アカデミー賞受賞式  

今日、事務局長は休みです。
わけあって、家にずっとおりました。

真っ昼間に家にいると、
世の中から捨てられたみたいで、
来年以降、団塊の世代が続々定年退職しますが、
何かすることを見つけておかないと大変でしょうね。

私は、どこかに貸し机を借りて、
たとえば朝10時から夕方4時まではそこに出勤、
何かをしようと思っています。
本を読むなり、執筆するなり、いくらでもすることはあるでしょう。
とにかく家にいてブラブラするのは、
家族(かみさん)の精神衛生上、よくないと思うので。

本日は、(アメリカ時間は前日)アカデミー賞の受賞式
私の所属する映画のサークルでは、
毎年予想大会をして、
的中数を競うというイベントをしています。
24部門全てをしますので、
短編賞とか記録映画賞とか、
ヤマカンで当てるしかないものもあるので大変です。
今年は主要部門は、本命の受賞が続き、
差がつかないなあ、と思っていたら、
最後にびっくり。
監督賞をアン・リーが取った時に、
作品賞は「ブロークバック・マウンテン」で決まり、
と思っていたら、
「クラッシュ」が作品賞を獲得しました。

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これは、昨年「ミリオンダラー・ベイビー」の脚本を書いた
ポール・ハギスの初監督作品
ロサンゼルスのハイウェイで起こった一つの交通事故に関係した人々の群像劇。
弟ばかり愛する母に憎まれる刑事や、
不満だらけの妻を抱えた地方検事、
黒人差別主義者の刑事、
その刑事に辱められた妻に攻撃されるテレビディレクター、
人生の岐路に立つ自動車泥棒、
怒りにかられて殺人を犯しそうになる雑貨屋の主人・・・
様々な人々の愛と憎しみ、人生の挫折が、
36時間の中で交錯するドラマ。

人と人が交通事故のようにクラッシュしながら、
それでも触れ合い、関係せざるをえない哀しみが浮かび上がります。
そして、アメリカ社会に深く巣食う
人種差別を容赦なく描きます。

大変素晴らしい作品で、
私の評価は5段階評価の「5」
緊密なシナリオはオリジナル脚本賞も獲得。他に編集賞も。
新人監督の作品でも、脚本に惚れ込んで、
名だたるスターたちが出演しています。

何よりもすごいな、と思うのは、
初監督にして、これだけのものを作る、ということ。
私は監督というのは、
熟練の仕事で、鍛練が必要と思っていますが、
この人は、初めてでもそれを突き抜ける。
天才というのは、他の人が10年かかることを
一瞬に吸収して自分のものにしてしまうのだとよく分かります。

比較するのも不本意ですが、
日本アカデミー賞の「ALWAYS 三丁目の夕日」も構造は群衆劇。
しかし、あるがままの人間の現実をじっと見つめ、
良いことも悪いことも含めて全てを描き出そうとする
「クラッシュ」と、
現実から目をそむけて、
全部甘いサッカリンに包み込んでしまう
作家性の相違は明らかです。
ぜひ、「クラッシュ」、観て下さい。

他に最近では「シリアナ」を観ました。

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アラブの産油国の王位継承者の暗殺にからめて、
巨大石油会社の暗躍と、司法省との駆け引き、
エネルギー・アナリストの中東改革の陰謀、
移民出稼ぎ労働者の自爆テロなど、
スケールはあまりに大きい。
少々分かりにくいのが難ですが、
それは、こちらの勉強不足ゆえでしょう。

出演者もジョージ・クルーニー(この演技でアカデミー助演男優賞を獲得)、
マット・デイモン、
クリス・クーパー、ウィリアム・ハートなどオスカー級。

原作はCIA工作員の書いた『CIAは何をしていた?』
ジョージ・クルーニーは製作も兼ねており、
「私は家族の絆は大切、というような映画よりも、
あくまで社会の深層を暴いて訴えかける作品を作りたい」
と言っています。
その志やよし。
5段階の「4」

なお、「シリアナ」とは、
ワシントンのシンクタンクで使われている専門用語で、
イラン・イラク・シリアが一つの民族国家となることを想定する、
アメリカによる中東再建のコンセプトのことだそうです。


舞浜の16スクリーンを持つシネマ・コンプレックス「AMCイクスピアリ」は、
3月1日から「シネマ・イクスピアリ」に改名。
アメリカ系のAMC(アメリカン・マルチ・シネマ)の経営権を
オリエンタルランド系列で買い取ったらしい。
私はこの映画館で年間70本ほど観ているのですが、
サービスに変更はないらしく、ほっと安心。




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