日銀の会議と『アイーダ』  

今年最後の月に突入。
早いですね。
この間、正月だと思っていたのに。

というわけで、
来年1月の新年賀詞懇親会の案内を各支部長に送り、
参加メンバー名簿の提出を要請したところ、
早い支部は10分後にはFAXしてきました。
新年賀詞懇親会については、
理事・支部長会において人数は通知していたので、
支部会でさっさと決めておいたようです。
いいですね、こういう迅速な対応

ところで、日銀の金融政策決定会合が開かれるとういので、
昼前には米ドル、豪ドルともに上昇。
しかし、5時の白川日銀総裁の記者会見の直後、
一挙に下落。
「広い意味での量的緩和」などというピリッとしない内容では無理もない。
米ドルは元の水準に戻りましたから、
円高対策としては、
何の効果もなかったということでしょうか。

一方、オーストラリアは公定歩合を0.25%利上げ、
材料出尽くしで一時値を下げましたが、
これは長い目で見て、
豪ドル高の要因なので、
じわじわと上昇して、
80円台を復帰しました。
頑張れ、豪ドル。
来週7日の利率確定日まで、上がってくれ。

それにしても日銀の金融政策決定会合は、
リーマン・ショック後の昨年12月にやって以来、
1年ぶりだそうです。
この1年間、何をしていたんでしょうね。
亀井さんが言うように、「眠っていた」のでしょうか。


さて、夕方から、東劇へ。
『アイーダ』を観るためです。
またアイーダか、と言われそうですが、
今度のはMETライブビューイング。
ニューヨーク・メトロポリタン歌劇場の公演の映像です。

このプロダクションは、METではもう20年もやっており、
1996年2月、
事務局長は現地で観ています
それで、安心して観ることが出来ました。

というのは、
大変正統的な演出
装置もリアルなもので、
↓のように、正しく古代エジプトを舞台に繰り広げられます。

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宇宙に持って来たり、
日本の戦国時代に持って来たりの、
奇抜なものではありません。

つまり、演出家の意図を押しつけて来るようなものではなく、
音楽を邪魔しない
ドラマが音楽で高揚する、
正しいオペラの演じ方

指揮はダニエレ・ガッティ
9月のミラノ・スカラ座で
「ドン・カルロ」を振った方。
いいですね、この人のヴェルディ。

主役の三人がまた、いい。
↓タイトル・ロールのヴィオレタ・ウルマーナは、
派手な美人ではありませんが、
清楚な印象の、アイーダにはぴったり。

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もともとメゾ・ソプラノからソプラノに移って来た人なので、
歌に深みがあります。
ミラノ・スカラ座の時とは別人に見えたのは、
衣装の色のせいでしょうか。
あの時は、土色のさえない衣装でした。

↓ラダメスのヨハン・ボータは、太めですが、
顔つき、精悍さはこの役に合っています。
演技力もある。
この人もミラノ・スカラ座の時とは、別人に見えました。

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最初の「清きアイーダ」を難なくこなして、
ほっとさせてくれました。
なにしろ、9月のミラノ・スカラ座の東京初日では、
最後の高音が裏声になって、
拍手しようとしてもしようがなく、
場内が凍りつきました。
このアリアは始まって早々で、
まだのどが暖まっていない時なので、
テノールはなかなか苦労するといいます。
今回は最初から好調。
最後の地下墓所のシーンで
胸が熱くなったのは、この人の歌と演技のせい。

↓アイーダの恋敵アムネリスのドローラ・ザジックは、
王女の気品はなく、意地悪なおばさんにしか見えませんが、歌唱力は抜群。

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第4幕はこの人が場をさらいます。

なにしろ、この役を、もう20年もやっています。

↓は20年前のビデオ。若い。

http://www.youtube.com/watch?v=dnFj5bpAuPE&feature=player_embedded#

これは意地悪なおばさんには見えません。
恋に苦しむ悲運な王女に見える。
ラダメスのドミンゴも、指揮のレヴァインも
笑ってしまうほど若い。

ご存知かもしれませんが、
古代エジプトの王位継承は女系によるもの。
王 (ファラオ) の娘と結婚した人が次のファラオになるという決まり。
王の息子が次の王になるわけではありません。
(映画「十戒」で、チャールトン・ヘストンとユル・ブリンナーが
王女の愛の奪い合いをしたのは、そういうわけ)
ですから、ラダメスがアムネリスと結婚するということは、
次のファラオになるということ。
つまり、彼は王位を恋のために捨てたのです。

この3人、みんな太いです。
デブというのではなく、とにかく太い。
まさに、バヴァロッティが言ったように、
「象を2頭舞台に乗せてどうする」ですが、
オペラ歌手を「太い」と言うのは、
バレーのダンサーを「細い」と言うのと同じで、
非難するには当たりません。
太いから、よく共鳴する。
仕方ありません。

(脱線しますが、
金正日は、韓国から拉致した女優に会った時、
自分のことを
「太いウ○コみたいでしょ」
と言ったそうです。
今はしなびたウ○コになってしまいましたが。)

他にエチオピアの王で、アイーダの父親のアモナスロをやった
カルロ・グエルフィ(↓の中央右)は、すごい演技力。(クリックすると、大きくなります)
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捕虜の中に混じって登場した途端に、
戦に敗れた無念の王の
復讐を内面に秘めた思いが伝わって来て、
その場が一挙にドラマチックに変わります。
こういう脇を固めるベテランの演技力
METの層の厚さというものでしょう。

演出(ソニヤ・フリゼル)は全く堅実で、
人間ドラマを盛り上げながら、
かつ絢爛豪華さも失いません。
ゼッフィレッリのように、
とにかく舞台の上に人を沢山乗せよう、
というようなことをしない。
たとえば、第1幕第1場は最小限の4人しか登場ないので、
それだけドラマの密度が高くなります

ミラノ・スカラ座のは、
美術がやや自己主張しすぎていましたね。

第2幕第2場の凱旋行進のシーン↓は、
沢山のエキストラを使って、
舞台に空白を作りません。
ゼッフィレッリに匹敵します。
↓ダンス・シーンだけは、今回、新しくしたようです。
(クリックすると、大きくなります)
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この時のカメラワークはやや疑問あり。

1989年の映像がutubeにあります。
参考のために古いダンスもご覧下さい。
 
http://www.youtube.com/watch?v=l3w4I-KElxQ&feature=player_embedded

そうそう、一つ記憶違いがありました。
前にメトロポリタンで観た時、
第2幕第1場と第2場が
舞台まるごと一つ入れ替わると思っていたのですが、
そうではなく、
第1場の背後の壁が、
兵隊を乗せたまま下降して
奥の第2場のセットが現れてきたのを
1階の遠い席からは、
舞台が上からまるごと降りて来たように見えたのでした。

幕間の解説は、ルネ (フレミング) おばさん。
特に今回はエキストラにインタビューしたのが面白かった。
一人はフォーチューン誌の記者。
一人は専属のエキストラの女性。
一人は医療関係の黒人。
やはりエキストラもちゃんと役作りをするとか、
エキストラだけで稽古をした後で
合唱が加わって来るとか、
合唱はしませんが、
小さく口ずさんでしまうとか、
そういう生の経験談が聞けて興味津々。

休憩時間は、
舞台裏のセットの交換をずっと見せてくれます。
コンピューター制御ではなく、昔のままの手法です。

さて、次は
事務局長が最も愛するオペラ「トゥーランドット」
もう収録は終わっていますが、
来年1月16日までおあずけ。
大晦日には歌舞伎座で先行上映をしますが、
既にチケットは売り切れです。

(12月3日は、朝4時から10時頃まで、
サーバーメンテナンスのため、
アクセス出来なくなります。)




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