新聞と小説『孤高のメス』  

新聞原稿の執筆は続き、
残すはあと1本のみになりました。

例の「食肉公正競争規約の40年」
書き終えてみれば、
やはりやってよかったとの感慨に至ります。
もっと詳しくしたかった気はしますが、
紙面には限りがあるので、まあ、仕方ないか。

辛かったのは、
参議院選挙の結果で、
とても書きにくい内容でした。
相変わらず、事務局長のブルーな気分は続いています。

数年前、事務局長は自分の性格について
驚くべき事実 (それほどでもないか) に気づきました。
常に機嫌がいい
なんとなく気分が重く、イライラする、
ということはない。
朝の通勤時など、
「今日はどんな面白いことがあるのだろう」
とワクワクした感じに包まれている。
実際、何でも面白くしてしまう。
まさに、「メリー・ポピンズ」の
「一杯の砂糖で薬も美味しく飲める」、
「少女パレアナ」の「しあわせゲーム」の世界。
得な性格。
なのに、参議院選挙の6514票は重くのしかかる。

新聞によれば、内閣支持率が急落して38%だといいます。
内閣発足時が64%だから
急落も急落。
プライドの高い細川護煕サンだったら、
さっさと辞めているでしょう。

世論調査によれば、
与党過半数割れは54%が「よかった」と思っているそうです。

事務局長が期待した「社民党消滅」はなりませんでしたが、
国民新党の議席ゼロは快挙。
民主党との統一会派を解消したというから潔いと思ったら、
連立にはとどまるのだそうです。
各群立小党が何とか議席1を確保して体面を保つ中、
議席ゼロというのは、
「直近の民意」は、国民新党の存在を認めなかった、ということのはず。
国民から「NO」を突きつけられた政党が
政権に留まる、
こんなおかしなことはありません。
ここは潔く、連立政権から去るべきでしょう。

という、まともな理屈が通らないのが政界というもの。
打たれ強いというか、
強固な精神力というか、
すさまじい厚顔力というべきか。
いずれにせよ、
サムライからは遠い世界。
だから事務局長は、
政治の世界が好きになれないのです。


[書籍紹介]

クリックすると元のサイズで表示します

映画がなかなか良かったので、読んだ次第。
文庫本で6巻。
長い。
でも面白い。

著者は京都大学医学部を出たバリバリの外科医だった人で、
手術の場面のリアリティと
魑魅魍魎渦巻く医科大学教授陣の確執、
ダメな医師たちの姿は
実に面白く描写されている。

これに反して、彩りの恋愛模様は
やや類型的で面白みに欠ける。

しかし、素晴らしい腕を持ちながら、
あえて片田舎での医療に進む
主人公・当麻鉄彦の高潔な姿は胸を打つ。
志が高く、それが技術に裏打ちされた人間というのは、
本当に存在します。
世界を変えるのは、そういうプロの人たちで、
夢想を語るだけではだめ。
夢を現実にするには、
たゆまぬ努力と研鑽が必要。

読むにつれて、
映画の脚色が巧みな骨組みだったことに気付かされる。
余分な夾雑物を排し、
人物の統合やエピソードの合体を行い、
小説の中の小さな人物を軸にして
ストーリーを再構築して
原作の本筋を際立たせた
脚本・加藤正人の手腕もまた、プロの技術に裏打ちされたものだ。

あとがきを読んで驚いたのは、
原作者は24歳の時に処女作「罪ある人々」(1971)を書いており、
その原作を、これまた20代の事務局長が読んでいたこと。
道理で「大鐘稔彦」という名前に聞き覚えがあったはずだ。

「罪ある人々」は、
ハンセン氏病の病棟のある島で働く若い医師の心の葛藤を描いたもので、
今はどこの図書館にもない。
やや理想主義的な、若書きのもので、
再版されるはどうか不明だが、
出たら再読してみたいものだ。








AutoPage最新お知らせ