“世の中には知らないほうが幸せなことがたくさんあるんだよ…エリック・シュローサーのベストセラー・ノンフィクション『ファストフードが世界を食いつくす』を基に、安くてお手軽な食事を支えているファストフード業界の舞台裏の仕組みをドラマ仕立てで描いた社会派群像劇”
今日は上野での搬出手伝いのあとに今週金曜日で終わってしまう「ミスター・ロンリー」を観るつもりでしたが、片付けが予定より長引いたうえに打ち上げ会にも顔を出したりしていたら、あと少しのところで17時25分に間に合わなくなってしまって、19時50分の回まで待つのも辛いものがあるので、この作品にしました、これも興味があったんですが、レイトのみだったので迷っていたんですが、たまたま今週のみ朝と夜の回も追加上映しているらしくてラッキー
なんですが、これがまた、思っていたのと違ったというか、ファストフード界をコメディ仕立てで描いた諷刺したドラマと思ったら…ファストフード界の実情もですが、薄給で危険な仕事をしながらも何かあった時には何の保障もない不法移民たちの姿が浮き彫りにされていたのが印象的でした。
内容的には“売り上げ好調のバーガー・チェーン店のマーケティング部長が、社長からある内部調査を命じられて原因を突き止めようとして向かった工場での出来事“が描かれていますが、ある内部事情というのが、同社のパテから多量の糞便性大腸菌が検出されたというもの、こんなことも起こりえるという怖さ…あくまでも映画の中での話と割り切ってはいても、これを観たらしばらくはファストフードを口にする気にならないのでは?
映画的な面白みとしては、グレッグ・キニア、イーサン・ホーク、パトリシア・アークェットにクリス・クリストファーソンなどキャストが意外に豪華なんですがドラマの“ヘソ”となる人物はそれ以外のキャストというのが構造的に面白いと思いました。
打ち上げ会後の、ほろ酔い気分で観るにはちょっと辛いものがあったし、観る前と後では確実に認識が変わるという意味では、確かに知らない方が幸せだったかもですが、ほぼ満席に近い混み具合にも“食”への関心を感じて、見逃さないでよかったです
ユーロスペース1 18:40〜観客9割程/92席


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