新年最初の乗り鉄レポです。
先日、福島は会津若松と新潟県中越地方の小出を結ぶローカル線、只見線に乗ってみました。今回はその只見線についてです。
早朝、滞泊先の米沢@山形県より福島、郡山を経て正午過ぎあたりに会津若松に到着。ちょうど「コ」の字を描くようなルートだったが、米沢〜喜多方のR121に並行し、廃道マニアなら誰もが知っている(?)「大峠」を越える鉄道路線が存在しないので仕方ない。
只見線は日本有数のローカル線の一つであり、以前レポートした岩泉線や三江線と同じく、全通する列車は一日たったの三往復。そのうち、若松を13:08に発車する、本日二本目の小出行き427Dに乗車する。全長135.2キロ、所要時間はざっと約四時間半。駅近くのスーパーにて物資調達をし、駅にて列車の入線を待つ。
この日は朝から酷い雪だったそうで、本来なら10:38に若松に着いているはずの小出発初発の426Dがまだ到着していない、とのこと。こちらも発車時刻が遅れかねない。只見線だけにタダでは見せてくれないのか。12:50ごろになってようやく若松に到着し、一度引き上げ転線ののち、これから乗る427Dとして、しんしんと雪の降るホームへと入って来た。白をベースに濃紺二色のグリーンが塗られた、郡山所属のキハ40の二両である。

@会津若松 左は磐越西線のキハ110
18きっぷのシーズンになると、ファンを中心に発車一時間前からボックスシートをお目当てにした列ができる、という噂を耳にしたが、この日は平日なのか、発車二十分前でもホーム(寒いので跨線橋で待機していたが)には、思ったより早めに物資調達の終わった私一人しかいなかった。
若松発車時点では、各ボックスに一、二人程度の乗車率。西若松から帰宅する高校生らで立ち客も出るが、会津坂下で多数下車すると、車内は若松発車時のように閑散とする。このあたりから、窓の両側より山が迫り、只見川に沿って走るようになる。なお、只見川を何度も渡ることになるので、進行方向どちらの席がオススメかは、敢えて私の口からは言わないでおく。
途中の会津宮下では除雪用のモーターカーとすれ違う。

その機動性ゆえ、国鉄時代からの除雪機関車を駆逐しているためか、ファンにはいまいちウケが悪いそうだ。実際、モーターカーは何度か目にしたが、除雪機関車は一両も見なかった。それよりも、沿線はこんなモノが必要になるぐらいの豪雪地帯なのだ。普段、雪とは無縁の地で暮らす私には、そのほうが驚愕であったりする。
いつしか雪は降りやみ、写真のように青空が広がった。この状態なら、難なく小出まで乗り通せそうだ。
途中駅は交換設備のない停留所ばかりで、数少ない交換可能な駅では、その列車本数にも関わらず、頻繁に上下の列車交換が行われる。そのため交換待ちで長ければ十数分停車するのだが、その待ち時間はいずれの駅でもファンや旅行者などによる撮影会と化す。

@会津川口 これから次第に天候は悪化してゆく・・・

同じく@会津川口
会津川口からは一日三往復のエリアとなる。よほど当初から需要が見込めないのか、この先の「停留所」はホームが一両分しかなく、先頭車のみドア扱いする。通常のワンマンカーなら二両編成でも無人駅では一両目しかドアが開かないので問題ないが、ここ只見線は全列車が車掌の乗ったツーマンである。需要自体はワンマンでも問題なさそうだが、途中で無線の届かない山深くを走るので、ワンマンでは都合が悪いらしい。また、西若松〜只見では今なおタブレットによる閉塞が現役だ。それゆえ、交換設備のある駅は利用者数を問わず全て有人駅となっている。
若松から三時間。只見駅で近くに座ったバアサマが降り、車内はほぼ100%同業者となる。これから六十里越で福島・新潟の県境を越える。冬季は全列車が通過となる田子倉駅があるが、一瞬のことで分からず終いだった。
県境を長いトンネルで抜け、新潟県入りする。沿線はほぼ全区間においてR252と並行するが、県境の区間は大雪で冬季通行止めとなる。道路ですら放置される区間を、只見線は毎日運行されている。

@大白川 新潟県最初の駅 最後の「撮影会」でもある
新潟県に入り、途中駅で高校生を数人乗せ、17:40過ぎ、ほぼ定刻で終点の小出に到着した。
私はこの後、上越国境を越え東京方面から来る友人と上越線の車内で落ち合い、かのご当地B級グルメ「イタリアン」を食すべく、新潟へと向かった。
★とりあえず簡易まとめ
・物資調達は始発駅(会津若松)で済ますこと。途中駅での調達はほぼ不可能と思って良い。若松は駅のコンビニの他、徒歩数分の距離にスーパーがある。一方の小出駅近辺は未調査。
・車種はキハ40またはキハ48。いずれもセミクロスシートだが、オールロング車も数両ありランダムで回ってくるので注意されたし。
・その厳しい自然環境ゆえ、冬期は大幅な遅延または運休も発生。スケジュールには余裕を持つべし。
以上。
やっぱり長くなったので、次回からこのシリーズは車両センターでやろうかなぁ?