名鑑原稿完成と『共犯者』  

ようやく『東京食肉名鑑』の原稿が完成
午前中に一応仕上げて、
午後、最終点検をかけると、
大きな間違いが二、三見つかったり、
行の送りで気に入らない点があったり。
結局、夕方までかかってしまいました。

他の間違いが印刷完了後発見されたりしなければいいのですが・・・。

しかし、昔の80支部もあった時代に比べると、楽なものです。
このあたりの簡便化は、支部統合の成果です。

最終的入稿は明日。
作らなければならない文字があり、
その作成は、自宅でなければできませんので、持ち帰りです。


[書籍紹介]

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図書館の入った左手に文庫本コーナーがあり、
ふと手にした本。
あちこちに収録されていた短編を集めたもので、
昭和55年発行以来、
平成20年で59刷を数えるという凄さ。
1刷で3千部としても、18万部。
文庫本でですよ。

やはり面白い。
通勤の往復で時を忘れた。

浅田次郎が、ある直木賞作家の女性の肩に
「文学の神サマが乗っている」
と言ったことがあるが、
一人の作家の持つアンテナに
宇宙に充満する創作のエネルギーが
怒濤のごとく受信される現象があるらしい。
一時期の松本清張がそれで、
今まで現れることがなかった文学の潮流が
松本清張のペンを通じて噴出した時があった。

標題作の「共犯者」は、
家具の外交員をしていた主人公が、
いきずりの男と共に銀行を襲い、
その資金を元手に事業に成功する。
しかし、5年前に別れた共犯者から
いつの日か恐喝されるのではないかと心配をし始め、
人に依頼して彼を探し出し、
その動向を監視する。
しかし、それが逆に自分の墓穴を掘ることになる・・・

という作品を始めとして、
いかにも松本清張らしさが満載の本だ。

中に、「あれ、この話、知っている」
というのがあり、
読み進むうちに
野村芳太郎の映画「影の車」(1970)の原作だと気付いた。
「潜在光景」がそれで、車には全く関係がない。
当初「影の車」という連作短編集に収められいて映画化されたために
その題名がついたもの。

一人のサラリーマンが帰宅途中のバスで幼なじみの女性に再会し、
母子二人で住む家を訪れるようになる。
しかし、小さい息子は彼になじまず、
時々、彼は子供の中に殺意を感じてしまう。
そして・・・

というストーリーを聞けば、
ああ、あの話かと、思い出す方はいるだろう。
事務局長も昔映画館で観た時、
あの衝撃のラストに驚いた覚えがある。
今回小説を読むと、
実に巧みな脚色だったと気づき、
さすが橋本忍、と感心した次第。

ちなみに、
あの全国の映画館で観客の涙を誘った「砂の器」(1974)も、
橋本忍の脚本のおかげで、
原作よりはるかに奥の深いものになっていた。
(山田洋次が共同脚本)
映画の中で演奏されるピアノ協奏曲「宿命」は強烈で、
我が家では「宿命」という言葉が出るたびに
事務局長があのメロディーを口ずさむので、
そのたびにカミさんから「やめてよ」と叱られていた。

などと読みながら話が拡大していく、
松本清張の作品群。

これから、読む本が途切れた時、
この人の文庫本に手がのびそうな気配。
やはり、最後は松本清張に回帰するのか。
事務局長の作風も多分このあたりだが、
今、こういう書き方をすると、
古くさく感じられてしまうのだろうか。







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