第80回選抜高校野球9日目。
3回戦
第1試合
平安(京都)1−0鹿児島工(鹿児島)
一昨日の延長15回引き分けの再試合。継投でしのいだ平安に分がある試合だが・・・。
平安の先発は3試合連続で川口だったが、鹿児島工は一昨日200球近く投げた内村ではなく左腕の石堂が先発。
鹿児島工は初回の攻めで先頭打者が初球打ち安打を放つも中軸が打てずに凡退。3試合目の先発となるも球数少なく投げてきた川口に余裕が見られ、低目の変化球に苦しみ続ける。初めての甲子園登板となる石堂も、負けじと直球と変化球を上手く組み立てて平安打線を翻弄していく。
序盤は互いに点を入れられなかったが、4回の平安の攻撃、二死となるも児玉の右翼方向の飛球を右翼に入っエース内村がグラブからこぼしてしまい、三塁に進ませてしまう。続く打者に安打を打たれ思いもよらぬ形で先制点を挙げる。
反撃したい鹿児島工だったが、走者を出すも自慢の犠打が上手く決まらず苦しむ攻撃を繰り返してしまう。先制を許したが、その後は落ち着いて安打を殆ど許さない石堂の好投に報いることが出来ない。それだけ川口の投球が素晴らしかった。
そのまま川口が鹿児島工業の打線を抑え込んで24イニングにわたる熱戦に終止符を打ち、校名変更直前の春に8強入り。鹿児島工は石堂が好投したものの、やはり一昨日の試合でサヨナラにしておきたかった。あと気になったのが、内村を外野に置く場合、左翼に何故置かなかったのか??1年時は中堅手として甲子園に出場していたから、それを買って右翼にしたんだろうけど・・・。
第2試合
智弁和歌山(和歌山)2−1宇治山田商(三重)
共に土壇場からの逆転劇で勝ち上がってきたチームの対戦。なにより宇治山田商エース平生と強力智弁和歌山打線の対決に注目。
期待通り平生は力のある直球と鋭いスライダーで智弁和歌山打線を翻弄していく。3番勝谷には上手く運ばれてしまうが、調子の上がらない坂口などを切り切り舞いにしていく。負けじと智弁和歌山先発岡田も平生にこそ安打を許していくが上手く打ち取り、序盤を無失点で凌ぐ。
試合が動いたのは4回、宇治山田商は簡単に二死となるが4番木田恵が左翼席にソロHRを放ち、先制点を挙げる。1点を貰った平生は相変わらず上手い配球で智弁和歌山打線にまともにバットを振らせない。
6回に平生自身の悪送球などで無死一・二塁としてしまうがバックの守りなどに助けられ無失点に切り抜ける。ここを抑えて勢いに乗り追加点を挙げたいが、智弁和歌山2番手林にチャンスであと一本が出ず流れをつかめず。
すると8回に、林の安打から犠打失敗が挟まれるが、二死二塁として迎えるはここまで2安打の勝谷を迎えてしまう。こらえたかった場面だが中前安打を放たれ、外野のダイレクト返球が逸れて同点に追い付かれる。ここを1点で凌ぐと、先頭の四球出塁から二死三塁、木田恵も歩いて、平生が打席に立つ絶対的な好機・・・、だが三振で終了。9回に両チーム走者を出すが点が入らず延長戦へ。
10回の智弁和歌山はチャンスで勝谷に回るがあえなく凡退。このピンチを抑えた宇治山田商業は一死からの走者を犠打で送り、先制本塁打の木田恵が強烈な当たり放つ・・・、ものの中堅手田甫が全速力で好捕。サヨナラかと思われた場面だが防がれる。
そして11回の智弁和歌山は、ここまでいい所のなかった坂口が鋭い当たりで二塁打を放つと一死から高橋の左翼前の当たりで勝ち越し成功。高橋自身は一塁踏み忘れでアウト・・・。
このミスのため宇治山田商は1点で凌ぎ、智弁和歌山打線点火を許さなかった。そして平生が倒れるも、一死から坂口のトンネルで二塁に走者を進める。この貰ったチャンスを生かしたかったが、後続が凡退し、試合終了。2試合続けて智弁和歌山は辛くも勝利し8強進出。続いては同じ近畿勢の東洋大姫路と対戦。
宇治山田商は平生の2桁奪三振などの好投も報われなかった。前試合で逆転を呼び込む投球をした智弁和歌山林投手に中軸が抑え込まれたのが痛かった。
第3試合
天理(奈良)10−1華陵(山口)
ソツのない攻めを行う天理に、初戦幾度のピンチを防いだ華陵エース宇野がどう挑むかが焦点の試合。
先手を取ったのは華陵、2回に先頭の宇野が安打で出塁すると犠打で送り、タイムリーで1点先制。初戦と同じく早々と流れを掴んだ。
だが、宇野の調子はいま一つ。初戦の慶應戦終了後、粘投の代償として爪を負傷してしまった。その影響が出てしまったか?すかさず2回にボークで得点圏に走者を進め、右中間を破られる長打で追いつかれると、3回には一死から中軸の連打で一気に2点を奪われ2点のリードを許す。反撃したい華陵だが、天理エース井口の下手投げから繰り出される緩急をつけた球に上手く打線が繋がらなくなってしまう。
本日朝から降り続けている雨に、耐久性の強い甲子園の土も水を含みぬかるみ始めた、中盤の5回に宇野は失策、ヒットエンドランで無死一・三塁とするとまたもや中軸5番に長打を打たれ2点を失う。その後スクイズ外し→走者刺せずの場面を作るがここは踏ん張る。
負傷しながら粘りの投球を続けていた宇野だったが7回にも一死一・三塁から長打を浴びて2点を奪われると、ここで無念の降板、2年生安達にマウンドを託す。
だが、この安達も踏ん張れず四球や暴投で二死満塁とし、当たっている1番鈴木の安打を浴びて2点を奪われ、9点目を奪われる。この間、華陵打線は井口に6〜8回を三者凡退に抑えられてしまう。8回にも安達は安打や死球、暴投で走者を進塁させると、10点目となるタイムリーを浴びる。その後の満塁機は意地で抑えた。最終回の攻撃は中軸からで宇野にも回るが走者を溜めることが出来ずに試合終了。天理が4年前の出場時に続いて8強進出。
華陵としては宇野が爪を怪我したことが何よりの誤算。さらに雨中の戦いとなったことが、ただでさえ怪我を押して投げているのに、より一層神経をすり減らしてしまった。雨はさらに下級生内野陣にも乱れを生んでしまい、悪コンディションが若いチームを飲み込んでしまった。
第4試合
沖縄尚学(沖縄)×明徳義塾(高知) 雨天順延
日程を1日ずらして、明日正午より同試合を1試合のみ行う。

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