金賢姫さん来日と袴田事件  

昨晩の「たけしのTVタックル」への
芹田理事長出演の話題は、
午前中に芝浦の食肉市場内を駆けめぐっていたようです。
随分観られているんですな。


韓国から金賢姫(キム・ヒョンヒ)さんが来日しましたが、
この報道のあり方については、
大きな疑問があります。

たとえば、下のような記事。

初来日した北朝鮮の元工作員、金賢姫元死刑囚(48)が20日、
拉致被害者の田口八重子さん(行方不明時22歳)の長男、
飯塚耕一郎さん(33)と
兄で拉致被害者家族会代表の飯塚繁雄さん(72)と、
滞在先の長野県軽井沢町で面会した。

何ですか、「元死刑囚」って。
「元工作員」というのもあります。
(テレビでは、
NHKと日本テレビが「元死刑囚」、
それ以外は「元工作員」。
読売新聞は、「工作員」と「元」が小さい。
こういう取り扱いは、犯罪者の場合。)

確かに金さんは、
あのような事件を起こし、
死刑判決を受けたが、
恩赦で許されたはず。
罪をつぐなった人をなぜいつまでも「死刑囚」呼ばわりするのか。

ならば、刑務所から出た人は
「○○服役者」とか「元懲役20年」とか「元犯人」とでも呼ぶのか。
あるいは「元売春婦」とか「元詐欺師」とか「元殺人未遂者」とか
「元禁治産者」「元ヤクザ」などと呼んでもいいのか。

罪を悔い、
普通の一市民として暮らしている女性を
「元」付きであっても罪状をあからさまにしている報道。
無理矢理職業とか肩書が必要などと言う理屈は
上記報道で「田口八重子さん」とか「飯塚耕一郎さん」とか
呼んでいる以上成り立たない。
どうして「金賢姫さん」ではいけないのか。

NHKをはじめ、
どこも同じだから、
事前に話し合って統一しているのだろう。
それもおかしなことだ。
なぜ各社自由ではないのか。
あなた方は「言論の自由」を言い、
何かといえば、「言論弾圧」と叫ぶ人たちではないか。

マスコミ関係の人と言えば、
ちゃんとした学歴を持って、
社会的な常識も良識も持ち合わせている人たちだろう。
「これはおかしい。やめましょう」
と言いだす人が誰もいないのか

いても黙殺するのか。

金賢姫さんといえば、
その著作「今、女として」を読めば、
彼女もまた異常な国・北朝鮮の体制の被害者であることが分かるはず。
それを知ってなお「元死刑囚」と呼ぶ
マスコミのセンスを疑う。
それとも彼らは、あの貴重な著作さえ読んでいないのか。

日本語の読める金賢姫さんが、
日本の新聞を見て、
自分の名前の後に「元死刑囚」と書いてあるのを見て、
どんなに胸を痛めるか分からないのか。
日頃、人権人権と口にしている人たちなのに、
おかしいではないか。

マスコミはただちに
金賢姫さんへの非礼を詫び、
「金賢姫さん」という呼び方に改めるべきだ。



[書籍紹介]

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映画に触発されて読んだ。
映画「BOX 袴田事件 命とは」の感想については、↓をクリック。

http://star.ap.teacup.com/applet/shokuniku/20100615/archive

この本は、
供述調書や裁判記録、現地取材の証言などを集めた
550ページの大変な労作。
これを読む限り、この事件は冤罪で、
パジャマについていたわずかな血痕を根拠に
警察が見込み捜査、決めつけ捜査をし、
拘束後、無理矢理自白に持ち込んだことは明らか。

事務局長自身は、犯行時間のことで
袴田さんが犯人ではないと確信した。
犯行時間が深夜ではないことは、
被害者たちの着衣で明らか。
腕時計をしていたり、制服姿だったり、
ブラジャーをしていたりで、
通常の生活時間の中で犯行は行われた。
しかし、犯行が10時半より前だと認めると
袴田さんのアリバイが成立してしまうので、
犯行時間は無理矢理深夜にした、
と見る。

映画の中で、殺される娘がセーラー服を着ていて、
へんだと思ったし、
Yahooの映画レビューでも「監督は無神経」などと書かれていたが、
あれは、現場検証で
死体が制服を着ていたから、そういう描写をしたのだと、
改めて分かった。

事件後10カ月も経ってから、みそ樽の中から発見された
血染めの5点の衣類も不自然で、
サイズが袴田さんに合わなかったり、
血液型に被害者の一人のO型がなかったりで、
捏造は明らか。

それにしても、
冤罪なのに、
あの供述調書の詳細さは何なのか。
書いたのは、一体誰か。

これだけ「合理的な疑い」のある疑惑に対して、
地裁、高裁、最高裁の審議の中で疑問を呈し、
「疑わしきは被告人の利益に」しなかった裁判官の気持ちが分からない。

今、事務局長がこの事件に興味をおぼえるのは、
第一に真犯人
第二に捏造証拠を作ってまで袴田さんを犯人に仕立て上げた警察の人々
第三に誤審をした裁判官たち
のその後の生活に関心がわくからで、
一体どんな生涯を送ったのだろうか。

その一端がようやく映画で明らかにされたが、
袴田さん自身は、
今は精神的に正常ではないようなので、
晴れて出所、ということにはならないようだ。
かわいそうに。

今からでも遅くはない。
真犯人は名乗り出ろ。
間違った捜査をした刑事たちも申し出て、
少なくとも袴田さんの名誉を回復したらどうか。






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