4月13日(月)
朝,ホテルから会場までタクシーで26元。郊外のここまで来てもこの料金である。40元の入場券を買い,中へ入る。
まずは郵趣協会ブースへ。2階の会場へ行くと賞がついていた。日本からの出品は以下の通り。
伝統郵趣 長島さん オーストラリア・カンガルー LV
幡中さん 菊 G
郵便史 水村さん 19世紀ハンガリー消印 LS
正田さん ブラジル郵便史1810-1877 LG
テーマチック 大沼さん ベートーベン LV
文献 丹下さん 日専を読む「郵便史」 LS
大沼さん ベートーベンとその生涯 S
正田さん 1番切手列伝 S
日本からの出品が少なかったのに比べ,中国からの多量の出品物はGとLG多数。
昼食は入口から外に出て右側の美食街。マクドナルドがあったが1時間待ちとのことで断念。パンとコーラで飢えをしのぐ。韓国のコーヒーメーカーが2元。コインを入れて出てくる。食後に飲んで午後からの参観順を決める。
この洛陽展で郵便物を出すには一旦ゲートを出て,外の臨時郵便局まで行かないと出せない。ボランティアの大学生が私が案内して行きますというので出口から出て,郵便局へ。ここでも普通切手は数種類。最高額面は4.2元で5元や6元の切手はなかった。まだまだ中国では未使用の記念切手を集めるのが切手収集なのである。自分宛に書留便を差し出した。国内書留が4.2元なのである。4.2元切手も初めて見るので70枚ほど購入。全てシート半裁の状態。
午後の時間帯で珍品切手会場への行列が少なくなった頃を見計らって並ぶ。1時間30分ほどで見ることができた。毎日ものすごい行列なのである。イギリス王室コレクションを中心にした展示と中国郵政博物館秘蔵の珍品切手と切手の原画のコーナーと,著名収集家によるコートオブオーナーのコーナーに分かれていた。写真撮影禁止なので,入り口でパネルの写真を撮る。午後は金賞と大金賞の作品を中心に参観。文革期の赤い切手の中でも中国の観衆に人気なのは台湾白抜きの切手2種。携帯のカメラでこの珍品切手を撮ろうという人たちであふれている。この金賞作品には横型切手の現存5枚の1枚や縦型切手の唯一の銘版付田型が展示してあった。未発行の半裁された右側部分は現存2枚のうちの1枚だそうだ。
解放区の切手も多数。これらの切手を見ていて思ったのは,解放区切手とは坂東収容所切手と同じではないかということだった。比べると出来映えは坂東切手のほうがいいので坂東切手に失礼か。あと興味深かった作品は,賞こそVだが民家シリーズの作品だ。出品者は中国香港の方。伝統郵趣らしいアプローチでこの比較的新しい切手でVである。日本からも戦後の新昭和・産業図案・動植物切手作品をどしどし出すべきだと思った次第。文革期なんて動植物国宝の時代なのだ。それで金賞多数なのだから。コレクションの総金額もさほど違わないだろうと思う。
あとはイギリスからのペニーブラックの作品。珍品切手コーナーは数時間並んで見れるのはロイヤルコレクションのペニーブラック10枚貼りのカバー。こちらの作品には14枚貼りのカバーが展示してあり,最大ブロック貼カバーの説明もあった。かたや数時間待ち,こちらは参観者もいない状態。おかげでゆっくり鑑賞できた。ストリップ貼のカバー多数で驚くべき作品。幡中さんの菊は2007年のバンコク展以来だが,ぐっと密度を増した印象。前回は白い余白が目だったが,今回はきっちりした印象を与える。加刷切手は後に展示してあり非常にわかりやすい展示だった。この作品はけっこう参観者がいた。郵便史ではなんといっても正田さんのブラジル郵便史が堂々の大金賞。現存数点のマテリアルの書き込みもあり,丁寧に作られた印象。「全日本郵趣」あたりで数回にわたって解説付きで掲載してもらいたいものだ。
郵便史のところで写真を撮っていたら呼び止められて,こっちへ来いという。フラッシュ無しだったら撮っていいはずなのに,郵便史では写真撮影禁止だという。その表示がしてあるところまで連れて行かれこれを見ろと。なんといっても人民解放軍があちこちに経ち,定期的に数人で整列しての行列巡回をしているから非常に緊張した。しかし写真撮影禁止とフラッシュ禁止の違いはなんだろうか。
中国郵史研究会のブースでは入会案内もしてあったので,入会した。本部は香港で,年会費が大陸100元,海外30USDだそうだ。機関紙が送ってくるらしい。
終了時に郵趣協会ブースに行き,一緒に洛陽大酒店ホテルまで。福井さんも交えて夕食を。終了後タクシーで帰る。やっぱり14元。16688歩。
この夕食時教えていただいたのが,香港展の出品作品がHPに掲載されているということだ。こちらのほうは日本から20作品ほどが出品されるそうだ。
日本郵趣連合のリンクをたどって
FIAPのHPを見ると,日本からは福井さん「中国1878-1898」,林さん「富士鹿・風景」,飯田さん「菊」,伊藤「昭和」,西川さん「戦前記念」,須谷さん「産業図案」,大場さん「初期中国郵便史1745-1897」,井上さん「韓国郵便史1876-1910」,小宮山さん「初期国際航空郵便史」,西尾さん「神戸地区の郵便史1860〜」,内藤さん「日本と15年戦争」。以上が切手作品11作品で,以下10点が文献。福井さん「郵趣的観点からの満州と中国東北地区」,福井さん「郵便印ハンドブック2008」,内藤さん「香港漫郵記」,株式会社鳴美「日本の郵便葉書1873-1874」,株式会社鳴美「小判切手と外郵印,秋元コレクション」,株式会社鳴美「手彫切手1871-1876」,正田さん「1番切手列伝」,山崎さん「日本消印事典」,福井さん「日専Vol 1〜Vol 3」,株式会社鳴美「日本印紙カタログ」。人名と題名は私訳なので
リンク先を参照してもらいたい。これで私の作品もアクセプトされたのが確認できた。
場所も近いので時間が取れる方は参観を考えてみられたらいかがだろう。私は3泊4日39900円の観光ツアー(自由行動1日間)に申し込んでいるが,現在キャンセル待ちの状態。ダメだったら往復とホテル代でその倍ほどの予算になる。

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