下手で手を合わせます。(いつも吉八奈師匠が座っていてくれた場所です

)
紅白の幕の後にスタンバイ。
あ〜っ!!!

昨日みたいに所化さんたちと円陣組む時間がなかったぁ!!!
下手と上手を見ますと、所化さんたちが私を見てうなずいてくれました

。
ふぅ〜っ

と大きく息を吐き、うなずき返し最初の形に構えます。
緞帳が上がり、紅白の幕が上がりました。
お稽古と同じようにいかない。
それでも焦る事はなく、とにかく曲に合わせて踊るのみです。
頭痛くない!


烏帽子をはずすところは下合わせで一度お稽古しただけなので心配でしたが、お師匠さんが上手くはずしてくださいました。
一つクリアできた、と思うとホッとして体が動いてきました。
袂をきれいに捌くのが難しく反省点がたくさんありますが、鞠唄が近づき引き抜くと「シュパッ!!!」っていい音がして、フッと体が軽くなりました。(上手くいったんや

)
そこからはお稽古で直してもらった事やお家元に教えていただいたことを冷静に思い出しながら踊れました。
(所化さんと合わせる所でお家元に直していただいたのですが、お稽古する回数があまりに少なく変更できなかったところが一つだけあったのですが)
あかりがうたた寝して船をこぎ

、舞台の真ん中に連れて行ってひっくり返るところはお客様にも楽しんでいただけたようです。
これは最近はあまり踊られないようですが、昔吉八奈師匠はこうやって会に出されていたので、今回もその振りを入れさせていただきました。
お着替えの時には、一度鬘を取っていただき頭を保冷剤で冷やしました

これが効いて後半もしんどくならずに踊れました。
舞台袖で心配そうにずっと見ててくれた床山さんにも「大丈夫!」って笑顔で言えたし。(いろいろ細工をしていて下さったおかげです。)
手ぬぐいを投げるのもみんなに協力してもらって何度も練習した成果がでて、なんとか客席まで届いたようです。しかもお友達が取ってくれて喜んでくれました。
手ぬぐい鞨鼓や振り鼓はお家元に直していただいたところがあったので、一つずつ丁寧に心がけました。
そして、最後の鐘。
前日は乗るだけでもコワかったけど、当日は全然怖くなくて丁寧にこなす事だけを考えました。
気付くと緞帳がしまっていって・・・
自分の目線を過ぎたとき(終わっちゃう〜)って急に寂しさがこみ上げてきてしまいましたが、「泣くな!!!」って言い聞かせて、みなさんに笑顔で「ありがとうございました!

」という事が出来ました。
これが私の道成寺でした。
踊りをされてる方には、何をたいそうに・・・
と思われる方もいらっしゃるかも知れませんが、興味のある方やご存知ない方に少しでも知ってもらえたら・・と思って書かせていただきました。
舞台袖で頭に氷枕を乗せて冷やす姿は、お衣裳さんにも床山さんにも「こんな花子初めて見るわ。」と笑われました・・・


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