最近ちょっとアレなので、気晴らしに所員を連れて(?)ドライブに出かけてみた。
昨日のお話。
大阪某所より阪高〜(中略)〜を経て姫路へ。姫路にて所用を済ませ帰路につくが、そのまま往復しただけでは面白くも何ともない。前の晩、ふと地図を眺めていると、とある国道が目に留った。折角なので、ちょいと走ってみよう。
姫路よりR29〜兵庫r6(Rは国道、rは都道府県道ね)で宍粟市一宮町三方町。ここからR429に入る。
R429とは、岡山県倉敷市を起点とし、津山市を経て、何度も山越えをしながら京都府福知山市を結ぶ国道である。岡山県内は大方整備が進んでいるが、兵庫県から東はかなり後になって国道指定されたため、難所が多数残っているという。
R429に入る前に、近隣の一宮温泉「まほろばの湯」でひとっ風呂浴びる。よくある温浴施設だが清潔感が漂っており、時間帯のせいか客数は少なくのんびりと湯に浸かっていられる。
温泉でリラックスしたのち、いざR429へ。端から完走するつもりは無かったし、何しろ来月一杯まではここより西にある高野峠が通行止めになっている。今回はこれより福知山を目指す。
「酷道」なる言葉がある。国が管理している(はず)にも関わらず、急勾配急カーブ狭路・・・と国道としては相応しくないような悪路を示す。このR429も、兵庫県以東は酷道であるらしい。
一宮町三方町からしばらくはr6との重複区間。1.5〜2.0車線で、時折対向車とすれ違うが、対向困難であるわけではない。r6と分かれるとセンターラインつき2車線となり、上り勾配で山を登っていくが、勾配はきついものの、対して酷である訳ではない。しばらく走ると笠杉トンネルで峠を越え朝来市に入る。抜けた先も2車線路が続く。酷道とは聞いていたが、なんだ、大したことないやん。
朝来市側は急カーブのワインディングで下っていく。しっかりと整備された道だが、対向車はほとんどいない。
勾配を下りきると、左手に何やら巨大な階段らしき構造物が見えてくる。

神子畑選鉱所だ。これより北西にあった明延鉱山の鉱石を選別する施設だ。施設は撤去され、現在はコンクリ製の基礎部分やケーブルカーの線路跡などが残る。ここと明延鉱山とは「一円電車」なる、鉱石輸送の列車が走っていたそうだ。

坑口の跡か? コンクリブロックでフタがされている
現在は観光地として駐車場などが整備されているが、私以外に人影は見えなかった。それよりも辺り一帯が鹿?の糞だらけで困った。
再びR429を走る。一部1.5車線程度の狭路があったが、概ねR312合流地点まではセンターラインのある2車線路であった。神子畑選鉱所跡の他にも、これの付帯設備?として遺構が残されている。

神子畑鋳鉄橋。鉱石運送道路の橋として建設された、珍しい鋳鉄製の橋である。

鉱業とは関係のない現国道の橋。知る人ぞ知る、この橋のモニュメント。一円電車がデザインされていたり、おにぎりマークがフルスペックだったり、そのプレートに書かれている町名が両方とも消滅していたり・・・。
この他、道路脇にコンクリブロックで塞がれた古びたトンネルを発見した。一瞬の事だったためカメラを取り出す間もなく通過してしまった。大きさ的に道路用では無さそうで、大昔に廃止となった選鉱所から生野までを結んでいた鉱石列車の下部軌道のトンネルであったと推測。実際は・・・?
R312合流地点からは進路を南に変える。朝来市生野町でR312と分かれ、再度R429単独となる。生野銀山のすぐ近くをかすめ、生野ダムによって堰きとめられて出来た銀山湖の湖畔を走る。このあたりは1.5車線路とやや狭くなり、またカーブも多くなる。生野の街中では車の数は多かったが、湖畔ですれ違った車はたった一台のみ。
銀山湖から分かれ、市川に沿って山奥をうねうねくねくね。こんな場所にもバス停が立っている。黒川本村集落への道が分岐する辺りで2車線となる。ここで一旦寄り道し、「黒川温泉」に立ち寄ってみる。無論、熊本県にあるメジャーな方ではない。
ここから先はしばらくセンターラインのある2車線路が続く。このまま峠を越えるのか・・・と思いきや、峠直前でその時が来た。
えっ、何これは(ドン引き) すぐ奥が「青垣峠」
難所「青垣峠」だ。朝来市側は比較的平坦であった。峠手前100mより、道幅が急激に狭くなる。手前の随所で見られた「大型車通行困難」標識の区間の始まりである。

青垣峠 展望はほとんど無い
実はこの峠のサミットを越えようとした途端、前方から対向車が現れたのだった。地元ナンバーのレクサス。狭路では譲ったモンが勝ち!なので、すぐさま私が100mほどバックし離合した。どうやら峠の向こうがどんな酷さなのかは不明だが3ナンバーの車が通れるレベルのようだ。ちなみにこちらも3ナンバーの車だ。
峠を越えると杉林の中の急勾配狭路となる。完全1.0車線幅で離合は不可能だが、待避所が点在するので、離合に困ることは少ない(ことはない!)。急カーブが無いのが幸い。
あのさぁ・・・(呆れ顔) これでも国道だから困るw ちなみにこの写真、待避所に車を停めて撮影したのだが、このときちょうど対向車が走って行った 何というファインプレー(?)
対向車のドライバーは怪訝な顔をして、ひとりカメラを持つ私を見ていた
鬱蒼とした杉林を抜け、視界が開けてくるとR427との合流点である。ここからしばらくはR427との重複区間である。完全なる2車線路で、「ここは高速道路か!」と思ってしまうほど峠の道は酷かったわけだ。
一旦国道から離れ、旧青垣町(丹波市青垣町)の中心部にある道の駅で小休止。近くのコンビニで物資を調達したのち再度R429の旅が始まる。
余談だが、このコンビニで、前々回のネタであったオマケつきの十六茶を発見した。ざっと見た感じ、五種類全てが残っていた模様。まさか発売後二週間経つのに見かけるとは思ってもみなかった。数日で全数捌いたのは都会のみ?
R427と分岐し、単独になってもしばらくは2車線路。前方にR483「北近畿豊岡自動車道」の高架を眺めながら走っていると、1.0車線のへろへろな道と分岐する。これがR429で、この後に最大の難所「榎峠」が待っている。これを越えると京都府福知山市だが、同じ区間を地元の人は整備されたr109を走るそうだ。県道以下の酷道を走る者なんて迷い込んだドライバーか一部の
変態マニアのみだろう。私は(以下略
かの有名な三方を国道に囲まれた民家を過ぎ、完全1.0車線のまま、峠を目指す。舗装こそされているが路面は悪く、ガードレール?なにそれ美味しいの?状態で勾配を登る。何箇所かヘアピンカーブがあったので、大型車はまず通行不可能。青垣峠とは違い、待避所が無いので対向車が来ないことを祈りながらゆっくり進む。
運転に必死なため既に暗すぎて撮影不能です! 悪しからず
しかし運悪く、峠直前で中型トラックに出くわした。何でこんなとこ走っとるんや?と相手ドライバーも思っているだろう。何とか離合はしたものの、あのトラックは無事に下山出来たのだろうか、気がかりではある。
榎峠を越え、京都府側に入る。こちらも悪路には変わりないが、最近舗装されたらしく、路面はまだマシである。こちら側の酷な区間はさほど長くなく、しばらくするとセンターラインのある2車線路となる。
この先は福知山市のR9との合流点である新庄交差点まではごく普通の2車線ローカル国道であった。
その後、福知山ICから舞鶴若狭道〜中国道で帰宅。
だらだらと長文になってしまったが、酷道429の走行レポートは以上である。高野峠以西は未走行だが、これは後日ということで。
あっそうそう、
ちなみに今回が私の
酷道デビューでした(笑