"《いのち》の長さは誰が決めるの?…1990年に大阪の小学校で実際に行われ賛否両論を巻き起こした授業を映画化”
今日は日曜日なのでまずは大森でお姑さまの様子見してから川崎に向かいました
うちには猫12匹をはじめ、スカンクにキツネにフェレットにウサギにと、たくさんの動物たちがいるので、この作品には前から関心があったんですが、だからこそ逆に観るのをためらってしまっていたというか、正直な話、ペットとして飼うのと、食用にするために飼育するのって最初から違う方向なわけだし、そのあたりはどうなっているんだろう、名前までつけているらしいし…でも、テーマの是非を問うだけなら何も映画を観なくてもいいわけで、この題材をどんな風に映画として扱っているか、やはり観てみなくてはですよね。
内容は…“食育といのちの大切さをテーマに《子ブタを自分たちで飼育し自分たちで食べる》という実験的な実践授業に挑んだ新任教師の星先生と26人の生徒たちの1年間を見つめ、最終的にブタの処遇を巡ってクラスを二分しての白熱の議論を戦わせるさまをドキュメンタリー・タッチで綴る”ものですが、いやいや、観てよかったです、観る前に色々と考えていた疑問も劇中に全部投げ掛けられていて、子供たちの自然な反応もリアルで色々と考えさせられました。
スティーブン・セガール主演の映画のように、観終った瞬間に内容をきれいさっぱり忘れてしまう(けなしてるわけではないですからね、笑)映画と違って、終わったところから始まる映画ってありますよね、これもそんな映画で、観終わってからも色々考えていますが、答は簡単に出せないでいます。
この映画を通して見えてくるものは“命を大切にすること”“食べ物を粗末にしないこと”“ベットとして飼った生き物には最後まで責任を持つこと”などたくさんあるんですが、その是非より、むしろ、教育について色々考えさせられました、子供って大人が思っているよりずっと深く考えているというか、大人が導くなんておこがましいというか…それでも、人生の先輩として子供たちに道をつけるのは大人なんだなとか…。
子供たちもですが、校長先生役の原田美枝子さんも素晴らしかったです、役柄がよかったこともあるんでしょうが、内面的なものがにじみ出ているように思えました
ひとつ、欠落していると思えた部分は、“食べる”“食べない”の結論が出た後の描写でしたが、出演した子供たちは撮影の仕上げとして食肉センターに見学に行ったんだそうです、この時の反応も知りたかったというか、むしろ、その先に見えるものが大事な気もしましたが、以前「いのちの食べ方」を観た時にパンフに屠殺、屠畜場の撮影は原則的には禁止されているようなことが書いてあったように思うので、許可が下りなかったのかもだし、まあ、そのあたりは映画的な流れであのラストもありなんでしょうね
チネチッタ10 19:25〜観客30人程/191席


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