教程の二日目、登山技術を習得する為の山行だというのに、呑み過ぎて身体がなかなか目覚めない。飯を食べるのも、撤収作業もノロノロとしてしまって、メンバーとしての役にはたたない。
でも歩いてみたらどうだ?身体が目覚めていないのは私だけではなかったようだ。私は歩くうちにどんどん調子が良くなってきて、その反対に調子が悪くなってくるメンバーがでる。
旧噴に近づくと化物岩を巻いてD尾根に上がろうとしているパーティや、化物岩に取り付こうとしている登攀目的のパーティ、ニセ仙法志に向かうパーティ、はたまた先日の我々が使った斜面で訓練をしているパーティなど、さすがに氷雪訓練のメッカだけはある。
さてさて我々は何処を登ったらいいのだろうか? 都合で教程対象者が帰ってしまった事もありルートの選定は少々迷う。
「夏道からD尾根にするか?」
「いつもの下降尾根を登るか?」
迷ったけれど、下降尾根を登る事にした。薄っすらしか雪の付いていない下降尾根だけれど、上部はもう少し雪があって凍っているんじゃないか?
ガレガレの取り付きではC労山パーティが先行している。教程なのかスローペースだ。我々のパーティも元気いっぱいではないものの、先行パーティを追い越して、ミッキーマウスの脇を登る。
上からは、大きな荷物を背負った3人パーティが降りようとしているが、降り口からなかなか降りてこない。「雪の状況が良くないのか?」
下降尾根はどんどん急になっていき難しい斜面となり、自然とパーティは2つのグループに分かれてしまった。
「怖くって登れないのか?」
ザレた斜面は凍ってはおらず、アイゼンが効かない。
3人が先に上がり、補助ロープで後続を確保する準備をする。ハイマツを掘り出し支点を作り、10mロープを3本繋いで確保する。ここでもうヘトヘトになっているメンバーもいるし、これからピークを目指しても体力的にも時間的にも途中で折り返すことになるのだろう?
私達はここからD尾根を下り、化物岩を巻いて下山することにした。旧墳に向かう途中で化物岩の右を回りこむように登っているパーティを確認しているので、ラッセルが使えるだろうとの考えでだ!
しかし何処まで歩いてもD尾根上にはトレースが現れない。「引き返したのか?」
この季節、まだまだ雪が少なくハイマツのうるさいラッセルになってしまうのだ。私が先頭でラッセルするも、後続はどんどん離れていき雪とハイマツとの格闘をしている。
「まだか?」地形図をながめ下降点を探すが、限りなく夏道のそばまで行かなければならないようだ!
「腹へった!」「休憩しよう!」
「いまにC労山パーティが追い越して、ラッセルを替わってくれるだろう」
休憩中、ささやかな希望を持っていた後続パーティはいつまでたっても現われない。「しかたがない、また私がラッセルだ!」歩き出してcnt.1530mあたりでやっとトレース発見! ただこのトレースはスキーのトレースだった。ツボ脚の私たちはズボズボと埋まりながら旧墳に向かうのだった。
帰りは旧噴から、スキーでシュ〜っと!
***山を降りて***
二日間、カミホロで過ごす事によって、なまった身体に冬山のスイッチを入れることが出来た感じがする。いつもシーズン初めは寒さが身にしみるのだ。
でも今回悲鳴をあげたのは「デジカメ」でした。沈胴式のレンズが出たまんま凍ってしまって動かない。少なくても私の身体はデジカメよりは寒さに対応できたみたいです。
さてさて今シーズンはどんな山が待っているかな?
***一緒に登った仲間***
・リーダー:ibataさん
・メンバー:御K姉さん、M永おじさん、orizaさん、ibata夫人、marbo
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