※都合、一ヶ月のご無沙汰です。
例によって例のごとく、今年も10/14の「鉄道の日」を記念して、JR各社より「鉄道の日記念・乗り放題きっぷ」が発売された。JR全線の普通列車が乗り放題となる、言わば青春18きっぷの秋バージョンである。使用方法も18きっぷに準拠し、急行や特急は乗車不可だ。
利用期間は10月の初旬〜15日前後(毎年変わる)、販売価格は三回分セットで¥9,180と、18きっぷに比べればやや割高ではある。
夏に行った東北&第二次お江戸ツアー
(近々ネタ投下します・・・)では、東北地方を時計回りに周遊したが、途中にてトラブルが発生し、ツアーのお品書きの一つでもあった、会津は喜多方ラーメンを逃す者がいた。
さて、今回の三連休を利用し計画したツアーは、その残念にもラーメンを逃した者への救済措置である。
つまり、今回の目的地は喜多方である。
★初日(10/6)
この日は単純に上京するだけである。夏は名古屋から中央本線経由だったので、今回は東海道経由とした。
午前八時。大阪駅にて、今回の連れであるI氏(以下、敬称略)を拾い、上京を開始する。
毎年この時期は雨天が多いので、今回は珍しく途中下車し小一時間ぶらつくような行程は組んでおらず、淡々と列車を乗り継いでゆく。それでも昼食のために、豊橋の先・新所原駅で一旦列車を捨てる。この駅は天竜浜名湖鉄道との接続駅だが、同鉄道の駅舎内には鰻丼屋があり、本場の鰻丼を味わってみた。グレードによって、値段も四種類に分かれている。最安価のものでも¥1,050也。ぎょっとしたIは躊躇ったが、店で食ったらこんなモンだろう・・・と宥めてやる。出発前、彼は自宅にて朝っぱらから鰻を食ったそうだが、スーパーの安物だったらしく、ここの鰻とは全然味が違う!と言う。
美味い鰻丼で腹いっぱいになった一行(たった二人ですが、)は、さらに東へ進む。静岡県内の東海道本線のローカル列車は、今や九割以上がロングシート車。それも大多数が三両程度の短編成で、日中も立ち客が多い。それゆえ私はここ最近、上京に中央本線を使う機会が増えている。
東日本エリアの玄関口である熱海で、ちょっと伊東線へ寄り道してみる。向かう先は熱海から四つ目の宇佐美駅。先日、ネットでとある一軒の古風な風呂屋がヒットした。熱海でも伊東でもない、怖いもの見たさ?に、一旦下車してみる。
駅から徒歩一分だそうだが、不覚にも道に迷ってしまう。地元の方に尋ね、解決。
よくありがちな古めかしい建物だが、外見では風呂屋とは判断がつきにくい。入浴料は¥350とそこそこ。やや広めの湯船からは湯が絶え間なく溢れ出ている。勿論、温泉だ。加熱・加水は行われていないらしい。無論、塩素臭は皆無だ。いい湯だ。
「宇佐美温泉 宇佐美ヘルスセンター」という名前だそうだが、単なる温泉浴場である。
駅に戻り、東京行きの列車に飛び乗る。道に迷ったあおりを受け、風呂屋からダッシュしたため汗がしばらく引かなかった。
二時間ほど列車に揺られ、東京着。さらに乗り換え、二つ先の秋葉原で下車。
夏のツアーの際、参加メンバーほぼ全員がツボったという、ナントカ喫茶がある。今回もそこへ訪問しようって訳だ。「アキバ散策」はせず、ピンポイントの訪問である。閉店までギリギリの時刻で入店する。
あいにく、前回メンバーが釘付けとなった娘は、本日は店に出ていない模様・・・。閉店間際のため店内はガラガラ。
一つ、私の目を引くメニューがあった。「一級河川淀川」なるドリンクなのだが、男は度胸、何でも試してみるのさ・・・と言わんばかりに注文してみる。淀川は私の地元を流れている。こんな五百キロも離れたこの地で、その二文字を目にするとは予想外である。
リアルで川の水だったらどうしよう・・・と、Iとニヤニヤしながら待つ。出された飲み物は、確かにグリーンの色をしている。淀川ってこんな色をしていたな・・・。味は多少の酸味と甘みがあるが、それが何なのか判断がつかない。
結局「最後の客」となり、店を後にする。
秋葉原から中央緩行線で新宿へと移動する。今夜はおなじみの夜行快速「ムーンライトえちご」で一夜を過ごす。三連休初日のためか、本日は満席である由。夏は往路・復路ともに乗車したが、実に空席が多かったので意外である。
★二日目(10/7)
早朝4:51定刻に終点の新潟着。初発の長岡行きに乗り、新津へバック。新津からは磐越西線に乗車する。同じく初発の会津若松行きは、キハ40+47の二両編成。そのうち40はオールロングシートに改造されているため、乗客(多分ほとんどが同業者)ほぼ全員が47のボックスシートに着席。40の側は数人が所謂C寝台をしており、何故だか非常にシュールな光景だ。

磐越西線のディーゼルカー @津川
たっぷり二時間以上をかけ、喜多方に着いたのは午前八時半。とりあえず朝食に・・・と、早朝より開いている食堂で、お目当てのラーメンを一杯食してみる。醤油味のスープに、太目の縮れ面。意外と冷え込んでいる喜多方の朝だけあって、寒い体が温まる。
さて、お目当てのお店は十時開店とのことで、しばし喜多方の町を散歩してみることにした。蔵の町と言われるように、確かにあちこちで蔵のような建物を見かけるのだが、朝早いせいか、人の数より蔵の数が多いような気が・・・(笑 中には内部を見学させてもらえる蔵もある。
小一時間歩き回り、件の店へと立ち入ってみる。店によって「ラーメン」だったり「支那そば」「中華そば」だったりと表記が変わっており面白い。こちらもベーシックな醤油味のラーメンであり、実質「お代わり」だったとI。さすがに三杯目は無理と見たので、駅に戻る。
喜多方から会津若松を経て、郡山まで抜けてみる。昨日に引き続き予想に反して天候は晴れ、車窓からも会津磐梯山が窺える。
郡山から東北本線に乗り換え、南下すること三十分、白河で下車する。
駅前周辺では、偶々にも「白河ラーメンフェスティバル」なる催し物が開かれていた。日本全国からラーメン屋が集い(六店ほどだが・・・)、その味を振舞うというお祭り。ただ、我々一行が白河に着く頃には殆どの出店で売切れ、残るは地元店の出店だけ・・・という具合。お口直しに他地方のラーメンを食したかったのだが、こいつは残念だ。
ラーメンは無くともお祭りは続いているので、辺りは大勢の人でカオス化している。これではアレなので、一度駅の裏側へと抜けてみる。ここ白河には「白河ラーメン」なる、ご当地ラーメンの一つがある。元々はそれ目的に下車したのだ。
駅裏の小峰城周辺は閑散としていた。駅を挟むだけで、あの喧騒が嘘のようだ。
とりあえず、城近くのラーメン屋に入ってみる。こちらも喜多方と同じ醤油ベースだが、また一味違っている。ラーメンを啜っていると、店主夫妻からフェスティバル云々の話なども聞くことが出来た。
城山公園にてしばし休憩ののち、黒磯行きの列車で白河を去る。ロングシートな701系の二両編成で、混雑が激しい。黒磯到着後、わっと堰を切ったように乗り換え客が走り出す。そんなに急がなくても・・・。
上野行きの快速列車だが、途中の宇都宮でまたも下車。ラーメンばかりでは流石に食傷気味、折角なので、宇都宮名物の餃子を食してみる。出歩かなくても駅ビル内にも店はある。夕食の時刻なので、小さな店舗は混雑している。あっさりとしながらもジューシーな餃子で一杯やってみた。
その後、宇都宮線に乗り、武蔵野線経由で中央線某駅近くに住むK宅へと向かう。駅でKが待っているはずだったが、どうやら我々のほうが珍しく先の到着となったようだ。
この晩は彼の家にて結果的にオールとなってしまった。酔いつぶれて全員が眠ったのは、おそらく午前五時過ぎだったかと思う。
★三日目(10/8)
夢うつつの状態で時計を見てみれば・・・昼前ではないか! これからIと私は関西へ戻らねばならぬ。八時ごろに起きる予定だったのだが、全員が寝過ごしてしまった。あわてて用意に取り掛かるものの、大阪在住のIなら何とか間に合いそうだが、大阪を離れている私はこの時間だと遅すぎる。協議した挙句、本日中に帰宅せねばならないIを単独で帰すこととなった。ああ申し訳ない。乗り継ぎなどの指令をこちらが出すという条件ではある。
残る私はもう一晩K宅で・・・は流石に彼に悪いので、とりあえず今夜発の夜行列車で戻る行程を組んでみた。幸いきっぷはあと一日分残っており、明日に回すことも出来る。
さて、東京発の夜行列車なら言わずと知れた「MLながら」があるが、三連休がらみでおそらく指定席は完売だろう。それなら・・・と窓口でマルスを叩いてもらう。往路に使った「MLえちご」を使ってみよう。
MLえちごの発車時刻までK宅にて待機することになった。ああ本当にすまない。
日もとっぷり暮れ、某
バーローアニメのスペシャル番組が終了したあたりでK宅を出、新宿へ向かった。
三連休でも最終日のせいだろうか、乗車当日でも窓側を取ることができた。MLえちごならではと言えようか、これが「ながら」だとまず不可であろう。午後十一時過ぎ、新宿を出発したあたりでIが大阪に着いたとの連絡を受けた。
★最終日(10/9)
二日目と同じく早朝の新潟に着いた私は、同じく長岡行きの列車に飛び乗った。無論、新津では降りず、終点まで乗り通した。この先は日本海側経由で関西へと戻る。
長岡では直江津行きに乗り換える。途中、三ヶ月前に起こった中越沖地震で被害を受けた柏崎を通過する。被災状況あるいは復旧状況は車窓からだと判別がつきにくい。ただ、明らかに車内からでも被災箇所が分かる区間がある。信越本線の青海川駅だ。地震による土砂崩れで線路が埋まった光景を、テレビを通じて多くの人々が目にしたかと思う、あの場所だ。その青海川で一旦下車してみる。
※特集組みます
青海川から再び直江津行きに乗り、途中の上下浜駅で再度下車。思えば昨日は風呂に入りそびれている。ひとっ風呂浸かりたいところだが、急遽決まった行程なのでリサーチを行っておらず。しかしながら、上下浜駅から歩いて数分のところに温泉施設があったのを思い出したため、この駅で列車を捨ててみた。
かれこれ二年以上ぶりだが、道は覚えている。海沿いを目指し歩くこと十分ほど、「上下浜温泉 ハマナスふれあいセンター」がある。開店すぐに立ち寄ったので、先客はおらず。あとから入るは地元のジイサマが多数。まあ平日の朝っぱらから風呂なんぞに入る同年代のヤツなんかいる訳無いか。¥450でシャンプー・ボディソープ付き。淡緑色の温泉である。風呂場からは日本海が眺められる。違う言い方をすれば、海以外は何も見えない。風呂上りに休憩所を覘いてみると、何やら地元の集会所と化していた。
その後は順当に、直江津から北陸本線に入り、何度かの乗換を経てそのまま米原まで乗り続ける。米原からは新快速に乗車。数回の乗換で、やっとアジトに到着。Iに遅れること24時間あまり。
・・・そして翌日、あまりの疲れで体調を崩しましたとさ。(オチ
ああ、喉が痛い・・・