補助金事業の会議と昔の小説  

午前中は昨日の総代会の後処理をし、
一方、新聞記事を書き、
午後からは会議で、飯倉にある農畜産業振興機構の会議室へ。

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工事中のアメリカン・クラブの向かいにあるこのビルに来るのは、
十何年ぶりでしょうか。

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特殊法人の統合で名称が変わりましたが、
昔は「畜産振興事業団」といい、
莫大な補助金事業を出していたところです。
われわれは「事業団」と呼んでいました。
今でもその方が分かり易い。

そういえば、組合に就職して1週間目、
連れて来られたのがここでした。
当時組合は「合理化事業」という補助金事業をやっており、
その打ち合わせで、前の事務局長と同道したのです。

巡り巡って26年。
今、別な補助金事業の会合でここに来たのも面白い。

さて、その会議。
本省の担当課長補佐を中心に、
その事業を運営する団体と、
補助金を受ける数団体とで、
原案を検討し、疑問点を修正する、会議らしい会議。

おかげで、実際の運営上は難しい点について
修正できたのは成果でした。
その部分を直さないと困難がありましたので。

それにしても、
補助金を受ける団体からの出席者の中に
とてつもなくエラソーに発言する人がいて、驚きました。
断定的に強圧的に語る。
自分が一番偉いかのように。

威張るということは、精神の貧困を示すのですが、
当人は全く気づいていないのでしょう。貧困だからね。

その上、ないものねだりの空論を展開。
ものの分かる人が見れば、
現実を何にも知らない人なのですが、
当人は一番自分が分かっていると思っている。
自分の姿が見えていない。
まわりも注意しない。
つまり、裸の王様
あれでは、部下が辛かろう。

その上、無礼で、
こちらが挙手して発言しているのに、
挙手もせずに話に割り込んで来る。
会議のルールさえ知らない。
あんな人だったのか。
がっかりです。

あるインタビュアーの話によると、
一流の人ほど謙虚だ、と聞きました。
「実るほど 頭を垂れる 稲穂かな」
反対に
「みのるほど ふんぞりかえる かちょうほさ」
というのもあるそうです。

それは置いておいて、
実は、この会議に出るのも今日が最後。

というのは、わが組合、補助金事業には参加しないからです。

昨日、総代会の前の常務会で、
今回の補助金事業を受け入れるかどうかを検討してもらったところ、
「否」の答が出ました。

というのは、わが組合は都肉連が解散して全肉連から脱退した時、
補助金事業に訣別したのです。
そのかわり、資産運用して自ら資金を作り、
組合員のための助成事業を作り上げました。
補助金などあてにせずに、
自分で自分の組合員を助ける、
と胸を張ってきたのであって、
今更補助金事業などを受けたら、
その姿勢が崩れてしまうというのです。

もともと補助金事業は、
本当に困っている人たちに対してなされるべきであって、
わが組合のように潤沢な資金を持っている団体が受けることはありません。
商売は自助努力をすべきものであって、
人様が立てたプランにお金までおんぶしてする筋合いのものではありません。
そういう思想が横溢しているからこそ、
「補助金事業はやらない」
と、機関決定してしまった次第。

お見事。
わが団体ながら、感服しました。
補助金を「ちょうだい、ちょうだい」という団体が多い中で、
「補助金、要りません」という団体が
一つくらいあってもいいではありませんか?

ただ、全国行事なのに、首都が抜けているのは不都合もあるでしょうから、
可能な範囲で協力はします。
事務局も努力します。
組合員にも協力をお願いします。
ただ、補助金はいただかない。

そういえば、BSEの時の国産牛肉の買上げ制度の時も
わざわざ機関決定してまで不参加を決めたのが
わが組合でした。
御存知のとおり、
買上げ制度はその後、
不正が発覚し、
逮捕者まで出したのですから、
あの時の組合の選択は全く正しかったのです。


さて、家に帰り、ブログを始めて、
事業団の入っているビルの写真など見ていたら、
突然、そういえば、ここを題材にした小説を書いたな、と思い出しました。

「断崖の葬列」と題した100枚ほどの短編は、
「輸入牛肉振興事業団」という架空の特殊法人を舞台に
輸入牛肉の談合汚職に関わった男が逮捕され、
沈黙を守り通すことにより本省に塁を及ぼすことを阻止し、
そのほうびに準備された外郭団体への天下りを拒否して
執行猶予が終わると失踪し、
行き着いた西の町で婿養子に入って姓を変え、
一介の料理屋の板前の別人として生きている。

そこへ、知事選に落下傘候補としてやって来た
事業団の上司に再会してしまう。
知事になったら俺の側近で仕事をしてくれと頼まれて、
霞が関時代への追憶に悩まされつつ、
ある恩人との関係で殺人事件に発展していく・・・
という社会派ドラマ。

題名は、黒豚のふるさと、英国バークシャーの断崖へ向かう
黒豚の列を老人の葬列にみたてたもの。

例の新人賞を取った後に書いた作品の一つで、
残念ながらボツになり、
日の目を見ませんでしたが、
今日、突然、蘇ってしまいました。
こんな経緯で、
自分の昔の作品に再会するとは。
だから、人生は面白い。






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