自主点検と表示講習会  

昨日の続き。

座談会の後、急遽三役会に切り換えて、検討していただいた件。

このたび、A全国某団体では、

(全国団体がいくつもあるので、混同を避けて、
A,B,Cとアルファベットを付けることにする)

傘下組合員全員を対象に、
食肉表示の遵守状況に関して自主点検調査をすることになり、
B全国団体の事務局会議の場で発表、
各県組合での実施が要請 (実質、強制) され、
わが組合も
非公式な要請を受けた。

( 公式なら、先方の専務が組合に来て事務局長に話をすることになるが、
そうではなく、
当日B全国団体の会議に出ていたわが組合の事務局職員に、専務が
「東京、やりたいなら、調査票を提供するよ」
という程度なので、形式的にも実質的にも非公式。)

わが組合はA全国団体からは脱退しているので、
それに従う必要はないが、
それだけでは済まないのは、
この自主点検の必要性が、
最近の一連の食肉偽装の不祥事の中で出て来たのは明白で、
その「一連」の中に、
わが組合員であった、山形屋の問題がある。
山形屋は除名したが、
トカゲの尻尾を切ればいいわけではなく、
わが組合としても、
何らかの対応を迫られる事態だ。

この自主点検もそういう文脈の中で、
全国団体も何かをしなけれはならない状況の中で出て来たのだろう。

で、問題はその「自主点検」の内容。
5ページにわたる調査票は文字が沢山。
選択肢に〇を付けるものだけではなく、
記入する欄も多い。
比較的文字に親しんでいる事務局長でさえ
頭がくらくらするほどだから、
現場で仕事をしている方が、
仕事の合間にこれを記入するのは、さぞ大変だろう。

大変でも「自主点検」することで、
もう一度自店の表示を見直してみることに意義がある、
ということだろうが、
点検内容は適正表示指導員が巡回指導する内容と同じ。
というより、
秋に実施するB全国団体の店舗調査と同じで、
調査票の作りも同じ。

こういう調査票を作って自分で点検させれば、
さぞ、姿勢が正されるだろう、
ありがたく思え、という発想はかなりお役所的

事務局会議では「えー、こんなことさせられるの〜」
という声が上がったそうだが、
調査票は各店舗に直送。
封筒の宛名を書いたり、
その対象店舗の一覧表をA全国団体に提出したりする
事務局の仕事は大変に違いない。
なお、A全国団体に直接返信される封筒の切手代は
A全国団体が持つが、
お店に郵送する切手代140円は各県組合持ち。
(500名組合員のいる組合では7万円。
わが組合だと18万9千円になる)

大変でもやらねばならない、
各県組合がそういう自主点検をしないと、
世間の批判には耐えられない、
業界ではちゃんと自粛作業、矯正作業をしていますよ、
という一種のアリバイ作りにはなるだろうが、
実質の効果は疑問。
調査結果の集計はA全国団体がするというが、(おそらく外注で)
集計結果が出るのは
数から見て、
相当先になるはず。

通常の状況であれば、
「公取協では指導員の制度があり、
その巡回指導があるので、十分」
と言えるところだが、
山形屋という震源地を抱えたわが組合としては、
そうとばかりは言っていられない。

そこで、
この自主点検に乗りましょうか、どういたしましょうか、
ということを三役会にかけた次第。

調査票を見た三役たちの反応は否定的。
「こんな難しいもの、みんな書かないよ」と。

(ここで、話は飛ぶが、
2カ月ほど前に、
ある調査会社から
非営利団体に関する、
行政がらみの調査票が送られて来た。
回収率が低いと担当者は困るだろう、
と思った事務局長は、この種の調査にはいつも協力するのだが、
記入しているうち、
組合決算を、
収益事業と非収益事業を分離して記入せよ、
という部分で、これは無理だ、
こんなことに時間はかけていられない、と断念。
放置していたら、
数日前、催促の手紙が来た。
そこで、担当者に電話をかけて、
とても難しくて無理、と伝えると、
「みんなからそう言われます」と担当者は泣きそうだった。
不思議なのは、
調査票の案の段階で、
どうして現場レベルにモニターさせないのだろう。

今度のA全国団体の調査票も、
それはしたのかね。)

みんな書かないよ、やらないよ、
で済めばいいのだが、
「震源地」を抱えていたわが組合としては、
それで終われるわけもない。
そこで、では、どうしますか、
と審議して、もっと大変なことになった。

組合の6ブロックで表示の講習会をする。
自主点検調査票に記入して返送する、
などというのより、
もっと血の通ったことをしよう

と。
調査票を送りつけて、書け、というくらいなら、
自分たちが現地に行って、
一緒に学びましょう
、という発想。
問題は、山形屋のようなタイプの人は、
こういう講習会にはもともと出ないということ。
そしたら、更に、おまけがついた。

講習会参加者には、受講証明書を発行
それを店頭に掲示することで、
消費者にその店の
表示に対する取り組みをアピールできる。

と。
B全国団体でも、それに近いものを作るようだが、
なにやら委員会を作って検討するので、
10月にならないと出てきそうもない。
となれば、組合独自で作るしかなく、
その証明書には、
受講者の名前などを書き込まなければならないだろうから、
事務局の手間は大変なものになる。

更に心配なのは、受講者。
何人集まるか。
集めるのに苦労するか、
それとも、集まりすぎて苦労するか。
「受講証明書」に価値を認めれば、
殺到する可能性もある。
本来、全組合員が出るべき講習会だと思うので、
それはそれでいいが、
問題は費用。
参加者には交通費を出すから、
それだけでも百万以上。
招集状を各店に出す切手代、
「証明書」の郵送代・・・
18万9千円どころの騒ぎではなくなった。

ただ、山形屋という
内部から偽装者を出してしまったわが組合としては、
それくらいの対応は必要ではないか、というのは、確かに、正論。

で、講師は誰か。
東京公取協の専務がやるという。
つまり、事務局長だ。

何年か前、規約が全国統一された時、
6ブロックを回って講習会をやったことはある。
また、あれをやるのか。
当然、夜になる。
50周年事業のあった昨年より今年は楽だと思ったのに。
自分で仕事を増やしてしまった。

さて、もう一つのセミナー
これは前にも書いたかもしれないが、
C全国団体 (新登場 ! ) が全国30箇所でやるというセミナー。
標準コースで1日かける、というとんでもないセミナー。
これについては、C全国団体の事務局長に、
何が大変かというと、人を集めることほど大変なことはない。
まして、1日かけるなどという、
休日を奪ったり、商売の邪魔になることはできない。
半日程度でないと無理、
と申し上げていたのが功を奏したのか、
2時間以上であればいいことになったので、
それなら何とか可能かな、と、
これも6ブロックでお願いすることになった。
(お願いは、これから)
会場費や講師謝礼は補助金が出るらしいが、
参加者への交通費は組合持ち。
また金が出ていく。

ここで文体が変わり、
昨日書いたことにつながります。


昨日書いたミニ支部長会での問題発言は、
背後に根深い「アンチ本部」の気配を感じます。
こんなに今組合は組合員にプラスの仕事をしているのに、なぜ
と思っていましたが、
今書いた、一連のA全国団体のしていることを見て、
はたと、思い当たりました。
そういうば、昔の本部はこれとそっくりだった、と。

当時、補助金事業の御旗をかかげて、
支部に膨大な負担をかけた時代が、確かにあったのです。
「どうしてこんな無駄なことをさせるんだ」
と怨嗟の声が出ることがたびたび。
それも全て「補助金事業だから」という印籠で処理してきました。

今度のA全国団体の自主点検のことも、
会議で「指導員の調査と同じ内容だが、しなければならないか」
という質問には、
「そうです。自主点検もやり、巡回調査もやるのです」
という答えだったらしい。
その人は、実際巡回調査をした時に、
「何だよ、これ、前に俺、書いて出したよ。
また同じことやるのかよ」
と言われる指導員のご苦労は御存知ないのでしょう。

また、「自主点検を回答しない人がいた場合はどうするのか」
という質問には、
「そういう前提でモノを考えないで下さい」
という回答だったといいます。
すごい答だね。

先程、調査対象の一覧を事前に提出する、
と書きましたが、
回答がない店については、
A全国団体がその一覧表でチェックして、
「こことここは回答がまだなので、催促して下さい」
という連絡が来るそうです。

こういうやりとり、姿勢を聞くと、
事務局長はまた、あのマリー・アントワネットの言葉を思い出します。
「お妃、民衆はパンがなくて飢えているのです」
という廷臣の意見を受けた、マリア・アントワネットの答。
「バカねえ。パンがなければ、ケーキを食べればいいじゃないの」

確かに、昔昔、組合本部がそういう体質を持っていた時代がありました。
そのために、ある支部では、
「本部の仕事をしなくていいのなら支部長を引き受けてもいい」
という人さえ現れたといいます。

そういう時代の組合本部の気質に触れていた方が
アンチ本部になるのは当たり前。
数年前から本部は変貌したのですが、
その認識がまだの方には
昔の本部の姿のままで見えているのかもしれません。

不要な補助金事業に関わる膨大な作業に疲弊するようなことはしたくない、
と思い、
今、組合は、組合員の役に立つ事業だけをするように努力しています。
それでも「大変だ、大変だ」
という声は聞こえてきます。

今度の二つセミナーも、人を集めるのは大変でしょう。
しかし、組合が社会的存在であることも確か。
山形屋という大きな波紋で
消費者の不信感を増大させてしまった責任は、
やはり組合としては、取っていかなければなりません。







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