総代会準備と「HAKANA」  

本日も総代会の準備に明け暮れました。
総代名簿、受付名簿の完成など。
午後になって総代会資料が届き、
明日はこの配送作業となります。

役員の推選名簿もほぼ出揃い、
来期の陣容が見えつつあります。

[演劇紹介]

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映画でも「思わぬ拾い物」というのに当たることがあるが、
この芝居もそれ。
お付き合いで、あまり期待しないで行ったら、
大変感動した

後でチラシを見ると、
作者が横内謙介
猿之助のスーパー歌舞伎に「三国志」などで
脚本を提供している方ではないか。
始めの方の青鬼のいくつかのセリフで
作者は手練 (てだれ)だな、と感じたが、
なるほど、そうだったのか。

演出は杉田成道
あの「北の国から」のディレクター。
才能豊かな脚本家と演出家が出会ったのだから、
デキがいいのは当たり前だ。

お話は、

人間のクズ、博打打ちの鈴次郎(大口兼悟)は、
ツキの神様・賽子姫(ホリ・ヒロシ操作の人形が演ずる)に気に入られているので、負け知らず。
ついには、賭け事好きの赤鬼(住谷正樹=レイザーラモンHG)をも負かして、世界一の女を手に入れる。

しかし、赤鬼が提供したのは、
墓場の死体を集めてこしらえた女。
名前は「儚(はかな)」(藤本美貴)。
生まれてすぐ死んだ赤子の魂を入れてあるため、
魂は子供で、体は大人。
魂と体が一つになるには100日かかり、
その前に抱くと、
水になって流れてしまうという。

こうして鈴次郎と儚の生活が始まり、
儚は、赤子から少女、大人の女へと
みるみるうちに成長していく。
そして、「早く人間になりたい」と願望する。
邪険に扱う鈴次郎だが、
儚の無垢な魂は鈴次郎の孤独を理解し、
救いの手を差しのべようとする。

一方、賽子姫にそっぽを向かれた鈴次郎は
負け続けて荒れた生活を送り、
賭けの元手のために人を殺し、最後には儚まで賭けてしまう・・・。

母をも殺した極悪人が
無垢の魂に触れて
真実の愛にめざめていく、
と書けばありきたりだが、
これは普遍的なテーマ。
二人の心が次第に近づき、
ついにはお互いの命まで差し出していく姿は、
やはり胸を打つ

スピーディーな場面展開、
効果的な照明、
賭場で鈴次郎の背後に寄り添う賽子姫、
その手元から発せられる鈴の音、
そして、芝居全体を見守る赤鬼と青鬼。
アイロニーに満ちた人間の悲しい姿。

一人の女性の成長を待って
愛を完結させるという
のは男のロマン。
それが99日目の夜、
愛と死が交錯していくクライマックスには
良い演劇独特のカタルシス(浄化)が訪れる。

藤本美喜も大口兼悟も柄はいいのだが、
演技がもう一つ。
特に気持ちが高揚した時の演技が全部泣き芝居になるのはいけない。
この二人が、もっと切なく、もっと深みのある演技をしてくれたら、
事務局長といえども涙がこぼれ落ちただろう。

サングラスのないHGは初めて見たが、
口跡さわやか、
なかなかスピード感のある演技で感心した。

ベテランの松澤一之はさすがだが、
中で出色だったのは青鬼の山本享。
セリフ、しぐさ、目つきがプロの仕事。
終盤になって、
この芝居そのものの構造が明らかになって来るのだが、
それを納得させるだけのものがこの人にはあった。
特に、儚を賭けての最後のバクチの時に、
舞台袖で見ていた立場から
つい本舞台に飛び出して
鈴次郎に声をかけてしまう場面、
鈴次郎のセリフを
青鬼の言葉として敷衍する場面、
最後に舞台中央で花を取り出す場面など、
胸を打たれた。

音楽が独特で、
背後に
アンドリュー・ロイド・ウェーバーの「レクイエム」が流れたりする。
アルビノーニのアダージョがかかる。
二度目は大音声で。
(昔似た場面で事務局長もこの曲を使ったことがある。)
ついには、オペラの有名な曲を
藤本美貴が歌う。
サービス精神だろうけど。

というわけで、
おつきあいで行って、
しかし、良い時間を過ごした夜のひととき。
こういうことがあるから、
人生は意外性で面白い。

「HAKANA」は明治座で、27日(日)まで。
観て損はありませんよ。







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