テレビで20代の女性の職人さんを紹介していました。
手を真っ黒にして切り傷をたくさん作って、作業をしておられました。
作っていたものは鉄のようなものを熱したりたたいたり削ったり加工しています。
お給料が入ったら洋服などを買うのも惜しく材料や道具を買って日々練習をされているそうです。
レポーターが「その作業は師匠がされているのをビデオに録画して覚えるんですか?」というような質問を。
「そんなこと言えません。目で見て覚えるんです。」と言って、その女性は先生の手先を食い入るように見てそれを家ですぐにノートにきれいにまとめていました。
日舞を習いにくる若い方もすぐに「これをビデオに撮って家で覚えたい」と言います。
今まで教えた数人の中でも何人かそういう人がいました。
叱りたくなるのをグッと堪えて、そういうものではないと話します。
お稽古の時間にしっかり集中して吸収してもらいたいと思います。
そして、その女性の職人さんは自分ではよくできたと思って師匠に見てもらった作品がこてんぱんに失格と言われていました。
「こうなったら絶対あかん!」と悪い所を指摘された時に、「はい、すみません」と素直に認め、また新たに取り組むのです。
その目がとてもイキイキとしていて、作業に入ったら真剣で、それを話すときにはずっと笑顔で楽しくて仕方ない、という表情をされていました。
指摘してもらったことに感謝をしてまた前進していく姿をたくましく思い、見習いたいと思いました。

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