一年前、私はR168と五新線のレポートの
番外編で、旧
龍神村を駆けている途中このような一文を述べた。
>十津川へ抜けるなら、先ほどのR371分岐の先にあるr735を使お…r198経由でR311を使いましょう。
そして先日、和歌山県龍神村(現・田辺市)〜奈良県十津川村を実際にr735を走行して両区間を連絡した。
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地図で見られるように、旧龍神村と十津川村は県境を挟んで隣接していることが分かる。両村は二つの道でつながっており、一つは
R425、もう一つは
r735である。両者とも林道を前身とし、前者は全国的にも有名
[要出典]な所謂
酷道であり、同路線の真髄とも言える超ハイレベルな酷い区間がまさにこのエリアである。一方後者も同様に酷い道(県道ならぬ
険道)であると言われるが、前者よりは幾分かマシであるらしい。
今回はメジャー物件である前者よりも、比較的マイナーである後者・r735についてのレポートである。
※今更ですが
Rは国道、
rは都道府県道を指します。
某日。和歌山県紀の川市よりR424を延々と南下し、旧龍神村に入るとR425に替わり、龍神村西集落へ。R371との合流点であり、道なりに直進すれば龍スカへ続く。この丁字路がr735の起点である。丁字路を右折し日高川にかかる上山路橋を渡る。

上山路橋を渡った直後 道路情報の注意書きはr735のもの
最初はR371と重複するため、青看にはr735の文字は無い。しかしながら黄色い道路情報の看板を見れば、この道がr735でもあることが判る。
R371との重複区間は長続きせず、龍神村東集落にてすぐにR371が丁字路で右へ分岐し丹生ノ川を渡ってゆく。

単独区間となったr735
この辺りは所々に民家も見られ、道幅は1.5〜2.0車線あり対向車が比較的多いが対向にさほど差し支えない。
先ほど分岐したR371が朝瀬橋を介してこちらへ合流する。地形図を見ると、この朝瀬橋の手前までが国道に指定されているが、橋からこちら側は指定されておらず、この先もr735単独のようである。
道路状況はさほど変化のないまま、龍神村殿原で二度目のR371分岐を迎える。

R371分岐(二回目) 橋を渡るのがR371
橋の銘板を見れば、平成5年3月竣工とあり、約20年前に掛けられたことが判るがこの先は行き止まりである。これは「龍神四バイパス」と呼ばれていた建設途中の道であり、2014年の今なお全通はしていない。もし開通すれば旧中辺路町(同じく現在は田辺市)まで行くことが出来るが、そもそも全通する見込みはあるのだろうか。
二度目のR371分岐から間もなくして、次の分岐点に辿りつく。

直進すると谷口集落 r735は左折してトンネルへ
色々な酷道サイトさんで見かける、有名な?分岐点である。直進しても山中の集落で行き止まり…ではなく、その集落から分岐する林道(さいの谷林道)を経由して、前述のR371龍神四バイパスの反対側端点近くへ短絡できるそうだ。上の写真を撮っていると後続車が私を抜いて行ったが、r735へ左折することなく直進した。前述の林道を経由して中辺路方面へ向かったか?

振り返ってみる 対岸に龍神四バイパスの残骸が見える
狭いが短いトンネルを抜けると交通量は激減し、また路面の状態も落石が見られるなど、悪化する一方である。道幅は1.0〜1.5車線と対向箇所に気を使う。
ふと路上にこぶし大の落石を発見し、これをタイヤで踏みつける気にはならないので、一旦下車し人力で撤去していると、後ろから一見場違いな大型トラックがこちらへ迫ってくる。石を撤去し慌てて車を走らせる。初めて通る道であり、路面の状態も悪いのでスピードは出ないが、トラックがじわりじわりと詰めてくる。これは追跡者に追われるゲームか何かか? 少々広くなっている所で進路を譲る。慣れない道で背後にピタリと付けられるのは精神衛生上あまりよろしくない。

およそ1.5車線程度の道が続く
追跡車を先行させ、自分のペースでしばらく走ると、またも分岐が現れた。

本線は左 右は丹生ヤマセミの郷へ
右へ入れば先ほど谷口集落への分岐点でチラリと写っていた「ヤマセミ温泉」へと至るようだ。このへんでひとっ風呂でも…と手元のガイドブックを開けてみれば、生憎現在時刻は営業時間外であった。

道路状態はさらにヤバイ方向へ
幅員はさらに狭く1.0〜1.2車線程度となり、対向車こそ無かったものの、落石も増え運転しにくい道が続く。ガードレールの無い箇所も多いが、並走する丹生ノ川の水面からはさほど高くはなく、万一転落してもクリティカルになることは無さそうだが、助けが来るかどうかは疑問である。時折民家のような建物もあるが、定住者は居るのだろうか。

県境を越える
何の変哲もない所で
県境を迎える。ここまでは狭路でこそあれど、ほぼ平坦であり、この看板が無ければ誰もここが県境であることなど気づくことは無いだろう。奈良県十津川村に入り、すぐに上湯川の河俣集落となるが、村の拠点へは難所(後述)を越える必要があり、ここが何故龍神村側でないのか、疑問に思わざるを得ない。
ほぼ無人?の河俣集落を過ぎると、平坦だった道はいつしか登りとなる。
(つづく)