アンケートと韓国ミュージカル事情その3  

アンケートの集計を開始。
10日の常務会でとりあえずの発表。
分析を加えて新聞に発表するためには、
週末の連休を使う必要がありそうです。

コメントに、
「何がわかり 何を知りたくて 何が私達に 及ぼすのか」 と、
若干の疑問を呈して下さった方がいましたが、
今回一番知りたいのは、
後継者の問題
それに、現在抱えている問題
転廃業の見込みがどれくらいあるか、
というところです。
それ以外の部分は、
組合員を取り巻く状況の把握のためのものです。

その後継者ですが、
今の集計では、
後継者がいる方は34%。
3店に1店が後継者がいます
予想より多いような気がしませんか?

転廃業を現実問題としている方は23%。
4店に1店が転廃業を視野にいれていることになります。

経営上の問題点として、
半数の54%が「来店者数の減少」を挙げており、
次が「商店街の衰退」で、43%。
この二つは表裏一体と考えていいでしょう。
量販店の進出による競争の激化」は41%。
昔はこれが最大の問題の時もありました。
以上3つとはかなり数字的に離れて、
経営者の高齢化」と「設備の老朽化」という
連結した問題が続きます。

詳しくは新聞をご期待下さい。


さて、話はがらりと変わります。
下の新聞記事をご覧下さい。

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記事は拡大して読んでもらいたいですが、
内容は、
韓国ミュージカルのレベルの高さに注目した松竹が、
京都の南座で韓国製ミュージカルの「宮」(クン)を上演する、
ドラマ、映画、K−POPと広がる韓流ブームの
次なる潮流は「韓流ミュージカル」になりそうだ、
というもの。

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公式サイトは、↓

http://www.musical-k.com/


この話題については、
事務局長も「韓国ミュージカル事情」として、
2度ほど書いています。

http://star.ap.teacup.com/applet/shokuniku/2010214/archive

http://star.ap.teacup.com/applet/shokuniku/20101117/archive

で、最新の情報を、「その3」として、お伝えしましょう。
ここで、文体が変わります。

1本目は、世界初演「天国の涙」

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トリプルキャストの1人に、
東方神起、JYJのジュンスがいるため、
ジュンスの出演のステージの分は数分で売り切れた、
と話題になった。
実は事務局長もチケット争奪戦に参戦した一人で、
奇跡のクリックでチケットが取れた。
娘は代行屋さんから倍額のチケットを買って、
既に2月1日の初日に観劇。

この作品は国際的プロジェクトで、
作曲に「ジキルとハイド」のフランク・ワイルドホーン
演出に「メンフィス」「スウィニー・トッド」のガブリエル・ベリー
舞台デザイナーにディビッド・ガロらが参加して、
やがてはブロードウェイでの上演をめざす。

それがなぜ韓国で初演かというと、
もともとブロードウェイ・ミュージカルというのは、
アメリカ国内の地方都市で試演をしつつ、
観客の反応を見て、改良を加えて、
ブロードウェイで本公演になる仕組み。

それが時代を反映して国際化し、
まずソウルで初演し、
各国で試演して、最後はブロードウェイをめざす。
その途中、日本でも上演する予定という。

その発信地にソウルが選ばれたというのも、
最近の韓国ミュージカル界のレベルの高さによるものだろう。

↓会場の国立ヘオルム劇場。

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内容はベトナム戦争のサイゴンで
恋に落ちた韓国の兵士ジューンと
歌手リンの愛と別れの物語。
恋人を奪われて激怒したアメリカ人大佐が
除隊間際のジューンをわざと危険な激戦地に送り、
ベトコンに捕らわれたジューンは拷問の間に、
リンの弟に救われサイゴンに戻るが、
ジューンが死んだと嘘をつかれたリンは、
お腹の子供を救うために大佐の言うなりにアメリカに渡り、
大佐とも別れ、
乞食のようになりながら子供を生んで死ぬ。
やがて、娘のティアナは有名な国際的歌手になり、
その声を聞いてリンの娘と気づいた中年のジューンが訪ねて来て、
ティアナは初めて母の物語を知る・・・

という話に、
ジューンとリンが次第に恋心を抱いていく過程や、

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別れてもお互いの声を聞き合おうとの約束をして
戦場に向かうジューンや

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戦場で人を殺して苦悩する姿や
北の砲撃で崩壊するサイゴンを逃げまどう民衆の姿などが描かれる。
この場面など、迫力十分で、
アンサンブルもいい。

虎と鳩を使った寓話も幻想的だし、
主題歌の「Can you hear me?」の繰り返しも効果的。
ジューンがベトコンを殺した後、
「ぼくは銃を手に持って生まれて来たんじゃない。
愛するために生まれてきたんだ」

という歌も胸を打つ。

なかなかのスケールの話を、
映像など
様々な技術を使って見せてくれる。
また、音楽が素晴らしく良く
音楽だけでもとろけてしまうほど。

しかし・・・・
先行作品「ミス・サイゴン」の峰はあまりに高かった。
別の作品だから比較されるのは不本意だろうが、
しかし、ミュージカルとして舞台に乗せる以上、
海千山千のミュージカルファンに
比較されるのは覚悟していただかないと。
(様々な場面で、
「オペラ座の怪人」や「レ・ミゼラブル」「KA」などを
思い出してしまうのが、
ミュージカル・ファン。)

その結果、感じるのは、
あまりにストーリー・ラインが弱いということ。
愛する恋人同士が引き裂かれる原因が
アメリカ人大佐の嫉妬と、
リンの仲間のアメリカに行きたいがゆえの嘘、
というのでは、
大悲劇を構成する骨組みとしては弱すぎる。

その点、「ミス・サイゴン」は、
あの大混乱の軍事基地の内と外で離ればなれになり、
無理やりヘリコプターに乗り込まざるを得ない米兵としてしっかり描かれていた。
その後、難民として逃亡するキムが、
ベトコンの高官となった元の婚約者に探し出され、
その時、アメリカ兵の子供を生んでいたことが分かり、
子供を殺そうとする婚約者を撃ってしまい、
追われながらタイ国境をめざす難民の群れの第1幕幕切れで、
戦争のもたらす民族の悲劇としてよく表現されていた。
ついでに言えば、
「ミス・サイゴン」には、
ベトナム民衆のアメリカに対する憧憬、
そのアメリカのベトナム戦争に対する原罪意識も反映されていて、
重層的な世界を作り上げていた。

その点、この話はあまりに単純すぎて、
再び言うが海千山千の演劇ファンには食い足りない。

特に、最後のくだりで、
戦争の罪と愛と許しのテーマが浮かび上がった来るのだが、
あの部分こそ、もっと高らかに歌いあげてもらいたかった
そうでなければ、
母の死の真相を知ったティアナが、
嘘をついて二人の別れの原因になった
育ての親に対して「もう、あなたには二度と会いたくない」とまで言った気持ちが
和解に行き着くまでには至らない。
あの部分はジュンスの癒し系の声質にぴったりのはずなので、
あんな短い歌ではなく、
たっぷり人の心を動かすような歌を一曲加えたら、
ずっと最後の感動は深まることだろう。

また、せっかく二人が、
別れ別れになってもお互いの声を聞き合おう、
と約束したのだから、
戦場で遠い土地にいるリンと
耳を傾け合う歌も欲しかった。
手紙を書いている場面にしかなっていないが、
あそこにも一曲必要。

今のままではブロードウェイは無理だが、
そもそも磨きをかけるためのトライアウト。
これから改良充実していくのを期待したい。

なお、アメリカの大佐を演じたブラッド・リトル

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あの声量、音程、スタミナ、肺活量!
さすが「オペラ座の怪人」を何千回も演じただけのことはある。
ジュンスも横綱の胸を借りるつもりで吸収したらいい。

ジュンスの演技は、
正式の訓練を受けておらず、
個性と感性だけで演じているので、
十分な役作りまでは到達せず、
まだジュンスのまま。
しかし、この高いIQと天才的な感性を持った青年は、
いつの間にか自分のものにするはず。
「モーツァルト!」の時もそうだったが、
役がジュンスの方に寄り添うような現象を起こすので、
中盤、終盤と良くなっていくに違いない。
「モーツァルト!」でも、
初期と最後では別人だった。

リンを演じたユン・コンジュは、
録音風景のビデオで聞いた歌が絶品で、
大いに期待したが、
期待が大きすぎたようだ。

最後に、くどいようだが、
フランク・ワイルドホーンの音楽は本当に素晴らしい
もう既にトニー賞作曲賞を
事務局長は勝手にあげています。


他に観た「ミッション」と「ジキルとハイド」は、後日。






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