『チャイナの新しい「5戦区」から見えてくる東亜細亜大激変。』 南木隆治
南木です。
チャイナの習近平政権は、これまでの7つの軍管区(軍区)から、新しい5つの軍管区(「戦区」)に、大きく軍を再編成したことを発表しました。
一体何が起こっているのでしょうか。
我々日本人から見て、面白いのは、今度「北部戦区」となった地区は、旧『満州国』と、『内蒙古自治区(南モンゴル)』全域ですね。
これは我が国がかつて戦略上確保しなければならなかった領域とまったく重なっており、大変興味深いのです。
以下の地図から分かるように、旧『北京軍区』は『内蒙古自治区(南モンゴル)』のほぼ全領域を「管轄」していました。
ここには有名な『オルドス』、無人の高層住宅がそびえる「鬼城」があります。
それを北京軍区の管轄からはずしたのですね。
何を言いたいのかというと、旧『軍区』よりも、今度の『戦区』の方が、習近平の意図は分かりませんが、
このままそれぞれの「戦区」が「独立国」となった場合、その後のそれぞれの国内での内紛は、今度の方がはるかに少なくて済むように思われると言うことです。
新しい「西部戦区」は、チベットと、ウイグルを全て含み、このまま独立軍になって、北京と対峙できますね。
また、これまでは「北京軍区」が、「瀋陽軍区」と「蘭州軍区」が直接結び付けないように、間に入っていたのに、今度の配置だと、南モンゴル地域を回廊として、満州と西域が一瞬で結びつくことができてしまいます。
北京からすれば、これは非常に危険な軍配置です。
どう見ても、私にはこれはチャイナ分裂前の「軍の適正な分割」にしか見えないです。
なぜ、習近平はこんなことをしなければならないのか。
胡錦濤政権時代の将軍たちを排除した後の、自身がコントロールできる新しい軍制の確立という風に報道されていますが、本当でしょうか。
こんなことをしたら、よけい各地域の真の独立性が目覚めて、軍全体をコントロールできなくなると思いますが・・・。
こうせざるを得ないように追い込まれているのじゃないかとも考えられるわけです。
この状態で、もし習近平が暗殺されたり、失脚したりすれば、一体何が起こるか、すぐに分かることではないでしょうか。
むしろ、今回の「軍再編」はそうなった時の、チャイナの軍管区どうしの「内乱」が最小限で済むように、このまますぐ独立国になっても、大規模な内戦をしなくて済むように、準備したのだとすれば非常に私にはよく分かかります。
もちろん逆にチャイナ最強の陸軍が、そのままウイグル鎮圧の為に、西域に進駐しやすくなったわけで、その危険性が増した事も併せ考えねばなりませんが。
東亜細亜大激変の足音が聞こえます。
以下、平成28年2月2日(火)産經新聞大阪版、及び関連ホームページよりの資料と、記事です。
平成28年2月2日(火)産經新聞大阪版


http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20160202/frn1602021133003-n1.htm
習近平主席、中国人民解放軍の5つの「戦区」発足宣言
2016.02.02
中国人民解放軍の戦区設立式典で、軍旗を授与する習近平国家主席(手前左)=1日、北京(新華社=共同)【拡大】
【北京=矢板明夫】中国国営中央テレビ(CCTV)によると、中国人民解放軍戦区成立大会が1日、北京で行われ、習近平国家主席(中央軍事委員会主席兼務)が新しく発足した東部、西部、南部、北部、中部の五つの戦区の司令官と政治委員に軍旗を授与した。習主席は「各戦区には平和を維持し、戦争に勝つ使命がある」と訓示した。
中国人民解放軍はこれまで、北京、瀋陽、蘭州、済南、成都、南京、広州の7つの軍区があった。習指導部による軍改革の一環で5つに統合され、名称も軍区から戦区に変更された。反腐敗キャンペーンで昨年までに胡錦濤時代を支えた郭伯雄、徐才厚の両制服組トップが失脚したため、習指導部は軍内の組織再編を通じて軍の掌握を進めたい思惑があるといわれる。
軍関係者によると、新しく成立した東部戦区(本部南京)は日本や台湾方面をの有事を備え、南部戦区(本部広州)は南シナ海やシーレーンの安全を守ることが主な戦力目標。北部戦区(本部瀋陽)は主にロシアと北朝鮮方面で軍事衝突などが起きることを想定しており、西部戦区(本部蘭州)中央アジアなどのイスラム過激派のテロ活動などに備える。中央部戦区(本部北京)は首都周辺の安全を守るためにあるという。
この日発表された戦区の区分けと本部所在地は昨年まで伝えられたものはかなり違っており、区分けの際に軍現場で激しい主導権争いがあった可能性もある。

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