||前回のつづき||
現在地は「道の駅おくとろ」である。ここには温泉・宿泊施設「やまのやど」があり、日帰り入浴も可能である。が…
手元の某温泉ガイドブックの当該ページを開いてみると、日帰り入浴の営業時間は
16時からとなっている。今し方時計を見てみればちょうど正午である。営業時間外じゃないか…と最初から期待はしていなかったが、建物の玄関をよく見れば暖簾が掛かってある。まさか…と思って施設の営業案内を見てみると
11時からの営業となっているではないか。まさかのガイドブックの誤植か? こうなれば入るより他ない。常備しているお風呂セットを持参しいざ突入!

おくとろ温泉やまのやど
入浴料は大人¥600也。施設内の食堂ではバイキングとして営業中であり、入浴とセットで¥1300?(失念)と市街地の相場より比較的安価で食べ放題にありつける。しかしながら、私は直前に新宮の街で昼食を調達しており(こういう時に限ってナマモノなんだよな…)、それゆえバイキングはパスすることとした。料金を支払い、風呂場へと移動する際食堂をチラ見したが閑古鳥が鳴いていた。まあ閑散期の平日だからねぇ…。
肝心の浴場は内湯のほか露天風呂もあり。露天には特産の「じゃばら」が浮かんだ一人用の風呂もある。内湯、露天ともに掛け流しか? 飲泉も可能である。食堂と同じくこちらも貸し切り状態であった。。。
そして、忘れてはいけないのが隣接するこちらの建物。

今夏のはじめだっただろうか、
村はじめてのコンビニとして全国ニュースで取り上げられた(※ネットニュース)、ヤマザキショップである。元々は上記施設の売店だったが、土産物の他日用品も取り扱うコンビニとして改装したそうだ。尤もコンビニとは言え、24時間営業であるはずもなく、朝から晩までの営業となる。店内外にも客の姿はあるが、村内のブームは過ぎ去ったのが、10月からは営業時間短縮となる旨の張り紙もあった。

名物のじゃばらジュースに憂ちゃんもご満悦
しかし本当に静かな地だ。先述の昼食を道の駅内で摂っていたが、時折訪れる観光客の車と移動販売の営業車以外は動く物を目にすることが無かった。夏場は北山川での名物の観光筏下りやラフティングと言ったアクティビティで賑わうのだろうが、
閑散期の平日ではねぇ…(いい加減くどい?)。
休憩を終え、再びR169を走りだす。北山川の対岸は三重県だが、林業の盛んだった大昔、材木を北山川で下流の新宮へ流していた関係で和歌山県の新宮市と繋がりが強く、それゆえこの村は地理的には隣接する三重県や奈良県ではなく和歌山県に属することとなったそうだ。尤も道路整備の進んだ今日では、途中で酷道を通らざるを得ない新宮よりも、三重県の熊野市のほうがアクセスしやすいようである。つい先ほど通ったR169も、高規格な奥瀞道路の区間はそれが完成する1996年までは車道が存在しておらず、分断国道となっていた。
お隣の奈良県下北山村へ短絡する高規格村道の分岐を越え、しばらくすると1.5車線程度の狭路となり、狭い素掘りのトンネルを越え1.0車線の七色ダムの堤上を走ると熊野市の街へ向かう県道との分岐点となる。ちなみにこのダム上に県境がある。

七色ダム
ところで七色という名称は聞き覚えがある。前回走ったR168において、十津川村最南端の集落である。十津川村と北山村は一応隣接しており、少しばかり距離こそあれど、同じ名称だから何かしら関係はあるのだろうか?
七色貯水池の脇を1.5車線程度の狭い道で抜けて行く。しばらく走ると熊野市五郷にてR309との交点となるが、R169奈良方面−R309熊野市方面は直線であり、そこに北山村を抜けてきたR169が接続する形となる。元々はこのR309の道がR169の本流であったため、このような分岐となった。ちなみにこの五郷の集落には24h営業のコンビニが存在する。北山村の中心地からはざっと30分かかり、途中は酷道区間もあるので、前述のヤマザキショップが開業するまでは、ちょっとコンビニへ行くだけでも大変な道のりであったようだ。
R309交点からは道路状況も一変し、若干狭い箇所もあるがセンターラインのある二車線路となる。
下北山村であのR425が西、東方向へと分岐する。私は当初、ここから東へR425で尾鷲へ抜ける予定であったが、災害のため途中が通行止めである由。仕方が無いのでこのままR169を北上することとする。
R169とR425尾鷲方面の交点の近くには池原ダムがある。

池原ダム
いずれも電源開発社の発電用ダムであり、また上流には日本一の降水量を誇る大台ケ原を抱えており水量は豊富のため、紀伊半島の山深い地ながらも電力的には困らないようである(?)。
ひたすら走り易くなったR169(北山村以南と比べて)を快走する。途中、伯母ヶ峰付近を長大トンネルでクリアしたり、大滝ダム建設の関係で付け替えられた走り易い二車線路を快調に飛ばし、吉野町の外れにてR169を離れる。その後、奈良r16で東吉野村を経由し、R166に合流後東へ向きを変える。長いトンネルで高見峠を越え、道なりに松阪まで走り、この日はこれにて終了である。
<つづく>
翌日。伊勢と言えば勿論…