“本当に見えてくるのは人間の姿…”
今日は日曜日ですが、この映画の完成記念上映会があることを動物繋がりの方から教えてもらって時間と場所が合えば、と思ったら、日曜日の14時からならお姑さまの様子見しに行く前だし、場所的にも品川の隣駅田町だったのでラッキー、ということでまずは田町に向かいました
会場について、ホールの熱気にびっくり、溢れるくらいの人で、整理番号を貰ってからその番号と引き換えにチケット代金を支払って入場するわけですが、早めに行ってよかったかも、111番、112番でしたが、席に着いて始まるのを待つ間にもどんどん席が埋まって、上映開始の頃にはほぼ満席でした、午前中もやはり満席に近い状態だったようです。
この映画は一人の猫好きなおばあさんの「不幸な犬猫を減らしたい」という思いから生まれたもので、頼まれた監督さんは犬猫の問題にはまったく無知、そこから犬と猫を取り巻く全国の様々な現場、果てはイギリスや過去に及ぶ、4年近い旅が始まるわけですが、冒頭にその、依頼した稲葉さんが出ていて、失礼ながら、映画作りなどには縁のなさそうな普通の年配女性なんですよ。
選ばれた監督さんの方も、僕でいいんですか?と困惑気味ながら、慣れたテーマでなかったことで先入観にとらわれずに取材できたことがよかったんでしょうね、声高なメッセージを感じさせるような押し付けがましさがなくて、犬猫以上に、人間の在り方みたいなものが伝わってくる内容で色々考えさせられました。
残念ながら完成を待たずに2年前の2007年に稲葉さんは亡くなってしまいますが、稲葉さんの名前と共に映像は残るわけで、なんか、いいお金の使い方だなと映画の内容以上に感慨深かったです。
そしてもうひとつ、改めて思ったのが“当事者”の辛さでした。
この映画には犬や猫たちのかわいい姿も出てきますが、それだけではなく、行政施設でまもなく殺処分される犬猫たちの姿もリアルに撮られているので正直言って目をそむけたくなるシーンも何箇所かあっていたたまれない思いがしましたが、自分の手は汚さずに、遠くから、可哀相、残酷、あってはいけないこと、と言うのは簡単なんですよね、それを仕事にしている人たちの辛さを考えるとうっかりしたことは言えないと思いました、一番辛いのは、自らの手でガス室送りにしたり安楽死の注射を打ったりする人なんですよね、その方たちの、人間の勝手さへの怒りみたいなものも感じました。
これを読んだ方で、近くでこの映画の上映会のお知らせなど見かけたら是非観てみてください、私の紹介だけでは言葉足らずで、堅い映画と思われそうですが、適度なタイミングで登場する犬のシロエモンや猫のにゃんごろ(だったかな?)のユーモラスな姿など笑える場面もたくさん、監督さんのか飾らないナレーションも耳に心地よかったです
女性と仕事の未来館ホール14:00〜ほぼ満席/250席


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