マイケルの死  

マイケル・ジャクソンが死んだ
その途端に、
マスコミは手の平を返したように、大称賛を始めている。

子供たちをネバーランドに招待した時に
一緒に泊まり、
おそらくは抱擁したであろうことを
「性的虐待」と書き立て、
わが子をよく見せようと
ホテルのバルコニーから赤子を乗り出させただけで
「幼児虐待」と曲解し、
たまたま顔をしかめた時の表情を撮った写真を
「整形のやり過ぎで顔が崩れ始めた」
と報道し、
一人の無防備な壊れ易いピュアな魂をずたずたにした
同じマスコミが
今となっては、人類の財産を失ったかのような大騒ぎだ。

マイケルの晩年は不幸だった。
歌うことが大好きで、
歌っていれば幸福だったのに
音楽活動を封鎖され、
もっぱらスキャンダルとゴシップだけの対象となり、
お笑いのネタにされた。

マイケルの音楽を聴いたこともなく、
そのダンスを見たこともない人たちによって
からかいの道化とされた。

今朝の電車の中で
高校生が、こんな会話をしていた。
「マイケル、死んだね」
「いくつだったの」
「50」
「天国に行くのかなあ、地獄に行くのかなあ」
思わず後ろからぶん殴ってやろうかと思ったが、
明日の新聞に
「中年男性が車中で暴行
マイケルへの悪口に激昂して」

などという見出しになるかもしれないと思って、我慢した。

今、テレビはかつての全盛期のマイケルの姿を映し出している。
昨夜はフジテレビの特番で
「スリラー」が13分間にわたって放送された。
(ただし、字幕なし)
どうせなら、
「BAD」も「スムーズ・クリミナル」も「ブラック・アンド・ホワイト」も
放送してほしかった。
20数年たっても古びないその歌とダンスと映像に
驚嘆するだろう。

そういう意味で、
もはやマイケルはゴシックのネタとはならず、
残された膨大な曲と、
素晴らしいショート・フィルムズが
その業績を不滅のものにしていく。

前にもブログで書いたが、
事務局長も娘もマイケルの大ファン。
日本のコンサートは全部行っている。
小学生の娘を後楽園球場に連れて行った親などいただろうか?
中学の時は、
福岡でしかやらないコンサートのために
父子ででかけた。

今日、娘から入ったメールには、
「マイケルほんとに死んじゃったんだね。
ちょっとショックすぎてしごとができない。
ちかいうちに追悼DVD鑑賞会やるから」

とあったが、
一足早くDVDを観ていた父親の部屋を
音を聞きつけて娘が訪ねてきた。
しばらくDVDを観ながら、
マイケルの思い出話。

そういえば、前にブログに書いたことを思い出して、検索してみた。
そのうちの一つの方には、
こんなことが書いてある。

[再録]

彼はアーチストなので、
曲が全てです。
その意味で、
彼が生み出した様々な曲は、
他の誰があのような音楽性を持てたか、と言いたくなります。
モーツァルトがどんなに幼児性たっぷりではた迷惑な人間だったかが
研究によってあばかれたところで、
その音楽の価値はそこなわれないのと同じです。
文学も、絵画も、
全ての芸術はその人間の人格や性癖とは関係なく、
そのものだけで純粋に評価されるべきなのです。

「スリラー」から「BAD」に至る
彼の頂点の時期の音楽、
事務局長の大好きな「ビリー・ジーン」や「ビート・イット」
などを聞けば、
彼の偉大さは分かります。
マイケルの音楽を聞いたことがない人間が
マイケルの奇矯な行動を笑うのはやはり腹が立ちます。
「ヒール・ザ・ワールド」を生み出すような人間が
幼児虐待を行おうが、
どのみち分かりはしないのですから、関係ないのです。

どんな偉大な人も潮目があり、
マイケルの時代は既に去っているのは事実でしょう。
今、彼には
「マイケル、そういうことはしない方がいい」
と助言してくれる人がそばにいないようです。
今度の40万円集会で、
うちの娘のような長い間のファンを沢山失ったことでしょう。
少し哀しい。

子供の頃からショー・ビジネスの世界に生き、
普通の少年時代をすごせずに
傷ついた一つの魂の今の姿は痛々しくてなりませんが、
そこは天才。
最後にもう一花咲かせて、
下劣な噂を吹き飛ばす姿を見てみたいものです。

[再録終わり]

ロンドンのコンサートで最後の一花を咲かせるはずが、
それさえも許されなかった。

しかし、それでもマイケルが立てた金字塔を破る人はもういないだろう。
アルバム「スリラー」の世界販売総数1億5百万枚は、
音楽ダウンロード全盛の今では、
破られるはずがない偉大な記録だ。
そして、数々のショート・フィルムズの中で、
さっそうとした20代前半のマイケルの姿は生き続けている。

芸能関係の人が死んで悲しくなったのは、今度が始めてだ。
石原裕次郎の時でさえ、
ファンであった時期からの間が長かったせいか、
悲しくはならなかった。
マイケルの訃報に触れて、恥ずかしいが、
本当に泣きそうになった。

今、マスコミは、
かつての謝罪であるかのように讃美を繰り返している。
人は棺桶に釘が打たれる時に
その評価が定まる
というが、
マイケルが死んで始めて、
知っている人も知らない人も
その偉大さに気づいたのだろう。

「スリラー」を観たい方は↓をクリック。(画面に出るへんなコメントは無視して下さい。)

http://www.nicovideo.jp/watch/sm2113271

「ヒール・ザ・ワールド」は↓。(後半部分)

http://www.nicovideo.jp/watch/sm154952

「スムーズ・クリミナル」は↓。(長いですが、これは素晴らしい)

http://www.youtube.com/watch?v=ex30DYwQlHU&hl=ja

「今夜はビート・イット」は↓。

http://www.nicovideo.jp/watch/sm3998071







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