千葉みなとプラレール撤収の夜、ぺたぞうは古おもちゃ屋で買って来た橋げたを出してきて、居間で広げはじめました。
まだぺたぞうの部屋は片付けがおわっていないのです。
ぺたぞう:「理論上はうまく行くはずだ。」
るきさん:「ねえねえ、いとこの結婚式でもらったチーズケーキ食べようよ」
ぺたぞう:「この技が完成すれば、これまでの問題が一気に解決する。」
るきさん:「たべちゃうよ。チーズケーキ。」
ぺたぞう:「そして完成のあかつきには一畳プラレールにあらたな地平が…」
るきさん:「チョコホイップ…」
ぺたぞう:「えっ!?まってまって、チーズケーキとチョコホイップで何する気なの!?」
というわけで、ぺたぞうは台所に駆けていきました。
作っていたのはこんなループ。
当然ですが、上下をせずに、くるっとまわって帰ってくると、元の線路にぶつかってしまいます。
あまりに当たり前なのですが、ぺたぞう曰く、実は一畳プラレールでは、この現象はひとつの階におけるレイアウトの自由度と密度の増加を著しく制限している重要な現象なのです。
これを「もどってくるとぶつかっちゃう現象」、略して「MB現象」とぺたぞうは呼んでいます。
このMB現象があるために、一畳プラレールでは、ひとつの階では、一度途中でカーブする=ループを作ると、その時点で他の階に移動することになります。
その結果、本当はできるだけその階でくねくねさせたいのに、一回ループを作るだけでその階が終わりになってしまい、同じ階で複雑にすることができないのです。
ぺたぞうはこのMB現象がある限り、一畳プラレールの更なる進化は無いと思っていました。そして、この現象を打破する策を思いついたのです。
…こんだけ引っ張ると、どれだけすごいことかと思うかもしれませんが…。
これだけです(笑)
ループから帰ってきたとき、複線ポイントで複線分、横にずらせば、同じ階でレールをつなぎ続けることができるのです!
これを、「戻ってきたところで複線化作戦」、略して「MH作戦」とぺたぞうは名づけました。
このMH作戦を使って、新しいおうちで始めての、プラレールレイアウト作りに挑みます!
るきさん:「チョコホイップは、明日の朝のパンです。」
ぺたぞう:「びっくりしたよ、MH作戦がふっとんじゃうぐらいびっくりしたよ。」

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