昨日とおとといに大阪のフェスティバルホールに立川談春さんの30周年記念公演を観に行ってきました。談春さんと言えば現在「ルーズヴェルトゲーム」で主演の唐沢寿明さんのライバル会社の社長役で「あれ誰?」となっているみたいですね。本業は故立川談志さんのお弟子さんでれっきとしたお江戸の落語家さんです。
落語は高校時代落研に入っていたくらいなので大好きなモノのひとつでありますが、どちらかというと上方落語のほうに慣れ親しんでおりました。談春さんを知ったのは、さだまさしさんがきっかけで、談春さんはさだまさしさんの大ファンで、さだまさしさんも高校の落研時代に立川談志さんの落語にあこがれていたらしく、そんなつながりでお二人は大の仲良しなのであります。
「まっさんの仲良しさんならハズレはなかろう」と思って、今から数年前にシアタードラマシティでの落語会のチケットを取り、聴きに行ってどっぷりとその世界観にハマりました。
それから、関西で行われる落語会には行ける範囲で行っていますし、一昨年に行われた神戸と大阪で月1回開催された落語会にも12回以上行きました(笑)
なんかね、落語を聴いているというよりは、上質のお芝居を観ているような感じを受けるんですね。まくらの部分では結構毒舌かつキワドイことを話す方ですし、見た目も豪快(笑)な方なのですけど、ものすごく繊細さを感じます。そして、ところどころに「あ、これはさだまさしさんの影響を色濃く受けているな」というものもありますね。
でね、談春さんは一昨年亡くなられた中村勘三郎丈にもかわいがられていたそうです。私が歌舞伎好きになったきっかけは、25年位前に当時の同僚の誘いで今はなき道頓堀中座に観に行った「東海道四谷怪談」でした。当時の勘三郎丈はまだ勘九郎を名乗っていて、30代半ばくらいだったのではないかと思いますが、リアルすぎて鬼気迫るお岩様に鳥肌が立ち、涙が流れたことを今でも忘れません。それからファンになり、大活躍される姿を見続け、一昨年亡くなられたときには遠い存在ながら心にぽっかりと穴があいたような気持ちになりました。今はそのご子息である当代の勘九郎さん、七之助さんの成長を見るのがとても楽しみです。
談春さんが建て替える前のフェスティバルホールでどうしても独演会をやりたい!と思い、いろんな方に相談されたそうです。まだそれほど関西で名前が売れていなかったこと、3000人クラスのホールという落語会には規模が大きすぎるホールであることなどもあり、反対する人が多かったそうです。そんな中で勘三郎丈は、「歌舞伎役者は後ろ盾である親が死ぬととたんに役がつかなくなる。自分にもそういう時期があったが、それを変えるきっかけになったのが中座の四谷怪談だった。あれが大阪のお客さんに受け入れられ、大阪のお客さんに育ててもらえた。」と話してくれたのだそうです。「あ、あの時のお岩様だよー!!」とびっくり。しかもそんな気持ちで演じていたとは少しも知らなかった・・・
最初はさださんつながりで観始めた談春さんから私が勘三郎丈を好きになったきっかけのお役のエピソードが聞けるなんて、なんという不思議な縁なのかとつくづく思いました。談春さんとは前世でなにか深いご縁があったのかもしれません。
と思っておこう(笑)
冗談抜きで2日間フェスティバルホールを完売にできるすばらしい落語家さんです。機会があれば、ホールで彼の落語を楽しんでみてはいかがでしょうか。

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