《ハンガリーの新鋭、バルナバ―シュ・トート監督による人間ドラマ。ナチス・ドイツによって約56万人ものユダヤ人が殺害されたと言われるハンガリーの歴史を背景に、ホロコーストで家族を失った孤独な医師と少女の心の結びつきを描き出す。主役のクララを演じるアビゲール・セーケは本作が映画初主演。世界で高く評価された彼女の演技にも注目。》
これはホロコーストで家族を失った医師と少女の話なので過去に遡っていくらでもその悲惨さを声高に叫べそうなのに、孤独な2人が出会って少しずつ距離を縮めてお互いに光を見出すようになる感情の変化を丁寧に掬い取っているので、どの時代にも通じるような、普遍的なドラマになっていて、最後のシーンでの残された者の切なさに「ディア・ハンター」のエンディングを思い出した。
出会った医師に父親の面影を重ねて、恋愛にも似た思慕の念を抱く少女クララを演じたアビゲール・セーケという女優さんが10代後半から20代前半までを無理なく演じていたのも印象的だった、これが初主演というのも驚き!
あらすじ
終戦からまだ間もない1948年のハンガリー。16歳の少女、クララはホロコーストを生き延びたものの、家族を失った悲しみから立ち直れないでいた。そうした中、彼女は自身と同じ境遇である寡黙な医師のアルドと出会い、父のような年齢の彼と心を通わす。
原題 Akik maradtak
88分
監督
バルナバーシュ・トート
キャスト
カーロイ・ハイデュク
アビゲール・セーケ
マリ・ナジ
カタリン・シムコー
バルナバーシュ・ホルカイ
シナスイッチ銀座2 18:45〜観客20人程/182席


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