組合員の資格  

本日は3時間ほど組合事務所に。
昨夜の勉強会で使ったプロジェクターとパソコンを
コインロッカーに預けておいたので、
それを出して、事務所へ。
行けば行ったで仕事はありますので、
明日の成田でのお願い事を専務にFAXしたりしました。
いよいよ明日からハワイの奥様たちのお世話役に出発します。

さて、常務会で審議した
「より堅固な組織を作るために」が各支部長に届いたと思うので、
一番重要な「組合員の資格」について
もう少し詳しく書きましょう。

読者が組織外の人でしたら、
「ああ、こういう団体は、
こういう問題を抱えているのだな」

くらいの乗りで読んでもらったらさいわいです。

「組合」というのは、人が集まれば全部「組合」を名乗れるのですが、
労働組合を始め、法律で規定されたものが多々あります。
わが組合も
生衛組合の方は「生活衛生関係営業の運営の適正化及び振興に関する法律」を根拠にしており、
生衛組合を名乗れるのは、16業種に限定されています。
事業組合の方は、「中小企業等協同組合法」を根拠にしており、
協同組合を名乗るには、認可が必要です。

法律で規定されているのですから、
義務も権利もあり、
生衛組合の組合員は、
公的金融機関から安い金利でお金を借りることができます。
最近の低金利では、あまりメリットがなくなってしまったのですが、
長いこと組合員は金利の優遇を受けてきたのは事実です。
また、安くて有利な団体保険に加入できる、というメリットもあります。

事業組合の方は
団体として税制の優遇を受け、
株式会社より安い税率が適用されています。

このように、一応の優遇を受けるので、
当然、定款において組合員の資格を規定してあります。

生衛組合の方は定款第7条に
「本組合の組合員となる資格を有するものは、
組合の地区内
(注:わが組合の場合、東京都のこと)において
食鳥肉のみを扱う食肉販売業以外の
食肉販売業を営むものとする。」

と規定しています。
食鳥専業と区別しているのは、
法律が適用される16業種において、
食鳥と食肉は別業種とされているためです。

事業組合の方は、定款第8条に、
「本組合の組合員たる資格を有する者は、
次の各号の要件を備える小規模の事業者とする。
(1)食肉の小売販売業を行う事業者であること。
(2)組合の地域内に店舗又は事業所を有すること。」

と規定されています。
小規模事業者とは、
従業員が50名以下、
法人の場合は資本金1000万円以下のことです。

生衛組合の定款第9条には、
「組合員は、次の事由によって、脱退する。
(1)組合員たる資格の喪失
(2)死亡又は解散
(3)除名」

と規定され、
(1)(2)の場合は遅滞なく届け出ることと
自由脱退出来ることも記されています。

事業組合の方は
第12条に自由脱退の規定、
第13条に除名の規定があり、
第18条には、休業、廃業の時は届け出なければならない旨の規定があります。

そこで、この二つの定款を総合して、
組合員とは、
東京都全域に存在する
@食肉小売業
(店舗を持って、消費者対象に営業している、いわゆる町のお肉屋さん)
A食肉卸業者 (主に小売店に部分肉を下ろす業者)
B食肉納めの業者 (学校や保育園、飲食店に納める業者)
としています。
もちろん@ABを兼ねている店も沢山あります。

つまり、
組合員とは、
食肉を取り扱っている事業者
のことです。
「食肉」を謳う組合なのですから、
当然です。

では、その「資格」を厳密に適用しているか。
実際は、そうはなっていませんでした。
閉店・廃業した人や
弁当屋や飲食店(焼肉屋やとんかつ屋)に移行して
今は肉を販売していない人も
そのまま組合員として内包している現実があります。

長い付き合いの仲間ですから、
「やめました」・「はいさようなら」
というわけにはいかず、
仲間として付き合う、
日本的な温かみがあったからです。
もちろん、お店を閉めた途端に
あっさりと組合を脱退する方もいます。

閉店しても組合に留まるメリットとしては、、
健康保険や団体保険、更に共助会を継続するという点があります。
地域の人間的繋がりをそのまま継続したいという人情的な面もあります。
一方、そのやめた方が世話好きな方の場合は、
余った時間を使って、
支部の役職を引き受けてくれている、
という面もありました。

そういう現状が分かっていてなぜ放置して来たかというと、
地域(支部)で受け入れているならそれでよし、という点と、
組合員が減ることへの本能的なおそれが
そのまま継続することを許したわけです。

おそらく全国のあらゆる同業組合、
商店街なども同じではないでしょうか。

しかし、最近になってその弊害も出てきました。
閉店してひまだからと支部長をはじめとする支部の役員を引き受けていても、
やはり自分で店を営業していないから
どんどん感覚がずれて来ます
肉を自分が扱わないから
共同購入を積極的に勧めることができません
従って、本部からの伝達事項が支部長や役員止まり
などということが起こります。

これは商店街などでも同じで、
ある駅ビルでは、
建設当時の権利を持っている会員が
廃業してその所有面積を他の人に貸し、
しかし、時間の余裕があるので
役員をして、
今では役員の半分がお店をやっていない、
という例もあるそうです。

商店街でも、
自分のお店はやめて、
それを人に貸し、
でも商店街の役員はやっている
という例も沢山あります。

となると、ビルや商店街の運営にもずれが出てきます。
片方は商売で儲けようという人。
片方は家賃収入で儲けようという人。
これでは売り出しや抽選セールなどにも
取り組みの濃淡が起こってきます。

曖昧にしたままで組合もやってきましたが、
最近では、
閉店して組合から脱退しているのに支部長をしているという
極端な例さえ出てきました。
組合員でない人が支部長をしていて、
どういう気持ちで組合とのパイプ役になったのか不明ですが、
その人は組合の大方針である支部統合に反対しており、
組合員でない人が組合の方針に反対するという
まことに不思議な光景も出現しました。

そこで、このままでいいのか、
正規の組合員の権利が侵されてはいないのか、
という議論になりました。

昔は組合が事業への協力を組合員にお願いする
という形でしたが、
この数年、すっかり様変わりしました。
「組合内助成事業」で組合員に沢山の補助がなされており、
組合事業に参加すればするほど
組合員のメリットが増大
する形になりました。

決定打は保険に対する補助を開始したことで、
組合員の資格のない人が組合からの援助を受ける
というの妙だ、という意見も出てきました。

そういうわけで、
組合員の資格を改めて問う内容が
素案 → 総務部会 → 三役会
と審議を重ねるに従って
内容はどんどん精鋭化。

最終的には
組合員の資格は
食肉小売業、食肉卸売業、食肉納め業
と少なくとも食肉を取り扱う者に限定
し、
更にその確認は
保健所の出す営業許可書でする
として、
その提出を求めて、整理をする、というところまでいきました。

営業許可書というのは、
食品衛生法に定められたもので、
この許可がないと営業することができません。
中でも組合員たる資格は、
「食肉販売業営業許可書」
「食肉処理業営業許可書」
を持つ者
と明確にしたのです。

焼肉屋やとんかつ屋、弁当屋に転進した人には、
「飲食店営業許可書」はあっても、
上の二つの許可書は持っていません。
閉店した人は、
昔の営業許可書はありますが、
5〜8年で更新しますので、
期限切れのものは提出できません。

当然組合員は減ります。
「組合員の減少」が30年来の組合の悩みだったのに、
あえて組合員の減る措置をするのですから、
相当思い切った改革です。

しかし、実際は簡単ではありません。
今まで組合員として認めて来た歴史があるのですから、
突然組合員の資格を問われた方は不満を抱くでしょう。

更に、現場レベルでは、
時間の余裕があるからと
閉店後の人に支部の役員をお願いして、
そのボランティア精神に頼ってきた面もあるのですから、
それを唐突に「資格を問う」というのも一方的です。

更に、支部に貢献して来た長老級の人
閉店後も組合に留まってもらって交流してきたのですから、
そういう人に言うのは
忍びないものがあります。

先の常務会でも
支部運営の停滞を危惧する声、
言うに忍びない心情の吐露
もありました。
それで常務会はかつてない長時間のものとなったのです。

しかし、最後は
「いつかはやらねばならないことだ」
「今まで放置してきた方が問題」
「減ることをおそれず断行しよう」
「そういう人たちとの交流は支部の中でしていただこう」

と意見がまとまり、
全員挙手という全会一致で可決したのです。

素案から総務部会、三役会との議論の積み重ねの中で
審議事項を文章化する立場の事務局長は
どんどん尖鋭化していく内容に
「波紋を呼ぶと思いますが、いいですか」
と何度も確かめました。
そのたびに
「でも、やらなければならないことだ」
「定款の規定にあいまいにそむくことの方が組織にはマイナスだ」
「今のように組合員であるメリットが大きくなった時こそ、すべきだ」

という意見で、
胆力を感じたからこそ、
的確な表現の文章を捜し、
その決意を反映するようにしました。

組合の将来を考え、
堅固な組織を作るためには、
今やらなければならない、
反対や波風が立ったからといって
やすやすと後退しない、

という姿勢は、
終始一貫しており、
それが常務会での全会一致の決議となりました。

もちろん、激しい改革です。
放置しておけば放置したまま、
なあなあで行くことも出来たはずです。
あえて波紋を呼ぶ必要はないのかもしれません。
十年ほど前の常務会なら、
まず間違いなく先送りの継続審議になったでしょう。

国も同じです。
関係業界や利益関係者が反対すると、
問題先送りのオンパレード。
国や自治体がこれだけの借金を抱えているのに、
だれも本気になってやらない。
反対があっても信念を貫く胆力がないからです。

50周年記念の最後に随分なことを、
と思う人もいるかもしれません。
しかし、これも50周年事業の一つかもしれない、
という声も一方であります。
50年前の組合創立の時、
構成メンバーは全員食肉販売業の方
でした。
その後、時代の波を受けて廃業や転業した歴史を
組合はそのまま抱えてやってきました。
この50年という区切りの時に
原点に立ち戻ろう
ということかもしれません。
常務会で「50周年を機会に」という声が出たのも、そういう意味なのでしょう。

こうして、食肉を取り扱う人だけの組合に純化した時、どうなるか。
かえって組合の事業は円滑に流れるかもしれません。
組合事業に参加し得る立場の人たちだけになりますから。
特に食肉共同購入事業は
今までは食肉を取り扱わない、該当しない組合員が沢山いたのですが、
案外組合員あげての事業になるかもしれません。
少なくとも、取り扱い重量が減ることはないでしょう。

やらなければならない時に
やるべきことの決断をする役員会。
「減ることをおそれず」
と痛みを覚悟した役員会。
これこそ、
組織の上に立つ人たちの姿だと
事務局長は少々感動しています。







AutoPage最新お知らせ