カート・ヴォネガット・ジュニア(訳:浅倉 久志)『タイタンの妖女』
やっと読みました。
SFの超名作として必ずや名が挙げられる、『タイタンの妖女』。
しかし、身近なSFマニアの友人から言わせると、「名作ではあるが、SFの入門書としてはオススメできない」とのこと。
なるほど。
確かに、SFを読む際に準備として、絶対に守らなくてはいけない注意事項のうちの一つ、
「どんな非現実的な設定も、受け入れなくてはいけない」
ということを忘れてしまうと、中々入りこむことができないかもしれない。
そしてまだ未読だと言う方、これから読もうとしている方、どうぞ、名作だと構えずに、何の期待もなく読むことを勧めたい。
これは、純文学ではない、純エンターテインメント作品だ。
初のSF小説として、『ユービック』を選択し、そしてその世界観にズバリはまってしまったわたしは、SF作品に大きな哲学性を求めてしまいがちである。
『タイタンの妖女』を読む際には、まず初回にはあまり深読みをせず、文章をそのままの意味で素直に受け入れた方が良いかもしれない。
わたしの場合、あまりに“名作、名作”言われているもんだから、裏の裏まで読もうとし、十分に楽しめなかった気がして、悔しい。
とりあえず初回の感想は、
なるほど、なるほど。
物語を一通りは知った今、もう一度読みたいと思う。今度は文章や表現の裏側に隠れてる意味をあれこれ探りながら。
とにかく初回は、素直に、読むべきだったな…。
本当、今の正直な感想は、
なるほど、
なるほど。

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