再び『トスカ』と『鬼の跫音』
歌劇『トスカ』は、
1900年、ローマのコスタンツィ劇場が初演。
聖アンドレア・デラ・ヴァレ教会、
ファルネーゼ宮殿(現フランス大使館)、
サンタンジェロ城という
実際にローマにある場所を舞台にしたご当地オペラ。
そのうち、
事務局長が行ったことがあるのは、サンタンジェロ城だけです。↓

テヴェレ川を渡る橋には、左右に天使の像があります。

サンタ(聖)とアンジェロ(天使)がくっついて、サンタンジェロ。
つまり、聖天使城で、天使だらけ。

590年にローマでペストが大流行した際、
教皇グレゴリウス1世が、
剣を鞘に収める大天使ミカエルを城の頂上に見て、
これをペスト流行の終焉を意味するとして、命名。
城のてっぺんには、そのミカエル像が。↓

小説と映画の「天使と悪魔」は、最後にこの城にやってきます。
↓橋を上から見たところ。

サンピエトロ寺院はすぐそこです。

↓屋上のテラス。

「トスカ」では、ここで処刑が行われ、(こんな不便の場所で?)
最後にトスカはここから身を投げます。
舞台では、普通、歌手が向こう側に飛び下りて、
スタッフがクッションで受け止めるわけですが、
一度トランポリンを使ったら、
落ちたトスカが何度も戻って来て、失笑を買ったとか。(ホントかね)
ここは、カヴアラドッシが銃殺されないと話が前に進まないのですが、
一度、銃殺隊の役者の出るのが何かの手違いで遅れたことがあり、
音楽の方は止まりませんから、
銃殺隊がようやく舞台に登場した時は、
音楽的にはカヴァラドッシが撃たれた後。
カヴァラドッシは大道具のかげに隠れ、
トスカは恋人の死体が横たわっていると仮定して、
「死んでいる」と大騒ぎし、
後を一人芝居でこなしたとか。
場内爆笑で、
ウイーンの国立歌劇場で実際にあった話だそうです。
ホントかね。
このオペラ、プッチーニの「ボエーム」の次の作品で、
初演時、
観客には大評判だったものの、
評論家には不評で、
当時ウィーン宮廷歌劇場の監督の地位にあったグスタフ・マーラーは、
次のように、くさしています。
第1幕の教皇が登場する場面では、教会の鐘が鳴りっぱなし。
第2幕では男が拷問にかけられて恐ろしい悲鳴を上げ、
別の男がナイフで刺し殺される。
第3幕ではローマ市の全景、
凄まじい鐘の連打、
ある中隊の兵士が銃殺される。
…今更これを最大級の駄作だ等という必要はあるまい。
評論家の評価なんて、そんなものです。
[書籍紹介]

道尾秀介の「カラスの親指」に続く、直木賞候補作。
ちょっと不思議な味の短編集。
失踪した友人の死体が発見されたことから、
11年過去の真実と向き合う「鈴虫」。
家族から疎外されている青年が
刑務所作業製品の椅子に隠された文字を見つけ、
その現場の町を訪ねる「ケモノ」。
20年前住んでいた町を訪れた雑誌記者が
過去のレイプ犯罪をした自分に遭遇する「よいぎつね」。
空き巣に入ったという青年が訪ねて来て、
返された貯金箱の中から
出て来た1枚のメモにより、
過去の盗作事件が明るみに出されそうになった作家が、
その青年の家を訪ねて、そして・・となる「箱詰めの文字」。
日記を逆に辿りながら、
最後に分かる驚愕の事実の「冬の鬼」。
イジメにあった少年が出会った女の持つ
人を飲み込むキャンバスを描く「悪意の顔」。
どの作品にも巧妙に仕掛けがなされていて、
最後の数行で明かされた真実に、
読者が驚愕となる作り。
とても面白く、かつ恐ろしい。
「ミレニアム」後遺症の事務局長でも楽しめた短編集。
道尾秀介は2回続けて直木賞落選で、
確かにまだ無理だが、
いずれ直木賞を取るだろう。
1900年、ローマのコスタンツィ劇場が初演。
聖アンドレア・デラ・ヴァレ教会、
ファルネーゼ宮殿(現フランス大使館)、
サンタンジェロ城という
実際にローマにある場所を舞台にしたご当地オペラ。
そのうち、
事務局長が行ったことがあるのは、サンタンジェロ城だけです。↓

テヴェレ川を渡る橋には、左右に天使の像があります。

サンタ(聖)とアンジェロ(天使)がくっついて、サンタンジェロ。
つまり、聖天使城で、天使だらけ。

590年にローマでペストが大流行した際、
教皇グレゴリウス1世が、
剣を鞘に収める大天使ミカエルを城の頂上に見て、
これをペスト流行の終焉を意味するとして、命名。
城のてっぺんには、そのミカエル像が。↓

小説と映画の「天使と悪魔」は、最後にこの城にやってきます。
↓橋を上から見たところ。

サンピエトロ寺院はすぐそこです。

↓屋上のテラス。

「トスカ」では、ここで処刑が行われ、(こんな不便の場所で?)
最後にトスカはここから身を投げます。
舞台では、普通、歌手が向こう側に飛び下りて、
スタッフがクッションで受け止めるわけですが、
一度トランポリンを使ったら、
落ちたトスカが何度も戻って来て、失笑を買ったとか。(ホントかね)
ここは、カヴアラドッシが銃殺されないと話が前に進まないのですが、
一度、銃殺隊の役者の出るのが何かの手違いで遅れたことがあり、
音楽の方は止まりませんから、
銃殺隊がようやく舞台に登場した時は、
音楽的にはカヴァラドッシが撃たれた後。
カヴァラドッシは大道具のかげに隠れ、
トスカは恋人の死体が横たわっていると仮定して、
「死んでいる」と大騒ぎし、
後を一人芝居でこなしたとか。
場内爆笑で、
ウイーンの国立歌劇場で実際にあった話だそうです。
ホントかね。
このオペラ、プッチーニの「ボエーム」の次の作品で、
初演時、
観客には大評判だったものの、
評論家には不評で、
当時ウィーン宮廷歌劇場の監督の地位にあったグスタフ・マーラーは、
次のように、くさしています。
第1幕の教皇が登場する場面では、教会の鐘が鳴りっぱなし。
第2幕では男が拷問にかけられて恐ろしい悲鳴を上げ、
別の男がナイフで刺し殺される。
第3幕ではローマ市の全景、
凄まじい鐘の連打、
ある中隊の兵士が銃殺される。
…今更これを最大級の駄作だ等という必要はあるまい。
評論家の評価なんて、そんなものです。
[書籍紹介]

道尾秀介の「カラスの親指」に続く、直木賞候補作。
ちょっと不思議な味の短編集。
失踪した友人の死体が発見されたことから、
11年過去の真実と向き合う「鈴虫」。
家族から疎外されている青年が
刑務所作業製品の椅子に隠された文字を見つけ、
その現場の町を訪ねる「ケモノ」。
20年前住んでいた町を訪れた雑誌記者が
過去のレイプ犯罪をした自分に遭遇する「よいぎつね」。
空き巣に入ったという青年が訪ねて来て、
返された貯金箱の中から
出て来た1枚のメモにより、
過去の盗作事件が明るみに出されそうになった作家が、
その青年の家を訪ねて、そして・・となる「箱詰めの文字」。
日記を逆に辿りながら、
最後に分かる驚愕の事実の「冬の鬼」。
イジメにあった少年が出会った女の持つ
人を飲み込むキャンバスを描く「悪意の顔」。
どの作品にも巧妙に仕掛けがなされていて、
最後の数行で明かされた真実に、
読者が驚愕となる作り。
とても面白く、かつ恐ろしい。
「ミレニアム」後遺症の事務局長でも楽しめた短編集。
道尾秀介は2回続けて直木賞落選で、
確かにまだ無理だが、
いずれ直木賞を取るだろう。