“何もなくても、母の手があった。悲しくても、母の胸があった…野上照代の自伝的小説を、山田洋次監督が吉永小百合を主演に迎えて映画化した感動ドラマ”
今日は月曜日ですが、旦那の“野暮用”が土曜日に繰り上がったので、今日は夜の回までOK、ということで、品川プリンスシネマでハシゴすることにして品川に向かいました
まずはこの作品ですが…早く観なくてはと思いながらもなかなか気が進まなくて、何故かといえば、やはり、お母さん役が吉永小百合さんというのがなんともコメントしづらいというか、だって、私くらいの歳でも既に孫が産まれてもおかしくないというのに、吉永小百合が幼い姉妹のお母さん役だなんて、予告編の時から居心地の悪い思いがしていて…なんですが、実際に本編で観ると、それほどには違和感を感じなかったのは嬉しい驚きでした。
というか、正直なところ、妹役が檀れいだったり、浅野忠信に慕われていたり…なんか、現実的な話、舞台じゃないんだから辛いところもあって、もっと若い女優さんが演じたらどうなんだろう、と色々考えたりしてまして、おなじみ“三丁目の夕日”の薬師丸ひろ子じゃ可愛過ぎるし、高島礼子や黒木瞳ではキレイ過ぎるし、原田美枝子や余貴美子とかも違うし…やはり“昭和の母”を自然に演じきられる女優さんってなかなかいないのかも、62歳にしてあの若々しさというか、内面的な美しさというか、大女優としてのオーラも出ていて、さすが吉永小百合さんと思いました
内容的には“突然夫が治安維持法で投獄されてしまうという苦境の中で、夫を信じ続け、残された2人の娘を守るため懸命に生きた一人の女性の姿を描く”というものですが、昭和15年の東京の様子も丁寧に作りこまれていて、鳥の鳴き声や葉の落ちる音など音の効果も繊細につけられてあり、姉妹の子役の使い方も自然で要所要所に笑いも取り入れてあって完成度高い作品だな、と思いましたが…終盤に入ってなんとなく居心地悪くなってしまったというか、せっかく、吉永小百合さんを若く撮っておいて、ラストのあの“老けメイク”は必要だったのかなぁ、成長した姉妹(姉の方はなんと倍賞千恵子さん!)のリアクションもとってつけたようで、おまけに、エンディングに延々と詩が朗読されるんですが、言わんとすることはよくわかるにしても、“言いたいこと”を映像で感じさせるのが映画なのでは?なんて生意気なこと書いてしまってますが、終わってからトイレに行ったらオバサン二人連れが“久しぶりにいい映画を観たわね”って喜んでたのを耳にして、ひねくれた観方をしてしまっている自分に反省もしましたが、はい、人それぞれだから仕方ないですよね

ということで、反戦の思いには共感しますが、余韻も何も味わうこともなく声高なメッセージをつきつけられたようで唖然としているうちにスタッフのクレジットを見損なってしまいました、が〜ん

でもパンフを見たらちゃんとクレジットされてました、石○さん、またまたお疲れさま
品川プリンスシネマ9 15:05〜観客6割程/190席


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