カレーに毛が  

実は、一週間ほど前に
地方のご婦人から電話が入りました。
「東京に住む息子の嫁が、
このカレー、美味しいよ、と
お宅の組合の『東京カレー』を送ってきて、
食べたら、毛が入っていた」

というものです。
至急現物を (配送料着払いで) 送っていただくように依頼し、
2日後、組合に宅配便が届きました。
たしかに、15,6センチの毛髪のようなものがありました。
メーカーに連絡すると、
すぐとんで来て、
検査機関で検査すると持ち帰りました。

(メーカーというのは、製造メーカーのことです。
組合がカレーの工場を持っていて、
カレーを製造しているわけではありません。
こういうのをOEM (相手先ブランド供給) といい、
地方の組合などでしているのも、
ほとんどがこれ。
食品に限らず、電器製品などでも
○○電器の製品でも、
実は中身は○○製などというのは、よくあります。
ただ、消費者に対する責任は、
販売者である組合にあります。)

消費者の方に電話をして、
「現物を受け取ったので、検査機関に渡しました。
結果が出るまで数日かかると思いますので、
お時間を下さい」

と伝えると、
「そんな大変なことなのですか。
かえって迷惑になりましたね」

という話。
とてもいい人のようです。
「いいえ、教えていただいてありがたいです。
一番こわいのは、
こんな不潔なもの二度と食べない、
と一言もなしに信用を失うことです。
教えていただかないと、改善も出来ません」

とお話しました。

そして、数日経って、結果が出ました。

@レトルトの中のカレーに浸った状態でいると、
毛髪がカレーの香辛料に染まるが、
それが見られない。

A中に入っている状態で
レトルトの最終段階の殺菌加熱処理を受けると、
毛の空気が抜けてしまうが、
今回、過酸化水素水につけたら、発泡した。

という2つの理由により、
この毛は、レトルト内に存在したものではない、
という科学的証明がされました。

メーカーは一安心。
組合も安心しつつも困惑。
さて、どう伝えるか。

というのは、この結果を知らせるということは、
「この毛は、貴方の家で入ったんですよ」
と言うのと同じ。
少々お伝えしにくい。

大変気を使った文章で、
レトルトの中に入っていたものではないことは分かったが、
では、どこで毛がついたかは、
判断の材料がない、
というような表現で納得していただくことにしました。
良き警鐘として、
メーカーには食品安全体制に厳密に取り組むよう要請した、
ということも附記しました。

もちろん、
組合の商品で不快な想いをさせたわけですし、
商品を送っていただくという手間をかけさせたのですから、
代替商品の『東京カレー』を沢山付け、
お菓子を添えて送りました。
(カレーとお菓子はメーカーが提供)

以前には、食べたらすっぱい味がした、
というクレームもありました。
同ロットの商品からは
他にクレームはなく、
原因はピンホールで、
そこから菌が入って発酵した模様。
これもメーカーは出荷時に検査をしており、
製造過程に原因があれば、
袋がふくらむはずなので、
やはり原因は別のところでした。

食べるものを扱うと、
クレームへの対処は気を使います。

しかし、さっきも書いたように、
クレームはありがたいことで、
無言の離反が一番こわい。
クレームが来れば対処できますが、
そうでないのは、
信用だけ失い、
かつ、お客様を失うわけです。

レストランなどもそうで、
まずければ、
あるいは店員の態度が悪ければ、
または不潔感があれば、
お客様は、何も言わずに、
「二度と行かない」
という形で「復讐」するわけですから。

事務局長は結構クレーム、
ではなく、「教えてあげる」方です。










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