国産牛肉まつりと怒りとイルミネーション  

例の「国産牛肉まつり」のことで、
事務局長は少々怒っている。

何をどう怒っているかというと、
せっかく金を使うなら、
なぜ効果的になるよう知恵を使わないのか
と思うからだ。

もちろん担当者は一生懸命やっているはずなので、
脇で見ていて
あれこれ言うのも悪いなあと
これでもおさえている。
そうなったには、そうなっただけの
当事者にしか分からない事情があると思うからだ。

また、担当者との細かいやりとりまで書くのははばかれる。

ただ、今度のことは、組合員が関わるので、
ちゃんと言わないと、いいことになってしまうから、
書くことにした。

「国産牛肉まつり」は12月6日から21日まで (1次) と
来年1月28日から2月28日まで (2次) の
2回にわたって行われる。
開始少し前にポスターやスウィングディスプレイ、
懸賞応募ハガキのついたチラシ、
牛肉知識普及のリーフレットなどが
一つの梱包に入って配送される。

1軒1軒の参加店にではなく、
東京組合の場合だと、
65ある配送拠点に
それぞれの参加店数分配送され、
そこから先は担当者 (支部役員) が参加店に連絡して取りに来てもらったり、
親切な人は自分が配ったりする。
いずれにせよ、
支部のみなさんの協力によって成り立っている。
(聞けば、全肉連はギフト券資材の配送ルートを活かし、
全店直接配送されるそうだ)

さて、その配付物。
1次と2次は全く同じものが配送されるのだという。
ポスターやディスプレイは1次期間が終われば捨てられるものだから、
同じものが行ってもいいだろう。
懸賞応募チラシが同じなのは当然だ。
問題はリーフレット。
A・B2種類あるが、
1次の時、A・B各50冊。
2次の時もA・B各50冊。

これでは配るお店が困る。

商店街の食肉販売店など、
狭い商圏の中で、お得意様を相手に商売しているのだ。
1回目は、1週間程度の間に
お客さんに
2種類を適当に分けて (あるいは2冊ずつ) 差し上げることで終わる。

その1カ月半後。
同じリーフレットが来れば、
また同じお客さんに差し上げることになってしまうではないか。
前にどのお客さんに差し上げたかなど
覚えているはずがない。
「前、もらったからいいわ」
と突き返される時、どんな気持がするか。
黙って持って行った人は、
家で同じ冊子を見つけて、
片方は捨てるだろう。

何より、2次の配送物を受け取った参加店は、
箱を開いた時に、
「何だ、同じじゃないか」
と、怒るだろう。
(参加店は、Sセンターからではなく、
組合が送ったと思うのだ)
いや、怒るよりも、
このキャンペーンそのものが
いいかげんに運営されていると感じて、
モチュベーションを下げてしまうだろう。
その方がこわい。

こういう現場レベルのことを何も考えていないとしか思えない。
何より、1カ月半の間を挟んで
2回に分けて行うのだ。
別なリーフレットにすれば済む話だ。

そこで、Sセンターのホームページで
膨大な印刷物のリストを見てみた。
あるある。
牛肉の消費促進にふさわしい知識普及のものがみつかった。
何も新たに作ることはない。
それを増刷すれば、
Sセンターだって、
過去の蓄積が活かせて嬉しいだろう。

そこで、担当者に言うと、一遍に2回分刷ってしまうので、
それはできないという。

ただ、東京の分は
第1次にはAのリーフレットを100冊、
第2次にはBのリーフレットを100冊配ることにしましょう、
と対応してくれた。
次善の名案だ。

しかし、翌日、それもできないと言ってきた。
なぜなら、1回目の分、
2回目の分、分けて印刷し、
とりあえず1回目の分を印刷して、
2回目は先のことなので、
片方東京に行く分を増やすと
他が足りなくなってしまうというのだ。

ならば、1回目各50ずつ行くのはいいとして、
2回目分の印刷が先のことなら、
同じものではなく、
違うものを配る
よう、
再検討してくれ、と伝えた。

そして、その翌日。
やはりそれはできない、という。
というのは、
今週末に1回目の分が納品されて、梱包に回り、
来週末に2回目の分が納品されて来るので、
新しいものは作れない、というのだ。

つまり、もう後戻りできない
これ以上
できない相談をして担当者を困らせても仕方ないので、
鉾をおさめた。

お役人 (とその周辺)は、
最後は「時間がない、予算がない」というのが常套句。
どんなことでも予算と時間がないのは当たり前で、
その予算と時間の制約の中で
どうやって知恵を使って
効果的に実施するか
を誰だって考えているのだ。
条件は同じ。
要するに、かけるお金をどれだけ大切に思うかで、
そのお金は元々税金のはずだ。

「2次にわたって実施するのだから、
同じお客さんに渡す可能性も大きい。
ならば、
2回の配付物は違うのにしましょう」

と、会議の場で誰も言い出さなかったのか。
そうすれば、
「4種類配るのだから、
1冊は牛肉の栄養、1冊は調理法、1冊は・・・」

と次の知恵も発生しただろうに。

なぜ、そういうことができないか。
机の上で議論しているからだ。
現場レベルの人に
「これでどうか」と聞く
謙虚さも懐の深さもないからだ。

自分たちのプランに落ちはないか、
視野が狭窄していないか、
現場の人に迷惑をかけないか、
一度、実施する店舗の意見を聞いてみよう、
という発想がない。

要するに、自分たちに足りない分があるかもしれないから
他の人の知恵や経験を貸してもらおう
という、当たり前の謙虚さがないからだと思う。
きっと、
そうやって、人の力を貸してもらって良いものにした経験がないのだろう。

事務局長だって、基本的に机の上で仕事をしている。
だから、文書を作ったり、
新しい企画を立てると、
事務局の他のメンバーに読んでもらったり、
担当役員に送ったり、
その文書を受け取る側の人に見せたりして
「これでどうか、分かりにくくないか、誤解を与える部分はないか」
と聞いている。
それで助けられたことが沢山ある

誰だって、自分の仕事にケチをつけられるのはいやだ。
だが、事前に相談すれば、
指摘された内容はケチではない。
自分の仕事を良くするためのアドバイスに変わる。

そして、
他の人と仕事をする時、
いつも言うのは、
後戻りできないような事態にはしないでくれ」だ。
修正が効く期間の設定が大事なのだ。

今度のことも、
1次と2次の間には1カ月半の間がある。
ならば、
2次の分の作業は、少し待ち、
1次が終わった段階で、
実際に配付した店舗にいろいろ聞いて修正できるではないか。
ポスターの大きさは適当か、
ディスフレイの数は適切か、
リーフレットは次はどのようなものを望むか、
運営上、不都合な部分はないか
等、訊けば、
「なるほど、それは気付かなかった」
という部分が出て来るだろう。
そうすれば、
2回目の冊子は変えた方が効果的だ、
という知恵は出て来る。
なのに、11月の時点で2次の分まで印刷していたら、
まさにそれは「後戻り出来ない事態」なのだ。

なぜ人の意見を聞くべきなのか。
それは、自分のためだ。
自分の仕事をより良くするためなのだ。
自分の仕事が可愛かったら、
そういう手間が必要なのだ。

繰り返すが、
配付物が行った時、
支部の役員は連絡して取りに来てもらったり、
自分で配って歩いたりする。
そういう目に見えない奉仕をしている方たちがいることを知って、
その方たちが最もやりやすい仕組みにする、
それが必要なのだ。
「これは牛肉消費の増進で、
あなたたちのためになるのだから、
協力は当然」
という上からの目線では、
決して分からないことが沢山ある。

ついでだから言うが、
今度の一連の国産牛肉需要増進のイベントの中で、
競馬場で牛肉の試食をするらしい。
競馬場に集まる
最も食肉販売店やスーパーに行きそうもない人たちに試食させてどうするのか。
その人たちが家に帰って「牛肉を買ってくれ」と奥さんに言うとでも思っているのだろうか。

ものごとにはターゲットというものがある。
そういう意味で、
今回食肉販売店で試食させるのは最適で、良いアイデアだと思う。
だから、組合員からの応募は多かった。
その一方で、
たとえ、いつもやっている新宿駅頭での試食会などは
やるべきだったのではないか。
あそここそ、牛肉消費のターゲットがぞろぞろ歩いている。
マスコミと連動して電波に乗せれば効果は倍加しただろう。

事情通によれば、
今回の牛肉対策は総額13億円の予算がついているという。
知識普及と店頭試食は2億円。
以上の数字は未確認なので、
間違っていれば指摘してほしいが、
もし正しければ、
残りの11億円はどんな事業をやるのか興味がある。

その一方で、
農水省はテレビでの広報宣伝には乗り気ではないらしい。
電波が消えてしまうのが感覚的に好きではないのだろう。
しかし、テレビが人の購買意欲に最も密接なのは
わざわざ言うまでもないこと、
人を動かすのはやはりテレビだ。
もし反対するお役人がいるとすれば、
その人はテレビのコマーシャルで宣伝した商品を購入した経験のない、
良くいえば孤高の人、
悪くいえば浮世離れした人に違いない。

今回のキャンペーンで
一つの家庭で一度でも牛肉料理をしてもらいたいとういなら、
テレビですきやきがぐつぐつ煮える
うまそうな映像
を流せばいい。
その方がよほど効果がある。

いろいろ書いたが
ポイントは一つ。
自分の仕事を大切にする。
そのためには、
自分一人の知恵は限界があるのだから、
他人、特に現場レベルの人の声を聞く余裕を持つ、
それに尽きると思う。

怒っていては、精神衛生上悪いので、癒しの光景を。

↓今日行った、六本木ヒルズのイルミネーション。

クリックすると元のサイズで表示します

↓変わったツリー。

クリックすると元のサイズで表示します

↓国際フォーラム。

クリックすると元のサイズで表示します

↓舞浜のイクスピアリ。

クリックすると元のサイズで表示します





AutoPage最新お知らせ