高木真也、阿部治樹
2014年5月20日11時18分
外国資本が相次いで、国内にメガソーラー(大規模太陽光発電所)をつくっている。政府の固定価格買い取り制度を背景に、安定してもうけられる投資事業とみなされているからだ。自然エネルギーの拡大につながる一方で、地元とトラブルが起きるケースもある。
荒れ地のままだった大阪湾岸の咲洲(さきしま=大阪市)で17日、約6千枚の太陽光パネルが発電を始めた。中国の電力会社・上海電力が、大阪市の設備工事業者、伸和工業と合弁会社を作り、共同運営する。発電規模は2千キロワット。
上海電力は中国政府系5大電力の一つ「中国電力投資集団」の子会社。石炭火力を中心に中国国内で約800万キロワットの発電設備を持ち、日本で言えば北陸電力に匹敵する規模だ。
「日本でのビジネスは海外事業の中でも重要。今後も有望な自然エネルギーの開発案件があれば太陽光に限らず、積極的に投資したい」。上海電力の王運丹会長は18日、大阪市内であった完成祝賀会でこう意気込みを口にした。
4月には、栃木県那須烏山市のゴルフ場跡地で約4・8万キロワットのメガソーラーを着工。早ければ年内に一般家庭1・5万世帯分の発電を始める。ほかにも、福島県西郷村や大分県宇佐市などに計約23万キロワットの発電所をつくる計画が同社の2013年度上期の決算報告書に記されている。
瀬戸内海沿岸部の塩田跡地を使うのは、米国の総合電機メーカー、ゼネラル・エレクトリック(GE)だ。18年度の発電開始をめざし、岡山県瀬戸内市に国内最大級の出力約23万キロワットのメガソーラーを建てる計画だ。
GEは、太陽光で発電した直流の電気を、機器で使えるよう交流に変換するインバーターシステムで実績がある。同社は自社製のシステムを軸にした関連設備を使うことで相乗効果を狙う。
外国資本によるメガソーラーは関東、東海、九州地方にも広がる。背景には、原発事故後の12年7月に始まった固定価格買い取り制度がある。メガソーラーで発電された電気は20年間、政府が決めた価格で電力会社に売ることができる。
12年度に政府に申請した分の売電単価は1キロワット時当たり42円。14年度も32円で、国内電力会社が一般家庭向けに設定した電気料金単価より最大で5割ほど高い。メガソーラー事業を手がける投資会社によると、設置・運営コストを差し引いてもおおむね10%程度の利益が見込め、世界的な低金利の中では高い収益が期待できるという。
資源エネルギー庁によると、今年2月末までに申請があった自然エネルギー発電所の規模は4120万キロワットで、そのほぼ半分がメガソーラー。そのうち、海外資本が入っている割合は不明だが、伸和工業が12年7月以降に受注した約400億円中、海外資本がらみは3割程度という。「中国のほか、欧州の証券会社なども目立つ」(西村浩社長)
■地元は歓迎と反発
これら外資の動きに対し、立地自治体には「設置工事やメンテナンスなどで地域の雇用がうるおう」(福島県西郷村の担当者)と歓迎する声がある一方、環境破壊などを心配して反発を招くケースもある。
温泉や高原などの観光資源に恵まれる大分県由布市では、中国との合弁会社が発電所用地を買った後に地元住民が「メガソーラーは景観を壊す」と反対運動を展開。市は今年1月、大規模開発を抑制する条例をつくった。
また、設備認定された再生エネルギー発電所のうち、実際に運転を始めたのは2月末時点でも2割程度にすぎない。背後には、高値で売電できると触れ込み、認可を受けた土地を転売している業者がいるという指摘もある。資源エネルギー庁は3月、合理的な理由がないのに発電に入らない業者については、認定を取り消す手続きを始めた。(高木真也、阿部治樹)
上海電力が大阪・南港にてメガソーラーを稼働させるようです。日本なのに反日国の中国企業が参入してきてビジネスをしようとしています。また福島などでは広大な土地が中国にすでに抑えられています。外国人の土地購入について一度考えたほうがよいかもしれません。
更新日: 2014年05月18日