞台。

食堂を営む善さんは、
幼なじみの治に妻・たか子を寝取られ、
一緒に始めようとした鹿牧場も挫折し、
今はしがない食堂経営者。
はやりそうもない店を一人で切り盛りしている。                     治と駆け落ちされた妻からは
18年前に離婚届けが送られて来たが、
放置してある。

唯一の楽しみは、
村芝居の歌舞伎で主役を演ずることで、
昔は妻と一緒に共演していた。

村はリニアモーターカーの通過と
地デジの普及などという問題でわいているが、
300年続いた歌舞伎の稽古も始まっている。

そんな時、治と貴子が村に帰って来る。
治は認知症になってしまった貴子を扱いきれなくなり、
「ごめん、返す」と返しに来たのだ。
貴子は、夫を裏切ったことも
駆け落ちしたことも全て忘れており、
ただ、昔演じた歌舞伎のセリフだけは覚えている。
そして・・・

という「騒動記」なのだが、
善さんを演ずる原田芳雄の演技が素晴らしく
遺作にふさわしい出来。
治を演ずる岸辺一徳とのやりとりが絶妙。
幼なじみに対する愛憎と運命がからみあって、胸がつまる。

他に村の住民の 
石橋蓮司、小倉一郎、でんでんらが軽妙な演技を見せ、
随所で笑わせる。
こんなに声をあげて笑った日本映画は久しぶり。
原田芳雄の遺作となったために、
客の入りは良かったが、
劇場中にあふれる笑い声は久しぶりに聞いた。

ひとりひとりの人間像も
各自の人生もよく描かれており、
まさに「人間喜劇」。
農家や役場の仕事などをしながら、
年2回の歌舞伎上演を楽しみに生きる人々の姿は感動的。

後半、歌舞伎の実際の上演がされるのだが、
この場面がやや長いのと、
こうした場面をストーリーと上手に融合させるのは、
名手阪本順治といえども、至難の技だと感じた。

演じられる歌舞伎、なじみがないので、
何だろう、と思っていたら、
「六千両後日文章 重忠館の段」といって、
大鹿歌舞伎のみに残る外題だそうだ。
原田芳雄は、平家の悪七兵衛景清を演じている。
景清の台詞、「仇も恨みも、是まで、是まで」があるので、
この外題を選んだと思われる。

最後のひねりも苦い味が効いていて、いい。
原田芳雄は主演男優賞もの。
日本のヒース・レジャーになれるか。
岸辺一徳と大楠道代は助演男女優賞か。

阪本順治の手法だから仕方ないが、
もう少しカメラは寄れないか。
もっと役者の表情、演技を見てみたい。

5段階評価の「4」。

大鹿歌舞伎については、↓をクリック。

http://www.vill.ooshika.nagano.jp/kyouiku/oosikakabuki/

演目が多いので、驚く。

素人歌舞伎については、↓をクリック。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B4%A0%E4%BA%BA%E6%AD%8C%E8%88%9E%E4%BC%8E

一杯あるので、これも驚く。

ついでに、「素人浄瑠璃」は、↓をクリック。

http://www2.ntj.jac.go.jp/dglib/edc16/uta/etc/nozaki/keiko.html

「まだ青き 素人義太夫 玄人(くろ)がって 赤い顔して 奇な声を出す」
は、「寝床」の枕の冒頭。
五つの色(青、白、黒、赤、黄)が織り込まれている。

「素人宝塚」というのも観たことがあるが、
さすがに、どこを探しても見つからなかった。
知らないで観に行って、びっくりした。






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