理事・支部長会準備と『ドン・カルロ』  

続々と戻って来る理事・支部長会の出欠FAXで
出席表を作り、
一方、表彰の時に配付する受賞者一覧を作成、
記念品の会社に発注し、
などなど。

夕方は上野の東京文化会館へ。
ミラノ・スカラ座の2本目『ドン・カルロ』鑑賞です。

出演は↓のみなさん。

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実は、事務局長、この作品は
昔、短縮抜粋版を観た以外は、初めて。
一流歌手を6人揃えないとならない超大作で、
あまりやらないため、
観る機会がなかったのです。

ヴェルディ、23作目の作品で、
「アイーダ」の前作に当たります。
5幕版と4幕版があり、
今回のは4幕版
指揮者の意向で、一部5幕版からも取り入れられています。

題材は16世紀のスペインを舞台に、
国王フィリッポ2世とその息子カルロ、
カルロと婚約していながら政治的理由でフィリッポと結婚した
お妃エリザベッタ、
カルロに横恋慕するエボリ公女、
王とカルロに忠誠を尽くし、命も惜しまない高潔の人ロドリーゴ、
王権をもゆるがす宗教裁判長
らが入り乱れて展開する物語。
父と子、王権と教会、カトリックとプロテスタント、
公的立場と私的欲望、聖と俗など
沢山の対立軸が展開して、実に面白い。
現代に通じるものが沢山あります。

加えて聞かせ所のアリアがものすごく多い

中でもフィリッポの「彼女は私を愛したことがない」は、
バスのためのアリアでは最も有名で、
王の孤独が滲み出るシーン。
ルネ・パーペ は、見事に期待に応えてくれました。
(この人、ケネス・ブラナーの映画「魔笛」で
ザラストロをしていた人。
2年前、ベルリン国立歌劇場の来日公演
「トリスタンとイゾルデ」のマルケ王役で観たことがあります。
あれは、すごくよかった。)

エリザベッタの「世の虚しさを知る神よ」
エボリの「呪わしき美貌」
カルロの「陛下、私が発つ時が来ました」
ロドリーゴの「わが最後の日が来た」
など、
次々と聞かせ所が押し寄せて来て、聞く方も大変。

それに二重唱、三重唱、四重唱のアンサンブルも多い。

特に、フィリッポと宗教裁判長のバス同士の二重唱は、
すさまじい迫力と緊迫感でした。

それと、演出がいい。(シュテファン・ブラウンシュヴァイク)
簡素な舞台でありながら、
人間の対立関係が際立ち、
内面もよく伝わって来ます。
視覚的効果も抜群で、
カルロが昔のエリザベッタとの出会いを歌うと、
背後に林が現れ、
子供の時の二人が現れます。

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この子供の姿は、
その後もしばしば登場し、
カルロ、エリザベッタ、ロドリーゴの魂を表現しているよう。

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群衆もうまく処理しており、
火刑のシーンなど抜群。

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事務局長の席は7列目の真ん中
例の「お望みの席を取ります」のおかげで、
装置も人間の配置もバランス良く見ることが出来ました。

しかし、歌手たちもみんなよく、演奏もいい
(指揮はガニエレ・ガッティ。
アルゼンチン生まれのバレンボイムとは違い、
ミラノ生まれの生粋のイタリア人)
にもかかわらず、
最後に突き抜けるような感動は押し寄せてきません。
ブラボーもほとんどなし。
観客は正直です。

思うに、一つはカルロ役のラモン・ヴァルガスに問題があるようで、
声量がない上に、容貌が冴えない。
上にあげた複数の対立軸が
全てカルロに向かって収束するので、
その本人が高潔かつ情熱の固まりでなければならないのに、
百姓顔 (お百姓さん、ごめんなさい) では、少し困る。

その点、フランドルの6人の使者たちは、
みんな容貌が素敵で、
それだけでフランドルの状況がよく分かります。

演劇的要素から見ると、やはり外見は大切です。
また、この6人の合唱が素晴らしいんだ。

そういうわけで、6時から始まって10時30分までの
長丁場で、
ヴェルディの音楽は十分堪能したものの、
今一つ浄化までは至らない結果となりました。

期待しすぎたかな。
でも、スカラ座なんだから、
期待には応えてくれないと。

明日に期待。







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