これは思っていたのといい意味で違っていたというか、フランスのファッション業界ものと思ったら、ドレスを縫うお針子さんに焦点を当てながらの、格差社会や移民問題、そしてヤングケアラーなどにも触れていて最後まで飽きずに観ることができた、ディオール専属クチュリエール監修のもとでのドレスや貴重なスケッチ画なども見どころ!
主人公のアトリエ責任者エステルを演じたナタリー・バイが、腕は一流だけどそれ故に孤独な女性を好演、彼女に才能を見出されて少しずつ生きがいを見出してゆく少女を演じたリナ・クードリの荒削りな感じの可愛さも印象的だった。
いくらでも感動的に盛り上げられそうな2人の交流を時にはぶつかり合い罵り合いながらも少しずつ距離を縮めていく様子にも説得力があって、年齢も境遇も全く違う2人がドレスを縫い上げることで寄り添う姿に胸が熱くなった。
題材は違うけど、少し前に観た「GAGARINE ガガーリン」と被るところがあるような気がしたのは、リナ・クードリが出ていたからかも!
☆あらすじ☆
ディオールのオートクチュール部門でアトリエ責任者を務める孤高のお針子エステルは、次のコレクションを最後に引退することを決めていた。準備に追われていたある朝、エステルは地下鉄で若い女性にハンドバッグをひったくられる。その犯人ジャドの滑らかに動く指にドレスを縫い上げる才能を直感したエステルは、彼女を警察へ突き出す代わりに見習いとしてアトリエに迎え入れる。反発しあいながらも、時には母娘のように、そして親友のように、美を生み出す繊細な技術をジャドに授けていくエステルだったが……。
キャスト
ナタリー・バイ
エステル
リナ・クードリ
ジャド
パスカル・アルビロ
クロード・ペロン
スーメ・ボクーム
アダム・ベッサ
クロチルド・クロ
監督
シルビー・オハヨン
原題 Haute couture
100分
G
ヒューマントラストシネマ有楽町2 19:10〜観客8割程/62席