蝶々夫人  

今日はいただいた招待券で
東京文化会館の二期会公演「蝶々夫人」へ。
ミュージカル「ミス・サイゴン」の元ネタです。

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4日間公演の最終日。
大変珍しい経験をしました。
というのは開始時、「監督からのお話があります」とのアナウンス。
何事、と思ったら、
海外から招聘した指揮者が尿道結石の激痛で今朝入院したため、
「何とか回復を待っていますが、
副指揮者の○○が指揮をします」
とのこと。
ザワザワ。
人気指揮者なので、この方をあてにして来た方もいるはずなのに。
それにしても尿道結石とは。

休憩後、時間を10分過ぎても第2幕が始まりません。
再び「監督からお話があります」。
出て来た監督が、
「10分前にマエストロが病院から楽屋に到着しました。
まだ痛みがありますので、指揮します」
ザワザワ。
指揮するの? しないの?
するんなら、「まだ痛みがありますが、指揮します」だろうが、
と日本語の間違いを正す声しきり。
ほどなく指揮者登場。
尿道結石患者の指揮。
いつ痛みに耐えかねて中止するか、というスリル付きです。

冗談はさておき、
タクトが振られた瞬間、音楽ががらりと変わってしまいました
透明感が出て、哀切な感じが伝わり、プッチーニになった
第1幕のオーケストラは確かに重い感じがして、眠くなりましたが、
第2幕は眠気など吹っ飛んでしまいました。
代役の方には悪いですが、
指揮者で、これだけ違うんですね。

実は、私は「蝶々夫人」の話は嫌いです。
だって、アメリカの軍人が「現地妻」を調達して、棄てたって話でしょう。
背景に白人の持つアジア人への蔑視が感じられて、
どうもいやでした。
ところが、音楽の力ですねえ、
「蝶々夫人」の後半になると、涙が止まりません
ピンカートンを待ち続ける蝶々さん、
息子のために自分の命を捨てる蝶々さん。
その姿に、
今回も盛大に泣かされてしまいました。

日本の個々のオペラ歌手については詳しくなく、
知っていた出演者は福井敬(ピンカートン)くらい。
でも、蝶々の木下美穂子もスズキの永井和子も、
シャープレスの直野資もヤマドリの藤山仁志もみんな良かった。

何より演出がまともでよかった。(栗山昌良)
装置もまとも。
前にアジアの水上生活者みたいな装置のものもあったし、
抽象的な装置のもありました。

ラストの蝶々さんの自害も
ピンカートンの声はかげで聞かせて、
蝶々さんの上に光が差して、きらきら光るものが舞い降りて来、
蝶々さんがそれをふりあおいだところで幕。
つまり、蝶々さんの死を栄光の中で賛美しているわけ。
まともです。

スカラ座でやった浅利慶太演出では、
この部分で黒子(くろご)が出て来て、
蝶々を囲み、自害した蝶々がうつぶせになると、
布を引いて、白い布の下から真っ赤な布が現れて、
血潮の趣向。
歌舞伎から来る「日本らしさ」を出したのですが、
くろごを出すなど邪魔。
つまらない思いつきです。

以前どこかで観たのは、
自害した蝶々さんが障子を突き破って転がり出て来るのもありました。
これには驚きました。

何で演出家や装置家は金をかけて音楽の邪魔をするのかね。
今回のは装置も演出も音楽の邪魔をしていません。

ロビーに出ると、
花束が沢山並べてあり、「こ自由にお持ちください」と。
最終日なので、花輪をばらして観客に花束をサービス。
二期会、なかなか粋なことをしますね。

今夜は出張マッサージ
何だか響きが悪いですが、
ちゃんと施術台も来て、30分2500円。出張料なし。
夫婦で1時間やってもらいました。




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