こちらのブログ、更新しないまま
月日が経っております・・・
五十肩、三ヶ月めがピークですね。
今は日常生活は、ほぼ問題ありませんが
寒くなってからじんわり痛いのはありますし
腕はまっすぐ天井には向きません。
カイロプラクティックの先生いわく、原因もよくわからないが
1年くらいでふと気づくと手が上がるようになってるという
ようなものらしいです。
痛さで眠れない、辛くてたまらないというのは
最初の三ヶ月。もし、五十肩になっても
そこを越えればかなり楽になると思います。
さて、今年2本目の映画は「おみおくりの作法」
ミニシアター、満員御礼でございます。
原題は「Still Life」
静謐な人生、的な意味でしょうか。
主人公ジョン・メイ(ジェーン・ドゥみたいだな)は
ロンドンのケニントン地区の民生員。
仕事は孤独死した人の葬儀を執り行うこと。
行政的には、残された品物を遺品回収業者に
もって行かせて、身寄りがないかチェックして
火葬して共同墓地に遺灰をまけば終わりの仕事。
ところが、ジョンは故人の人生をたどり
好きだったであろう曲を葬儀用に選曲し
弔辞まで(残された写真の中の故人からその人生を推測して創作)
作って、と、いたれりつくせりの仕事ぶりをみせる。
上司としては、こういう個人的こだわりを発揮する
あまり、効率が悪い部下は困り者でしょうね。
なので、当然のように解雇を通告されるのですが
最後の仕事を完璧にやりとげる過程で、ジョンの
死者に向きあう人生が、生者に向かいはじめます。
ねたばれするので、このへんで。
この映画、地味です。
主人公を演じるエディ・マッサンも
地味を絵に描いたようなお顔です。
死を扱う仕事をする人が笑顔キラキラでは
そぐわないような気もします。
淡々と進むジョンの日常には仕事以外の
要素がないのが哀しいです。
こういう人いると思います。
自分自身に向き合うのを避けて
仕事やなにかに没頭して、あるいは逃げて過ごす。
時間をすべて仕事で埋めておくことで
プライベートに立ち返る時間を無くす。
とはいえ、ジョンは自分の仕事にはやりがいを
感じてやっているのですよね。
ちょっとせつないラストも、死を思うことで
生に立ち返ることができる、と気づかされるし
最後の映像は涙でかすみつつもとてもファンタジックです。
誰もがやがてこの世からいなくなる。
このアンフェアだらけの世の中で、それだけは平等。
宇宙のものさしから見たら、一瞬のまたたきにも
満たないような私達の一生。
そのなかで、たまさか出会う人たちと
交わす悲喜こもごもを慈しみながら
星に帰る日まで、生を味わいつくすこと。
それだけが、生まれてきたミッションなのではないかな〜と。
ジョン・メイのように
現世的には報われなかったように見えても
見えない世界では「誠実な仕事」は報われる。
そう信じたくなる映画でした。

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