阪本監督作品で泣いたのは「鉄拳」以来かも・・・って、どちらも泣く映画でもないような気もするんですが、なんだろう、なんか胸が熱くなってしまうみたいな・・・。
基本的には苦手分野な話なので台詞を聞いただけでは理解できないところもありましたが、こういった話は1人だけでも感情移入できる人物がいると全体の流れが自分なりに頭に入ってくるわけで、最後まで飽きずに観ることができました。
なんといっても真田広之さんの人物造形がよかったです、部下を大切にする思いが伝わってきてしかもブルース・ウィリス顔負けのタフな“ダイハード”ぶりだったりして、それが説得力を持つのも鍛えた体があってこそかも(^-^)v
その彼の部下でもあり、実は謎な部分を持った勝地涼くんも良かったです。
原作は読んでいませんが、彼が演じた如月 行という人物は福井晴敏作品の中でもっとも人気が高いキャラクターなんだそうで、「オール・アバウト気如月 行」なんて本も出ているんですね。
その他、あとからあとからよくも集まったというくらいの男優さんが登場して載せ切れませんが、すごく久し振りに吉田栄作さんを見てびっくり。
白の制服姿もかっこよくて、これをきっかけにスクリーンで活躍して欲しいと思いました。
肝心の内容ですが、公開前から話題になっている映画でテレビでも話題になっているようなので詳しくは書きませんが、防衛庁、海上自衛隊、航空自衛隊が全面協力しただけあって本物のイージス艦や戦闘機の迫力も半端ではなく見応え充分でした。
というか、観た映画館がお台場だったので、臨場感も倍だったような・・・。
それしてもなんで涙が出たんだろうと思いながら、仙石という役を演じるにあたっての真田広之さんのインタビュー記事を読んでいたら、“特別なことは何もしなくて、キャラクターがどんどん自分の中に入ってきてひとり歩きしていけば説明も言葉も要らない、彼を突き動かした思いに従いながら魂を込めていく、それだけ”というようなことが書いてあり、なるほど、真田広之のそんな俳優としての姿勢にも打たれたのかもと思いました。
その突き動かした思いとは、“規律・任務で生きてきた男が、眠っていた<男の子としての本能を呼び覚ます>というか、封じ込めていた何かがむくむくと動き出すという、そんな感じだった”ともあり、これこそ自分が阪本順治監督に期待している種類の映画かもしれないと・・・やっぱり阪本監督には男の匂いの立ちこめる映画をこれからも作って欲しいと思いました、「ぼくんち」みたいな映画は他の監督さんに任せて、なんて思ったりして・・・。
シネマメディアージュ6 20:20〜観客6割程/243席

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