2月11日。
ぺたぞうは高砂北集い交流館の和室の端っこから、動き回るスタッフに指示を出しておりました。
ぺたぞう:「ケロさん、その、右足のあるあたりのジョイントの一個向こう側のジョイントの横にある橋桁の3段目から右周りにカーブレールを。」
ケロさん:「ここ?ここ?」
ぺたぞう:「いや、反時計回りに3個いったところ。」
ケロさん:「こっち?」
ぺたぞう:「あ、ごめんなさい、ぺたぞうから見て右。ケロさんから見て左。」
バレンタインでんしゃ王国の設営中。
なんでこんなに回りくどい説明をぺたぞうがしているのかというと、今回はぺたぞうは座布団から一切立ち上がれない安楽イス探偵ならぬ座布団レイアウターだからです。
そしてその原因は…
ちびぺた:「ぷごっ。」
『今日はパパのおひざから絶対に降りないのです』という姿勢を一貫して崩さないちびぺたのため、ぺたぞうが立ち上がることが出来ないからなのでした(笑)
今回の設営にはたくぱぱさん、ケロさん、さわさん、ささにゃん氏、そして寅さん、トミプラ氏が参加。
六角形を基本にしたレイアウトを全員で作る、というコンセプトで、朝10時にスタートしました。
が、午前中の2時間は、そのモチーフ上でレールの敷けるポイントの探求。
六角形のレイアウトというのは、左右に45度に傾けた正方形を作成し、その頂点間を直線で結んだ形状を基本としたものです。
実は、存在証明レイアウトと基本的には同一。これを拡張したモチーフなのです。
プラレールのカーブは45度という制限上、正六角形はできません。今回も、対角線上に45度カーブが2つと90度カーブが1つ向かい合うというもので、90度カーブ同士の対角線が長辺となっています。
そして、ここが曲者なのですが、この対角線をたとえば楕円で結んだ場合、まったく同じライン上にレールを置いていくことになるのですが、右からのジョイントの位置と左からのジョイントの位置が絶対に重なりません。この辺は三角関数で計算してみるとすぐにわかると思います。
なので同じライン上に違う楕円を重ねるというなかなか難しいミッションとなるわけなのですが、さらに曲者なのが、このズレが、すこしレールが歪んでいるとまるで重なるように見えてしまうズレであるという点。
寅さん:「ここ、橋桁が重なるのおかしくないですか?」
ぺたぞう:「そう?お互い長辺を共有して、90度カーブの左右が4Sと2Sの六角形だから重なると思うけれど…」
寅さん:「形状は一致してますが、長辺が共有じゃない気がします。上側の六角形は右の正方形に準拠していますが、下側の六角形は左の正方形に準拠しているのでは…。」
ぺたぞう:「んー、このカーブとこのカーブは3S分長辺方向に平行移動で、ここから2S分45度方向に平行移動で…それでこっちのカーブはここからでていて…。あ、ホントだ、これは重ならないのが正しい。すこし歪んで重なるように見えてるだけだ。」
寅さん:「ですよね。」
ささにゃんさん:「二人とも、日本語でしゃべって。」
ちびぺた:「ぷごっ」
まるで数学の試験のような緊張した時間が続きます。
そして午前中で、可能なルートの探索は終了し、午後は実際の設置です。
ぺたぞう:「直線4本分の駅を置きたい。でも置けるところが長辺しかなくて、駅を置いた上にはもうレールは置けない。でも長辺は橋を掛けたい。さあ、この課題をクリアしてください。」
もちろん、実際の設置になっても妥協は許されません。
ぺたぞう:「Y字で駅ルートと橋ルートを分けるとか…」
たくぱぱさん:「でも内側に入りすぎると駅の使い勝手が…」
寅さん:「高架駅のプレートを2連で設置したらどうでしょう」
みんなで頭をつき会わせて難問に答えを出す、楽しい時間が続きます。
ぺたぞう:「ちびぺた、ちょっと一旦降りて…」
ちびぺた:「ぷごーっ!!(激怒)」
ぺたぞう:「ああ…すみません…」
たくぱぱさん:「ぷごちゃんと座っててください、作業はわれわれがしますから。」
ぺたぞう:「ああ…すみません…」
他にも、プラロード大鉄橋を連続で入れるために坂の位置をずらしたり、往復プラレールを隙間隙間に設置したり、全体を周回するグランドガイナーの線路をまたぐ基地的なボリュームがあるモチーフを設置したり。

寅さんがみずから修理を申し出たぺたぞうの往復プラレール軍団も集合。
そして夜7時までかけて、今回の六角形モチーフの巨大レイアウトが完成したのでした。
当日編に続く。

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