ノーカントリー  

前に書いたように、
この数日来、
花粉症の症状に悩まされて来ました。
強烈なくしゃみ、鼻づまり、鼻水・・・。
我が家の67パーセントを占める患者を横目で見ながら、
「ははは、カワイソーに」
とあざ笑っていた報いが来たのか、
ついに国民病の一人として苦しみを共にするのか、
と覚悟しました。

ブログを呼んで、助言の手紙を下さった方もいます。
花粉症の原因を常日頃の感情の用い方にまで追究した
含蓄深い内容でした。
やはりこの間の組合内外を取り巻く状況に対する
自分の内面の問題が原因と反省しました。
手紙を下さったSM様、
この場を借りて感謝申し上げます。
いただいた肩の治療のための「魔法の紙」、
病院で使う紙製絆創膏で直接肌に留めるという
乱暴な方法で、今効果をあげつつあります。

話は戻って花粉症、
どうやら、数年に1回かかる
鼻カゼだったようで、
快方に向かっています。
一方、我が家の二人の感染者はあいかわらずぐずぐず。
ははは、カワイソーに。

[映画紹介]

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これはまた素晴らしい

メキシコ国境に近い砂漠で、
麻薬取引のトラブルの跡に遭遇した
鹿狩りハンターが、
現場に残されていた200万ドルをネコババする。
それを追う殺し屋。
更にそれを追う保安官。
こうした逃亡と追跡のドラマの中で
人間と社会の様相が浮き彫りされて来る。

原作はピューリッツァ賞作家のコーマック・マッカーシー
「血と暴力の国」。
脚色・監督はジョエル・コーエン、イーサン・コーエンの兄弟。
(彼らの「ファーゴ」「バーバー」は、事務局長お好みの作品)
原題は「No Country for Old Men」(老人たちのための国はない)。

映画は音楽を排除した中、
すさまじい緊迫感の展開で
画面に釘付け
中でも冷酷でルールに執着する殺し屋を演ずる
ハビエル・バルデムが出色の出来。
アカデミー賞助演男優賞は誰も文句を言わないだろう。
人間を越えた存在にまで感じさせるような演技。
映画はこの殺し屋の異常さを冒頭ではっきり見せることで
映画の核を明らかにする。
この人の持つ特殊な武器は驚きだし、
コイン・トスで殺しを決断したりするのも見事な描写。

一方、逃亡者を演ずるジョシュ・ブローリンもなかなかいい。
そういえば、「アメリカン・ギャングスター」にも出ていたな。
いつかオスカーを取るだろう。

老境の保安官のトミー・リー・ジョーンズ
テーマを背負う難しい役どころで
既視感のある演技が損。
最後のところを含めて議論を呼ぶだろう。

美声ではないが、
味わい深いカントリー歌手の歌のような映画。
見終えた後、じわじわとその味わいが分かる。
言葉の多い甘口の歌に慣れた者には、
この味は分かるまい。
(従って、普段映画を見慣れていない人が
「アカデミー賞を取ったから」と観に行くと
困ったことになるので、要注意。
年に数回でしたら、
もっと楽しい映画を観ましょう。)
こうした映画に作品賞を与えるアカデミーの会員はやはり炯眼だと思う。

つまるところ、映画は監督のセンスである、
ということをつくづくと感じさせてくれる。
カメラの動かし方、
カット割、
役者の使い方、
音の挟み方、
画面の隅々まで
コーエン監督の作家性があふれる、
大人の映画。

5段階評価の、躊躇なく「5」。






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