常務会  

本日は常務会

その前に開催される三役会では、冒頭、
2週間後に行く済州島黒豚研修の説明を旅行会社から受けました。
事務局長を含め、済州島は全員が初めて。
海外旅行が初、という方も3人おり、
有意義な旅になりそうです。

常務会の議題は
寄贈肉、組織強化事業、特販事業、夏期豚価対策
などの例年の行事に加え、
青年部のあり方、エコバッグキャンペーンという青年部がらみの議題がありました。

青年部のあり方、は青年部の役員会、総務部会で検討したもので、
10日の青年部総会で決めるものです。

今回は「検討すべき課題について」という議題がありましたが、
これは、遠からず措置しなければならない諸問題をあげて、
今から共通認識を持って一緒に考えましょう、と提起するもので、
内容は

@理事長の任期制
Aギフト券の流通形態変更への対応
B保険掛金値上げへの対応
C共済年金の4年後への対応
D共助会の今後


という5点。

@は、
4年前に役員の定年制を導入して組織の活性化が達成されたことを受けて、
理事長の任期に制限をつけたらどうか、
という話。
長期政権はマンネリを生むことから、
たとえば2期4年という制限をつけて、
新陳代謝、世代交代、人心一新をはかろうとするもの。
これは近藤理事長みずからの提起で、
当事者では決定が難しいので、
来年定年で退任する自分の時に
決めておきたいという意向です。

これに常務理事以上にも任期制限を、
という案を重ねてしまったために、
議論は少し拡散しすぎたようで、
今後の議論では理事長の任期制限と
それ以外の役員のものとは分離して議論した方がよさそうです。
この件は来年2月頃までの間に総務部で議論し、
その都度、常務会に投げかけていきます。

Aは、
全肉連が「お肉のギフト券」の流通範囲を
スーパー等にも拡大していく
方向性を決定したのを受けて、
東京の組合としてどう対処していくかを検討するもの。
これは事業部で議論していくことになります。

あとの3つは全て厚生部会で取り扱う案件。

Bは、
福祉共済保険の値上げは必至なので、
その時、組合としてどこまで影響を少なくできるか、
という話。
値上げをそのまま加入者に転嫁すれば簡単ですが、
加入者の減少につながります。
そのために既に1億円の資金運用を開始しており、
それでどれだけ補えるか、
さらに一歩踏み切った措置ができるか、が検討課題。
秋のキャンペーンが始まるまでには決めなければなりません。

Cは、
組合の年金は
平成12年の千代田生命の破綻により不自由なものになっており、
年齢満了や退職以外の理由で途中解約すると
減額される「早期解約控除」が適用されます。
これは更生手続きの過程で裁判所が決めたことなので、
従う他ないのですが、
初年度20パーセントだったのが
毎年2パーセントずつ低下して
現在の19年度は8パーセント、
23年4月からはゼロ
つまり、いつ解約しても減額さることなく給付を受けることができるようになます。

この10年間、制度的にも動きが取れなかったのですが、
4年後に「早期解約控除」という枷が外れるので、
年金制度を一度見直してみよう、
という提起。
昔利率が5〜6%あった頃は有利な制度で、
当時の人は掛金が倍加した人もいますが、
今の予定利率わずか1%では加入者に不利な面もあるので、
その実態を正確に把握した上で
方向を決めようというものです。
1〜2年かける長期の議論になります。

Dは、
組合がやっている「共助会」は法律違反、というとんでもない話。
これは数年前、東京都が言ってきたことで、
出資組合でないと共助会はできないといいます。
組合の前身である商業組合の時から50年以上やっている制度で、
今頃なぜ? と不思議。
一方、加入者からお金を集めて死亡時お金を出す、
というやり方は、このままでは保険業法にも違反するそうで、
まさか法律違反を放置しておくわけにはいきません
共助会には1億円の資産があり、
これを解散して分配するなど、不可能ですから、選択肢としては排除。
従って、その資産と仕組みを生かして、
どれだけ組合員のために良い制度を持続できるか

という提起です。
これについては方向性を
秋の台湾の理事・支部長会では出したいと思います。

というわけで、
今日結論を出すわけではなく、
内容を把握するための議題です。

数年先のことを見越して情報を共有し、
十分な議論をして
どれだけ組合員にプラスの決定をできるかは大切なことです。

最後は
安井潤一郎衆議院議員
「スーパーおやじのまちづくりセミナー」への協力。

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組合顧問の保坂三蔵参議院議員が来賓で実施しますので、
お近くの組合員は是非参加して下さい。
時間も夜の8時から1時間、と
参加しやすい設定にしてあります。

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お客様の利益優先  

本日はお客様が多くて、その応対に追われました。

その中のお二人は、ハワイ旅行の選にもれた会社の方。

実は先日、
来年のハワイ旅行を担当していただく旅行代理店を決めました。
今回は3社に提案をお願いして、
その中から1社を選定。

他の2社には各社提案の内容を一覧表にして、
選ばれた理由と
選ばれなかった理由が明確に分かるようにしたものを送りました。
こういうことをせずに
あいまいに1社を選ぶと、
馴れ合いになりますから。
先方の会社だって、知恵をしぼり、時間をかけて提案してきたわけですから、
選ばれなかった理由を自分でも納得できるような形で
示してあげないと失礼だと思いましたで。
上司への説明にも使えますし、
反省材料にもなり、次の戦略の素材にもなります。

実は仕組債の提案の時も同じことをしています。
こちらは提案利率や計算式などを一覧表にしたものを作り、
社名はアルファベットですので、
選ばれたのはこの会社、
貴社はこれ、
と一目で選ばれなかった理由が分かるようにしたもの。
これは営業の方は助かるようで、
担当部署や上司に見せれば、
「これならば、この結果は仕方ない」となりますし、
ここ(組合)はこういう仕組債を望んでいるのか、が分かって、
次の時の提案に活用できます。

手間ですが、これは組合にとってもメリットがあります。
というのは、
次の提案が、
より組合の意向にそったものになりますので。
情報提供、情報開示は双方にとってプラス
日本の官庁や企業の隠蔽体質が変われば、
日本はもっとよくなります。

その会社が訪問してきたのは、
その結果のFAXを見ての挨拶訪問。
こちらもあちらも楽しい面会ではありませんが、
しかし、落選でもわざわざ挨拶に来る、
こういう誠意が、この後の営業に役立つのだと思います。

1社を選んだ理由は、価格もさることながら誠意と熱意。
招待客がハワイに着いた時にできるだけ早くお部屋に案内したい、
3日目にハワイ島観光プラスお別れ食事会をしたい、
という主催者側の意向をよくくみ取ったプランを作ってくれました。
それと、提供してきた資料の量が違いました。
提供資料が多い、ということは、
担当者本人の学習量も多い、ということになりますのでね。

要するに、お客様のことをどれだけ大切に思っているかということです。

昔、こういうことがありました。
プライペートで銀行で振り込んだ時のこと。
専用の振込用紙が同封されていましたので、
それで振り込むために窓口の順番を待っていると、
その用紙をチラリと見た銀行のフロア係が、
そこに送るのなら手数料を無料にする方法がありますよ、
と教えてくれました。
係員は用紙がその支店宛てのものだと知っていたようで、
同じ支店の中の送金なので、
機械でカードで振り込めば、無料になるというのです。
しかし、カードだと自動的にこちらの名前が入るので、
この会社が指定する客番号を入れられないが、
と言うと、
そこはこうすれば変えられます、と教えてくれて、
振込手数料はゼロ。

これは、銀行にとっては
利益を逃したことになります。
しかし、自分の利益にはならなくても、
お客様にプラスなことは教えてさしあげよう
というこの姿勢は、
その銀行がそういう社員教育をしていることにつながります。
お客の利益を優先した対応。
ああ、この銀行は信用できる、と思い、
永遠のメイン・バンクにしよう、と決めました。
損して得取れ、とはまさにのことです。

この対応、インフォメーションをちゃんとせずに、
羽田までの往復運賃を客に無駄にさせた京浜急行とはえらい違いです。

さて、先日、諸団体の赤字について書いたブログを読んで、
ある団体の副会長が怒っていたそうです。
「こんなことを言われる筋合いはない」と。

怒るのはご自由ですが、矛先が違いませんか。
書いた人に対して怒るひまがあったら、
まず副会長でありながら、
そんな決算をしてしまった自分を怒るべきでしょう。
あなたが怒る相手は、
批判した者よりも、
批判されるような結果を出した役員たる自分自身。
以前、
「何が大切で何が大切でないかが分からない人」を「愚者」と呼びましたが、
この方のポイントが外れた怒りは、まさに愚者の典型。
当事者意識がないから、こういうことになります。

消えた? 年金記録  

本日は事務所に出て、金庫を開け、
2つ3つ仕事をこなして、議員会館へ。
安井潤一郎衆議院議員の事務所で、
ある官庁の課長と話すため
です。
つまり、先週金曜日の続き。

結果としては組合の意向の方向に進みそうです。
組合のしていることの方が正しいのだから、当然です。
お役人が机の上で良い悪いを言うのとはわけが違い、
こちらは実務の上で奮闘しているわけですから。
あとは東京都のお役人とやりながら、
行政的な手続きを正しく踏むだけです。

すみませんねえ、ほのめかしばかりで。
半年くらいで片がつくと思うので、そしたら詳しく書きます。

しかし、安井さんがいなければ、
本庁の課長が我々の話なんか直接聞きはしないわけで、
やはり身近に国会議員がいるというのは心強いですね。

そのあと、国会議事堂の脇で一時間ばかり立ち電話。
理事長と、ある県の事務局と。
SPがうさんくさそうに見ていました。

午後は、事務所に戻って、常務会の資料を怒濤の勢いで作成
夜9時を回りましたが、
議案を各部長に送って帰宅です。

それにしても年金問題では与党は民主党にしてやられましたね。
「消えた年金記録」
攻撃にはうまいフレーズです。
本当は消えているわけではなく、
基礎年金番号への統合が済んでいないもののことなんですがね。
正確には「不明年金記録」

「5000万件」?
5000万人分だとしたら、
国民二人に一人で大変ですが、
この内容があいまい。
「1件」とは、月単位のことなのか。
一人の人の記録が1年分だと「12件」と数えるのか。
そのあたりが分かりません。
ある人が姓が変わって不明になっていたなら、
その間の5年分の記録が「1件」なのか、
それとも「60件」なのか。
既に1億件ほどを突き合わせが終わっているそうで、
ならば、一人につき何件なのか、データくらいはありそうなものですが、
誰も口にしません。

こうして「5000万人の記録が消えた」という、間違った印象が一人歩き。

うちのかみさんの話をします。

何年か前に一度社会保険事務所に聞きに行きました。
彼女、結婚前に旧電電公社に勤めていたのですが、
その時のものが加算されていません。
そこで調査依頼を名古屋に送って、
それから2箇月。
「退職一時金支給者であるため、
厚生年金に統合となる
三共済期間はありません」

との回答。
何のことはない、一時金をもらったことを本人が忘れていたわけです。

そしてもう一つ、
浦安市内で6年ほど不動産屋に勤めていた時の記録が
どうしてもコンピューターに見つかりません。
あきらめていたのですが、
「コンピューターに入力されていないものも
紙で残っているかもしれない」
というので調査してもらおうと思いましたが、
念のため、当時の会社の専務に問い合わせたところ、
会社ができたばかりで、
厚生年金をやっていなかった、ということが判明しました。

つまり、かみさんの場合は
「消えた5000万件」の中には入れなかったわけです。
こういう勘違いの不安の人も多いのではないでしょうか。

まともな会社に勤めていた人の記録が消えているわけではなく、
姓が変わっていたりして年金番号にまとめられなかった人たちのこと。
そういう内容をちゃんと言わないで、
まるで国民全体が被害を受けているような言い方で
不安を助長する
のは、
参議院選対策としては有効なのでしょうが、
本当はフェアとは言えません

とにかく迅速に突き合わせを進め
領収書がなくても状況証拠でもよしとして、
邪魔な時効もなくし、
これから受け取る人を後回しにしてでも
今既に受けている人の内容を正そうとする政府は
おそまきながら姿勢を改めているわけですから、
評価すべきでしょう。
「議論が足りない」とか「調査が先」なんて言っているひまがあったら、
突き合わせを進めた方がいい。

今度のことは確かに民主党の手柄ですが、
まさに政争の具にしているのは時間と共に批判に移る。
与野党の泥仕合より、
与野党の協力
を優先させた方が民主党も評価が上がると思いますが。

確かに民主党はよくやりましたが、
これ以上やるのは意地汚くて
物欲しそうで、

男を下げますよ。

読者の中には政治ネタが好きな方がいるので書きますが、
松岡農相の自殺も不思議なことばかりです。
だって、大臣やめるのと死ぬのとてんびんにかけて
死ぬ方を選ぶなんて変でしょう?
死ぬくらいだったら、
誰が邪魔しようと、
さっさと大臣も議員もやめればいいのに。
「やめさせてもらえないから、死ぬ」
なんて冗談にもなりません。
妻や子がいて、
さらに年老いたお母さんまでいて、
それでも死ぬ方を選ぶなんて、分かりません。

自殺する人の精神状態は死神と一緒なので、理解不能ですが、
しかし、現職のまま死ぬことはない
きっぱり大臣をやめて、
身辺をきれいにして、それから死んだっていい。
現職の大臣のまま死んだ結果、
安倍政権に大変なマイナスを与えたわけですから、
同情する方がおかしい。

石原知事が
「死んで責任を取ったのは、
彼もサムライだったからだ」

なんて悲痛な顔で言っていましたが、
石原さん、あんな潔くない人のことをサムライなんて呼んだら、
トム・クルーズが怒りますよ。
全てを明らかにして、
「おわびのしるしに生命を断ちます」
ならサムライかもしれませんが。

日本人は死んだ人にはやさしく、
「死人を鞭打つこと」をいやがりますが、
あえて言います。
あんなみっともない、
卑怯な死に方をした人は鞭で打っていい。
遺族の悲しみには同情しますが、
基本的に自殺する人は卑怯です。
「水をきれいにする」などと言って当選しながら、
あふれるほどのカネの噂にまみれ、
農水行政の頂点に立ったままで、
何も明らかにせずに逃げだしたあの方を
死んだからと言って許してはいけないと思います。

総務部会  

本日は総務部会
その名のとおり、組合の総務関係のことについて検討する部です。

議案は
・7月30日の寄贈肉の件(都内の養護施設や老人ホームに鶏肉を贈呈)
・秋の台湾での理事・支部長会の状況(予想を上回る175名の参加への対応)
青年部のあり方
・理事長の任期制(任期の限度)

青年部のあり方についは、
年齢制限、
少数精鋭、
超ブロックの姿勢
等の原案には、みなさん賛成でした。

任期の制限については、
理事長についてはおおむね賛成
その他の役員については、もう少し練りたいという印象でした。

どの組織もそうですが、
役員の固定化と老齢化は悩みのタネで、
古い長老の大先輩に
「そろそろやめたらどうですか」
とはなかなか言えません。
しかし、新鮮な発想でものごとに対処できるのはせいぜい4年
あとは惰性か昔の財産で生きることになります。

慧眼の曽野綾子さんもそのことを昔から指摘されています。
長くやれば、発想の固定化、硬直化を生み、
人間関係のしがらみ縄張り意識の発生で良いことは何もないと。
その上、気力が失せては、役員が組織発展の邪魔となります。

組合は4年前に役員の定年制を導入しましたが、
その後の組合活性化はみなさん御存知のとおり。

このたびの任期制限の提案は、
さらにその上の健全な新陳代謝を求めるものです。

ただ、若くして理事長になった方の問題もあり、
2期4年の後、
1期休みをおけば、再選は可、という方法も浮上しています。

いずれにせよ、
これらのことは常務会、総務部会のキャッチボールの中で
来年2月頃までには結論を出したいと思っています。

ところで、最近、あるところで
某全国団体の決算を見せてもらいました。
驚きました。
3593万円の経常損失
役員退職金の特別損失を加えての当期損失は4768万円
その前年は確か3500万円の赤字ですから、
わずか2年間に8200万円資産を減らしたことになります。
そんな状態なのに、総会はシャンシャンで終了。
非常事態に気付かないか、
自分の財布だからどうでもいいや、
なのか。

別な全国団体も289万円の赤字。
前に伝えた団体も1100万円の赤字。

このまま行けば、どの団体も近く破綻します。
現金がなくなり、通帳の残高がゼロにならないと気付かないのでしょうか。

もっとも
わが組合でも
7年間も赤字を続けながら、
総代会を波乱なく終わっていた過去がありますので、
人のことは笑えません。
やはり「自分のサイフじゃないからいいや」だったのかもしれません。
赤字の6年目に
「赤字予算の根拠を述べよ」
という一総代の発言がなかったら、
今もどうなっていたか分かりません。

しかし、そういう正しい指摘を聞き逃さず
当事者として対処しようとした当時の理事長の姿勢があったからこそ、
今の組合があります。
結局、トップがその事態を深刻にとらえ、
解決のために苦悩することでしか方向性は見えてきません


全国団体の姿を見ていると、
かつての昔の組合を見るような気がします。
手をこまねいて、
火事を遠くから見守る。
その中から危機感に満ちた声は一体いつ出て来るのでしょうか。





空飛ぶタイヤ  

昨日は家でゆっくりし、本日は日曜出勤。
電話がかかってこない職場で、
仕事が進むこと、進むこと。
例のお役人からの「宿題」は、
数字的根拠を入れて、仕上げてしまいました。

さて、昨日、初めて、映画館で「シニアの権利」を行使
保険証を差し出すと、
ボックスの女の子は「あ、それ、要りませんから」。
「年齢、証明しなくていいんですか」と訊くと、
「信用します」。

不思議。
学生割引の学生証提示は当然としても、
「夫婦50割引」の時は証明書が必要なのに。

ちなみに、レディス・デーも、申告があればそのままスルー。
たまに「どうみてもあの人は男だ」という時も、
不問に付すそうです。
「あなた、本当は男でしょう」と言ったら一騒動ですから。

ボックスでアルバイトをした経験のある人の話では、
本当に女装して現れる人がいるそうです。
老けた方、華奢な方は、映画は千円。
その勇気があればですが。

以上は、舞浜のシネマイクスピアリの話。
本日夜、豊洲のユナイテッド・シネマでは、
「年齢の分かるもの、何かありますか」
と保険証の提示を求められました。
映画館によって違うので、ご注意。

[書籍紹介]

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江戸川乱歩賞作家・池井戸潤の作品。
先の直木賞候補にもなったが、選にもれた。

大型トレーラーの脱輪人身事故をめぐり、
中小運送会社の社長が真相究明のために大企業と闘う。
これに自動車メーカーと系列銀行の内部抗争、
社長の息子の学校でのいじめ事件がからむ。
490ページの大作。しかも二段組。
開いた時にゲッと思ったが、
遅滞なく最後まで読ませた。

明らかに〇菱自動車がモデルと思われる内容。
「一時国有化された弱小都市銀行」というのも出て来るが、
これはりそな銀行のようだ。
前者が財閥系の古い体質を変えられずに動きの取れない状態に描くのに比べ、
こちらは本質を見失わない正しい銀行の姿として扱われているのが面白い。

事務局長が興味津々で読んだのは、
登場人物がこの事故の真相解明を巡って、
人間としての真価を問われるからだ。

主人公の社長は、
形勢不利と見た自動車会社から1億円を提示されて
訴訟を取り下げるように迫られる。
倒産寸前の会社を建て直すためにのどから手が出るほど欲しい金だが、
社長は、事故で死んだ女性の家族、特に、残された子供の姿を思い出して、
悩んだ末に拒絶する。

一方、事故の本質がリコール隠しにあることをつかんだ自動車会社の課長は
会社の上層部からおいしい地位を約束されて移ってしまう。

また、運送会社の整備不良だという予見捜査をした刑事は、
真相が見えて捜査方針を変えたことで
刑事仲間から「プライドはないのか」と非難されると、
「プライドは捨てた」と言い切る。
「俺のプライドないんざ、どうでもいい。
忘れちゃなんねえのは、被害者の悔しさだろうよ」
そう言って、真相の解明に踏み出す。

自動車会社への支援融資を迫られる系列銀行の課長は
ことの真相を知って、上司のプレッシャーをはねのけて、
融資を断る異例の稟議を上げる・・・

こんな風に、一人一人が極限状況に置かれて、
魂のあり方を問われる。

こういう小説、好きですね。

一度考えてみて下さい。
自分が、いくら金を積まれたら、魂を売り渡すか。
100万円くらいじゃそんなことはしない、という人も
5000万円、あるいは1億円を目の前に積まれたら、
友や親戚や仲間、同志、仕事相手を裏切るかもしれません。
その時、その人の魂の値段が決まります。

話は飛びますが、
昔、「いろはにほへと」という映画がありまして。
テレビの芸術祭賞を取った作品の映画化。
1960年作品。
脚本は橋本忍、監督は中村登
記録では主演佐田啓二となっていますが、
本当の主役は伊藤雄之助
そう、あの馬面の名脇役です。

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「投資経済会」という消費者金融を捜査する刑事の話。
例の「光クラブ事件」がモデルで、
堀江貴文のライブドア事件の時、
光クラブとの類似がとりざたされましたが、
テレビドラマに2度なっていることには触れても、
「いろはにほへと」について書いた人はいませんでした。

内偵していた刑事・伊藤雄之助は、
捜査から手を引くように迫られて、
目の前に500万円の札束を積まれる。
50年前の500万円ですから、大変なものです。
安月給の刑事にしてみれば、
どんなに欲しいかわからない。
しかし、伊藤は拒み、
「あんたがたが、こんなことをするのは、
やはり裏に何かがあるからだ」
と犯罪の確証を得て、
最後は逮捕まで持ち込みます。
投資経済会の理事長(佐田)は、
伊藤に向かい
「金で動かしえなかった人間は
あなた一人だけだった」
と言う。

しかし、
黒幕の政治家たちは見逃され、
惚れていた飲み屋のおかみからも袖にされ、
伊藤は苦い勝利と敗北感の交錯の中で、
一升瓶で酒を飲みながら、
「いろはにほへと」という戯れ歌を歌う。
その背中がラストシーン。

この映画を観た時、事務局長は中学1年生
うたれました。
人間がどんな価値観を大切に思って生きるか、
どの線を越えると、
人間は人間でなくなるか。


「いろはにほへと」で検索すると、
マンガと居酒屋の名前ばかり出てきます。
伊藤雄之助の出演作リストにも載っていないことがあります。
事務局長の記憶では、
おそらく彼のただ1本の主演映画
心に残る映画でした。

脇道にそれましたが、
「空飛ぶタイヤ」、
読んで損はありませんので、どうぞ。
しかし、この題名は何とかならないか。





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