総代会準備と『赤い城 黒い砂』  

今週から総代会の準備に取りかかります。
印刷屋から資料があがり次第、
総代宛て招集状を送るのですが、
封入物が複雑なので、
間違えないようにする配慮が必要。
最近は総代と常務会メンバーの2種類だからまだいいですが、
その昔は、
総代、常務会、理事、支部長入り乱れ、
大変複雑な作業をしたものです。
総代と理事の兼任を禁じたり、
支部長は招集しないようにしたりで、
この数年で改善されました。

昨年の「国産牛肉まつり」の主催団体から実施報告書が送られて来ました。

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全国のアンケート結果もまとめられた、
全4冊の膨大なもの。
これだけ見ても、国の金 (実は国民の税金) をふんだんに使った
大イベントだったと分かります。
アンケートの集計は都肉協・全肉連・全農と3つの区分でまとめられています。
都肉協とは、耳慣れない略称ですが、わが組合のこと。
ざっと目を通してみましたが、
数箇所の間違いを見つけてしまいました。
職業病ですね。

夕方からカミさんと合流して日比谷へ。
カミさんは、事故後初めての国境越えです。(千葉国から東京国への)

観たのは、日生劇場『赤い城 黒い砂』

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日生劇場は久しぶり。
ここで沢山のお芝居を観ました。
はるか40年も前の昔、
「入学祝いに何がいい?」と姉に言われて、
「日生劇場でやっている『アンドロマック』(ラシーヌ)が観たい」と
答えたことを覚えています。
マセたガキでした。
平幹二郎、市原悦子、日下武史、渡辺美佐子の大豪華キャスト。
それが事務局長の日生劇場初体験。

事務局長の演劇第1位を長期にわたり占めた
「リア王」(蜷川幸雄演出・市川染五郎[当時]主演)を観て虜になったのもここです。
そうそう、「オペラ座の怪人」の冒頭、
ゆらゆら揺れながら上昇するシャンデリアに
全身総毛立ったのも、ここでしたね。

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片岡愛之助、中村獅童、黒木メイサが共演する豪華舞台。

題材はシェイクスピアの「二人の貴公子」
えっ、そんな作品あったか、と中年以上の演劇ファンは言うだろうが、
その反応は一理あり。
事務局長などが一生懸命シェイクスピアを観ていた頃、
シェイクスピア作品は37作と言われていた。
最近では39作、あるいは40作と言われている。

「二人の貴公子」がその追加の一つで、
「テンペスト」を最後に引退したシェイクスピアが
国王一座の座付き作家を継いだ
ジョン・フレッチャーと共に共作したのがこの作品。

(きっと「ねえ、先輩、ちょっと助けて下さいよ」とでも言われたんでしょう。
それにしても、シェイクスピアと共作なんて、夢みたいですね)

シェイクスピアの第一全集に収められなかったことや
当時、シェイクスピアの名前を冠して出版された疑わしい戯曲が
沢山あったことから除外されていたが、
20世紀後半の研究により、
シェイクスピアとフレッチャーの共作と認定されるに至った。
他に「ヘンリー八世」と「カルデニオ」も二人の共作とされている。
今では、
第2幕は第1場だけシェイクスピアで残りはフレッチャー
第3幕は第1場と第2場だけシェイクスピアで、残りはフレッチャー
第5幕第1場は最初の33行はフレッチャーで、残りはシェイクスピア
などと学者は分類している。
そういうわけで、2000年代になってから日本でも紹介されるようになった作品。

↓は、2004年に出た白水社版。

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「赤い城 黒い砂」は、
この「シェイクスピア幻の作品」を翻案。
翻案といっても、まさに換骨奪胎で、
ギリシャ神話の時代も場所も
時代不明、国籍不明の話に置き換えられている。
つまり、

勇猛果敢な二人の親友が戦に敗れて捕虜になり、
その国の王女に二人が同時に恋をしてしまい、
一人は王女の護衛兵になり、
一人は牢番の娘に救われ、
やがて二人は戦い合うようになる

という基本ラインを生かして、別な話に仕立てたもので、
脚本の蓬莱竜太は原作 (ネタ本) は1度しか読んでいないらしい。

別にシェイクスピアに対するリスペクトがあるわけではなく、
30歳そこそこの若い劇作家が
シェイクスピアの戯曲の素材を使って、
自由に再構築した、という印象。
シェイクスピアのセリフも香りも雲散霧消。
その点、黒沢明が「蜘蛛巣城」や「乱」で
「マクベス」や「リア王」にオマージュを捧げたのとはわけが違う。

赤い国と黒い国の二つの国が絶えず戦争を繰り返し、
狂言回し的に登場する武器商人が背後をあやつり、
ミサイルのような新兵器で城壁が粉みじんになったり、
アラブの兵士風の者たちが銃を乱射したりと、
いろいろと深読み、置き換えができるところがミソ。
「大量破壊兵器」や「平和ボケ」などという言葉も出て来るから、
そんなところも意識しているのだろう。

演出は栗山民也
舞台装置を回しながらスピーディに場面転換していくが、
緩急自在というわけにはいかず、一部、もどかしい。

出演者では、中村獅童が愛嬌のある分、得をしており、
セリフが際立つ。
やはり舞台で華がある。
女優陣は弱く、
黒木メイサは外見は全く申し分ないが、セリフに難あり。
中山仁、田口守、中嶋しゅうなどのベテランが出て来る場面はほっとするが、
全体的に演技に力量の差がありすぎるのは、
この種の商業演劇の宿命か。

シェイクスピアを思いながら、
現代を照射した舞台を観たい方はどうぞ。





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