トンネル脱出と『盗作の文学史』  

夏が終わり、選挙も終わり、
何だか、新しい季節に入った気がする。

この1年半、
国民の上に垂れ込めた
総選挙が何時行われるか、
という不安定状態が、ようやく解消した。
この間、いつ解散したら有利かという
「政治家の都合」に国民が振り回されてきたわけだ。
最終的に、最悪の時期に解散して、この結果。
日本の政治家の判断力の貧困さにはおそれいる。

この解散という制度
いいかげんに何とかならないものか。
基本的に任期を守り、
よほどの不祥事があった時に出直しをする。
どの会社もどの団体もどの地方も
そのやり方でやっているではないか。
その方が政治日程はよほど安定し、
準備もできるのだが。

組合の方は、順調に常務会の資料作りが進み、
明日には各部長に送付してチェックを受ける。
常務会が終わると、
理事・支部長会の準備に取りかかる。
今年は表彰もあるので、少し大変。

9月は、個人的にもいろいろな行事が控えている。
ぼやぼやしていると、季節は過ぎてしまう。
その時その時にしか味わえないものがある。
生きているうちが花。
人生は楽しまないと

[書籍紹介]

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文芸作品を巡って起きた盗作事件の収集と分析と検証を目指した
珍しい本。
「文芸における盗作事件のデータを
ここまで揃えた書物は過去に例がなく、
類書が絶無にちかいことだけは
自信をもって断言できる。」

と「まえがき」でも述べている。

「盗作」「剽窃」と
「盗用」「無断引用」「パクリ」、
「影響」「模倣」
などの間には難しい解釈の問題があり、
まして、「著作権侵害」という法律問題に到達するには、
困難が伴い、
更にこれが演劇や映画、テレビでの盗用、影響
となるともっと複雑化して来る。

特に、史実に基づく事件や
実話に基づく創作になると、
元になる資料が同じだから、
似るのは当然だ。

本書は、明治8年の「仮名垣魯文盗作事件」から始めて、
時系列でそれを辿るが、
庄司薫の芥川賞受賞作「赤頭巾ちゃん気をつけて」
大藪春彦の一連の作品、
山崎豊子「不毛地帯」「大地の子」など有名作品も出て来る。

中にはこれを盗作と言われては気の毒だな、というものもあるし、
いくら何でもこれは抗弁できないだろう、というものもある。
チームでデータを集めて作る小説の場合など、
仕組み上おこりやすくなっているものもある。

その元の文章と「盗作」の文章と両方並べて比較しているのも面白い。

最大のは、ある新人賞受賞作がまるごと盗作だった件で、
違いはたった3箇所、
「受賞の言葉」まで他の人からのパクリだったというおまけまで付く。

盗作というのは、まさに「盗み」なのだが、
それを平気でしてしまうメンタリティーは理解できない。
その規格外れの精神は、まさに
盗作者は倒錯者」なのかもしれない。

そういう意味で、実に面白い本だった。
ただし、膨大。年表・索引も入れて、492ページ。
興味のある方は、どうぞ。





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