新聞校了と「クライマーズ・ハイ」  

新聞が終わり、
名簿の修正も先が見えたので、
少し気持ちのゆとりができました。

で、今日は連絡事項に終始。
特に、除名問題で、もっと迅速に除名できるシステムを作れと
主張する人たちのために、
そう簡単ではありません
という資料作り。

今回の場合は、常務会の意志と本人の受諾が一致したから
実効性の「除名」が成立したわけですが、
前にも書いたとおり、
本来は総代会で決議すべきもの。
それが定款の定め、と説明したら、
今度は、では定款を変えようという話になりました。

しかし、組合の法的根拠である
生衛法 (生活衛生関係営業の運営の適正化及び振興に関する法律) にも
中企法 (中小企業等協同組合法) にも
除名は総会の特別決議に指定されており、
総会でしか決議できず、しかも3分の2の賛成が必要。
つまり、組合の解散や定款変更と同等の重要事項に認定されているわけです。
その上、どちらの法律にも
一定日数前に本人に通知し、
総会当日、弁明の機会を与えなければならない、
と定められています。

なぜこんなことになっているか。
それは、組織には権力闘争がつきものであるので、
執行部が自分の気に入らない人間を簡単に除名したり出来ないようにしているわけです。
除名は、組織においては死刑に等しい極罰ですから。

それが常務会という少数の人間で決定できるようになったら、
常務会を支配している人たちで
次々と敵対相手を除名してしまうでしょう。
だから、総会という、もと広い場所でしか出来なくしているわけです。

なお、一定以上の人数(法企法では200名、生衛法では500名)をかかえる組合は
総代会で総会に代えることが出来るという法律の規定があるので、
わが組合では総代会が最高決議機関となっています。

そういうわけで、
法律の定めにそむく定款変更をしても認可されない
あくまで法律に従うしかない、

などということを、法律条文を切り貼りして解説。

従って、今回のように、実効的には成立した除名でも、
来年5月の総代会において
追認決議をする必要がある、と
事務局長は思っています。

少しゆとりが出来たので、帰宅時、映画を一本。

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作家・横山秀夫が
群馬の上毛新聞の記者だった時代に遭遇した
日航ジャンボ墜落事故の取材体験に基づいて書いた
15年前の作品の映画化。
事故についての映画ではなく、
それを取材する地元紙・北関東新聞の記者たちが
全国紙に負けまいとして奮闘する姿を描いているので、
勘違いして観に行くと、
戸惑うことになり、要注意。

しかし、新聞社内での人間抗争は大変よく描かれている。
一生に一度の大事件に遭遇するという
幸運に出会った新聞記者たちの興奮、
これに水を差す地元の政治状況、
広告部との相剋、
販売店との問題
などを織り込みながら、
男たちの魂と魂のぶつかりあい。

その姿には、胸が熱くなるものがある。
その現場の雰囲気を原田眞人監督が活写。
ステディカムを上手に使い、
男たちの争いをダイナミックに描ききる。

何より感心したのは、
新聞社員を演じた役者たち
日本人の演技には普段辛口の事務局長だが、
今回の
ちょっとした役にも血を通わせた演技には舌を巻いた。
「アンサンブル助演男優賞」というのがあったら、差し上げたいくらい。
特に、でんでんなど、いい味を出している。

観た人で「あれは誰?」と思う方のために、以下に一覧表を。

キャスト

* 悠木和雅(遊軍・日航機事故全権):堤真一
* 佐山達哉(社会部・県警キャップ):堺雅人
* 玉置千鶴子(地域報道班)尾野真千子
* 安西耿一郎(販売部):高嶋政宏
* 白河頼三(社長):山崎努
* 等々力庸兵(社会部・部長):遠藤憲一
* 岸円治(政経部・デスク):田口トモロヲ
* 田沢善吉(社会部・デスク):堀部圭亮
* 吉井弁次郎(整理部):マギー
* 神沢周作(地域報道班):滝藤堅一
* 伊東康男(販売局・局長):皆川猿時
* 亀嶋正雄(整理部・部長):でんでん
* 守屋政志(政経部・部長):矢島健一
* 黒田美波(元・社長秘書)野波麻帆
* 安西小百合(安西耿一郎の妻):西田尚美
* 粕谷隆明(編集局・局長):中村育二
* 追村穣(編集局・次長):螢雪次朗
* 安西燐太郎(安西耿一郎の息子・成長後):小澤征悦

事故現場を再現した美術スタッフは、見事。
新聞社内のフロアは
地方紙としては広すぎ、立派すぎないか?
社長の山崎努はさすがだが、
あのペットボトルは当時もあったか?
まだ携帯電話がない時代で、
不便だったんだね、とつくづく思う。

「クライマーズ・ハイ」とは、登山者の興奮状態が極限に達して、高さへの恐怖感がマヒしてしまうこと。
で、ドラマの背景に
社内の登山サークルの主人公の親友の販売部社員との友情にからめて
登山シーンが登場し、
そこからの回想の形を取るのだが、
この部分が何ともウザイ。
間に挟まるたびにリズムが狂う。

実は、この販売部社員の造形は原作でもうまくいっていない部分で、
まして、その社員の遺児との山登りや
主人公の息子との相剋や
出自についての話や、
それが主人公の決断に関わって来る部分など、
思い切ってばっさり切って、
新聞社内部の同時進行ドラマだけにした方が作品として完成しただろうに。
まあ、そうなれば、原作者との闘いになってしまうのだが、
とにかく、日本人の映画作家がついついウェットに走るのは悪い癖だ。

そういう欠点を補っても、
躍動感というだけでも一見の価値あり。
5段階評価の「4」

原作を読んでいないと分からない部分が沢山あるので、
後にでも読むことをお進めする。
原作よりできがいいので、
先に読んでも邪魔にはならない。





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