インタビュー原稿とMETの『ザ・オーディション』  

新聞の理事長インタビューの編集を終了。
島田理事長にFAXして了解を得たので、
次の新聞に掲載されます。
ほっとしました。

ご自分の代になって起こった金融危機や
その結果としての赤字転落をどう見たかなど、
思いがけない受け止め方をしていたものだと
感心させられました。

就任1年の恒例インタビューということですが、
理事長の人柄や思っていることを組合員に伝える重要なものなので、
毎年やってもいいかもしれません。

インタビューの最後の方に
一番重要なのは愛で、
表面的にうまくいっているように見えても、
愛がなければ何にもならない
という部分があり、
クリスチャンではない (はずの) 島田理事長から
そういう言葉が出たことに驚きも感じました。

というのは、
新約聖書「コリント人への手紙」
(使徒パウロがギリシャのコリントの信徒たちに送った手紙)
に次のような記述があるからです。

「たといわたしが人々のことばや御使たちの言葉を語っても、
もし愛がなければ、
わたしはやかましい鐘や鐃鉢と同じである。
たといまた、私に予言する力があり、
あらゆる奥義とあらゆる知識とに通じていても、
また、山を移すほどの強い信仰があっても、
もし愛がなければ、私は無に等しい。
たといまた、わたしが自分の全財産を人に施しても、
また、自分のからだを焼かれるために渡しても、
もし愛がなければ、いっさいは無益である。」


そして、次のような箴言につながります。

「愛は寛容であり、愛は情け深い。
また、ねたむことをしない。
愛は高ぶらない、誇らない、不作法をしない。
自分の利益を求めない、いらだたない、恨みをいだかない。
不義を喜ばないで真理を喜ぶ。
そして、すべてを忍び、すべてを信じ、
すべてを望み、すべてを耐える。」


この部分、事務局長の家の玄関の飾りに書いてありますが、
宅配便の方がこれを読んで、
「いい言葉ですね。
書き写させてもらってもいいですか」
とメモしていきました。
感受性のある方は感じるんですね。

イエスは、愛について、

『自分を愛するようにあなたの隣り人を愛せよ』。
これより大事ないましめは、ほかにない。

と基準を示しており、
その最高峰は、

人がその友のために自分の命を捨てること、
これよりも大きな愛はない。


とまで言っています。
まあ、凡人には無理ですが。

愛というのは難しいもので、
家族までは愛せても、
隣人や同僚になると困難が伴います。
まして「敵を愛する」などというのはとても無理です。
逆に聖職者などは、
「全世界の人は愛せても、
目の前にいる一人の人を愛せない」
という悩みを抱えています。

このあたり、
カトリックは、
「愛せなくてもいいから、
愛したと同じ行動を取りなさい」

と教えています。
カトリックは大人ですからね。

[映画紹介]

クリックすると元のサイズで表示します

METライブビューイングのおまけで、
半年間も待たされ、
あやうく見逃すところでした。

メトロポリタン歌劇場の
若手発掘・育成のためのオーディションのドキュメンタリー。
1954年以来の伝統のあるもので、
あのルネ・フレミングおばさんも
ここでの受賞者。

アメリカ全国で1800人の応募者の中から
地方予選を勝ち抜いて来た22人が
METに集結して準決勝を闘うところから始まり、
11人に絞られた歌手たち↓

クリックすると元のサイズで表示します

の決勝までの様子を
ナレーションは一切なしで、
リハーサル風景とインタビュー、
決勝の舞台と楽屋控室の様子だけで綴る。

オーディションという状況そのものがドラマチックなところに、
選び抜かれた本当の実力者たちが
プレッシャーと闘いながら
夢であったMETの舞台で
本物のオーケストラの伴奏で
4000人の聴衆の前で歌うまでが
すさまじい緊迫感で描かれる。

この11人の若手歌手たち
(独学で学んでいる人もいれば、
既に地方の劇場で舞台に立っている人もいる)
の魅力的なこと。
そして、迎えるMETのスタッフたちの素晴らしさ

決勝進出者たちに
「今日からあなたたちをアーティストとして扱います」
と告げ、
「技術じゃないの。
聴衆にあなたが何を訴えたいかが問題なの」

と本質的助言をする。

審査の打ち合わせでは、
「30歳ならすぐに舞台に立てる力。
でも20歳なら粗削りでもいい。
将来性を見てあげて」

と言う。

失敗して嘆いている歌手に
「いいのよ。
失敗から学んで自分を変えていくの。
だって、あなたはプロでしょう」

とアドバイスする。

その助言は常に的確で前向きだ。
そして、根底にあるのは、
才能に対する尊敬と愛情
これを見ると、
人を育てるということは、
否定より肯定、
押さえつけることよりも引き上げること
によって
もたらされるのだとよく分かる。
日本の教育は、悪いところをなくそうとし、
欧米のそれは、良いところを延ばそうとする
ものだというのを
如実に見た思いがする。
そして、一流の人というのは優しいのだということがよく分かる。
(それに比べると、審査員たちは、みんな意地悪だった)

始めの方で、ピーター・ゲルブ総裁が、
「METの観客の平均年齢は65歳。
5年前の調査では、60歳だった」

というのは笑える。
観客の高齢化がMETの悩みで、
次世代の観客の開拓の働きが
このオーディションであり、
METライブビューイングだということが分かる言葉だ。

決勝の舞台に登る歌手たちにカメラは付き添い、
終わった歌手の姿をずっと追って楽屋まで至る。
そこで見せられる人間模様。
特に本命と見られていたテノール歌手の本番を
舞台袖で見守るスタッフの中に現れる恍惚とした表情、
戻って来た歌手を迎えて抱き合う姿は感動的。

最後に1年後に、
その11人が今、どんな活躍をしているかが紹介される。
中には驚きの部分もある。

音楽芸術、舞台芸術の最高峰であるMETで繰り広げられる芸術の祭典。
酔った。
素晴らしい。ほんとにほんとに素晴らしい。
オペラファンでなくても、沢山の人に観てもらいたい。

5段階評価の、迷うことなく「5」。

もっと早く紹介すればよかったが、明日(6/12)まで。
東劇で6時40分から。









AutoPage最新お知らせ