大阪維新の会は堺市長選で何を見落としたのか。そして今後。
(重要)大阪維新の会は堺市長選で何を見落としたのか。そして今後。
南木隆治です。
私は「日本維新の会」は常に自民の右に出よ、と書いてきたが、今後は「大阪維新の会」についても、このことを徹底してもらいたい。そうすれば、状況を見誤る事はないからである。
そもそも、橋下氏がなぜ大阪の保守から支持されたかは、その理由は簡単である。
大阪の自民党より右に出たからである。
長年実現できなかった府立学校での国旗常時掲揚にとどまらず、入学式卒業式において国歌斉唱を、教員に徹底して歌わせるところまで左翼を追い詰めた功績は多大で、こういうことを大阪の自民党は長年にわたって、どれほど保守陣営の人々が応援し、依頼しても実現できなかった。
よって、大阪の保守が、橋下氏を支持したのは当たり前であった。
次に、保守陣営の人々ほど明瞭な政治意識を持たない大衆も、中央に安倍政権が成立するまでは、熱烈に橋下氏率いる「大阪維新の会」を支持し、
また一つの大阪、道州制を支持する人々も相当多かった。
けれども、重要なことは、それは中央が民主党売国政権だったから、「維新の会」のこの方針が支持されたことを忘れてはならない。
そして、大阪維新の会も、橋下氏も、松井知事も、その最も重要なファクターを見落としていたのではないかと私は思うのである。
私は、すでに、過去に南木倶楽部でも書いたが、道州制を、民主党政権のころは強く支持していた。
それは民主党の方針でも在ったが、私はこのまま中央政府が民主党政権で続くなら、「大阪維新の会」はこれを逆手にとって、民主党政権をうまくだまし、道州制を実現して、その代わり必ず
州兵を持つこと。いずれ中央政府は、その場合チャイナの軍門に下るから、そのときには近畿州の州兵が西国の州兵を糾合して東京に攻め上る。「そのとき自衛隊はどちらにつくのか。」西国につくのに決まっている。
そうしてもう一度明治維新をやり遂げなければ日本は滅びると私は考えていた。
実は橋下氏が知事に当選したその日、私はこの事を書いたレポートを選挙事務所で橋下氏に手渡した。
黒田君がその時写真を撮ってくれた。「道州制をするなら、州兵まで持たないと駄目ですよ。」と私は言い、
橋下氏は、一気にそこまでできるかどうかわからないが頑張ってみますと仰った。
もう忘れておられるかも知れないが。
私ほど考え詰めない一般大衆であっても、特に関西のムードでは、もう東京は駄目だ、民主党の中央政府は終わっているというムードは広範に広がっていた。
道州制で、関西が半ば独立したほうが、こんな東京に引きづられるよりはるかに良いと、もともと東京を日本の中心となぜか全く感じない大阪人、関西人が考えるのはあたりまえであった。
橋下氏と、「大阪維新の会」の躍進はこのような条件がすべて最良の条件で整ったことで、実現した。
さて、ところが、
安倍政権ができて、一切の流れは変わった。
日経平均株価は2倍となり、景気の先行きに明るさが見えてきた。
(オリンピック東京開催まで決まった。)
そして何より、安倍政権は矢継ぎ早に、チャイナの属国に成り果てていたわが国を、正常な状態にまず戻し、
今はチャイナを締め上げる方向で、世界秩序を構築する側に回り始めた。
そうであれば、上記のような道州制はもはや不要である。
国家の中央はチャイナの軍門に下らなかったのだ。
大阪維新の会の躍進は、中央政府がチャイナの軍門に下る可能性が極めて高い政治環境の中で、大阪で成立した特殊な状況なのである。
このことを誰も言っていないので、もしかしたら、橋下氏や、その周辺、あるいは南木倶楽部に多数参加してくださっている、大阪維新の会府議の皆さんでさえ、気づいておられないのではないかと私は危惧する。今、大阪府民の大多数が道州制にすでに関心がなくなっていると私は思う。
道州制も、府市統合も、橋下氏は経済効果の点で説明しておられ、マスコミも、また世間的にも、その線上でその有効性や,可否が問われてきたのだが、では大阪府民の無意識の不安や、渇望がどこにあったのかというと、言うまでもなく、民主党中央政府への不安が政治意識の中心だった。
府市統合や、道州制の経済効果は本当の問題意識ではなかったのである。
私は、こんな民主党政権なら、近畿は、あるいは大阪だけでも独立しても良いと大阪の人間は考えていたと思う。
その際、陛下には何とかして大阪にお越しいただく、あるいは一定の季節だけ来ていただく。だから「大阪都」と名乗るのは当たり前だと、深く考える人間は思っていたのである。
中央政府を取れるなら、橋下氏が総理大臣でよいと、多くの大阪府民が本気で思っていたと思う。
それはすべて民主党と比較して、そう思っていたのだ。
けれど、状況は変わったのである。
道州制どころか、大阪市民でさえ、多分、現在では、長年慣れ親しんだ区を廃止して、東京と同じような、公選区長がおり、区会議員選挙があるような、新しい「区」を望んでいないと思う。
なぜなら、大阪市民は、大阪市民としての一体感は非常に強いからである。
私は今大阪郊外の松原市民だが、高校2年生まで大阪市民であったから、その意識は良く分かる。
区民としての意識などあまりなく、大阪市民としての意識は非常に強いのだ。
これは船場商人、米相場、幕府の台所を支えてきた長年の伝統から来るもので、西区の船着場で江戸時代から蔵を並べていた商家から、難波、本町、そして、谷町まで、商家のつながりは一体化していて、「区民」としての意識は強くないからである。
御堂筋は、梅田から難波まで、北区、中央区、浪速区、少し南下して、国道26号線で、天王寺区、西成区、住之江区と続くが、これら御堂筋沿いの商家を長年営む市民に、「区民」としての意識などないし、そこより南下してもほぼ同じ、そして、住之江区を過ぎて、大和川を越えると「堺市」である。
堺市は、堺市で、大阪市と同じくらい市民意識の強いところである。
何より戦国時代からの歴史がある。自治をしていた歴史がある。東洋のベニスだった時代がある。
おまけに、つい先ごろ、堺市は「美原町」を合併して、「田舎者」だった「美原町民」を都会人である「堺市美原区」の堺市民にしたばかりである。
私の住んでいる松原市は、堺市の東、旧「美原町」の北に位置するが、松原市は、つい先日までは「美原町」よりは都会の位置づけだったが、実態はどうであれ、「美原」にお住まいの方々は堺市民になったので、松原市民よりも「堺市民」と聞いただけでは、都会人のように聞こえる立場になった。
細かいことを色々書いているが、そういう旧「美原町」民にとっても、堺市が無くなるなどというようなことは、あってはならないことであるはずである。
堺市の一体感を少しでも弱めるような政策を、堺市民が求める必然性が、今全く存在しない。
道州制はしばらくもう芽は無い。区長や、区会議員がいるような「府市統合」を、府民、大阪市民はもう求めていない。
よって今回の堺市長選挙は、「大阪維新の会」は負けるべくして負けたのである。
そうではなくて、府民は大阪維新の会が、安倍政権よりももっと景気を良くしてくれる大阪での「経済政策」を求めているのだ。
また、国政レベルで、安倍政権以上の、国民としてのプライドを満たしてくれるような政策を求めているのだ。
「日本維新の会は常に自民党より右に出よ。」と私は常々言ってきた。
これは「大阪維新の会」も同じである。
「大阪維新の会」は、「大阪の自民党」より右に出て、今の立場を勝ち取ったことを忘れてはならない。
逆に、「大阪の自民党」が巻き返しを始めたかったら、「大阪維新の会」より常に右に出よ。
どれほど右に出ても、今後の世界情勢の厳しさを考えれば、右過ぎるという事は無い。
橋下氏は、「沖縄の負担軽減負担」などという軟弱なことを言わず、大阪防衛のため、近畿防衛のため、安全保障と、緊急時の府民や、近畿の国民の生命を守るため、オスプレイの基地を大阪府内に置くことを強く府民に説得しなければならない。
橋下氏がしなければ、自民党がすればよい。勇気を出して右に出たものが勝つ。
すでに自衛隊がオスプレイを導入する方針であることは、公式に発表されているので、迷うことなく、その場合、信太山の基地を拡充したり、八尾空港を整備したり、あるいはそもそも軍事空港として準備された伊丹空港を航空自衛隊基地にするなど、そういう政策を、率先して打ち出さねばならない。
また、一刻も早く、わが国の核武装を大阪から求め、核ミサイル導入までの日程表を政府に提出し、生駒山中腹などに大陸間弾道弾基地を建設する等のことを、大阪や、近畿の人間の生命を、チャイナの核ミサイル攻撃から守るために整備しなければならない。
先日の固体燃料ロケット打ち上げは大変めでたいことである。
あれを早急に100基作り、商業衛星打ち上げのためと言っておけばよいが、世界は核ミサイルを整備し始めたと100パーセント認識するだろう。
チャイナはおとなしくなり、内乱の日が早まるだろう。
そういうことを「大阪維新の会」が、橋下氏が言え。そういえば復活できる。
安倍首相がまだ言えない事を、「日本維新の会」、「大阪維新の会」が言ってやるのだ。
それしか、「日本維新の会」、「大阪維新の会」
の生きる道は無い。
大阪府民の意識が急速に変わっているように、日本国民の意識も急速に変わっており、政治家がそれについていっていない。
国民は戦争に負けない国家になって欲しいと思っている。
戦争をしたい国民など誰もいない。けれども、戦争は相手のあることであって、断固とした姿勢を示す事のできる軍事力の整備なくして、チャイナの横暴は止まらないだろうと、すでに国民は腹をくくっている。
戦争を避けるためには、戦争も辞さずとの軍事力整備が必要なことも、国民は分かり始めた。
「大阪維新の会」は、「日本維新の会」と一体なのだから、常に迷うことなく自民党の右に出よ。
以下、関連新聞記事。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130929-00000088-jij-pol
堺市長選、維新敗れる=都構想参加に「ノー」―現職竹山氏が再選
時事通信 9月29日(日)20時7分配信
任期満了に伴う堺市長選は29日投開票され、無所属現職の竹山修身氏(63)=自民支持、民主推薦=が、地域政党「大阪維新の会」公認の新人で元堺市議の西林克敏氏(43)を破り、再選を確実にした。最大の争点だった「大阪都」構想への堺市の参加の是非については「ノー」が突き付けられた形だ。維新の公認候補が政令市以上の首長選で敗れるのは初めて。
維新にとっては、党設立のきっかけとなった政策を地元大阪で否定されたことになり、日本維新の会の国政での影響力や、同党共同代表の橋下徹大阪市長の求心力低下につながるのは必至だ。また、来秋に予定される大阪市での住民投票にも影響が出るとみられる。
都構想による堺市の特別区への分割に反対する竹山氏は「堺は一つ。堺はなくさない」と主張。今年2月に早々に出馬を表明して以来、駅前での演説や市民向けのミニ集会などを重ね、支持拡大を図った。選挙戦では自民、民主両党に加え、共産党、社民党の自主的な支援も受けて、幅広い層に浸透した。
一方、西林氏は「今こそ堺で大改革をしなければならない。(府と政令市を統合し)ワン大阪で堺を元気にしていく」と強調。橋下氏が連日堺入りして支持を呼び掛けたほか、所属の国会議員や府内選出の地方議員を総動員して臨んだが、及ばなかった。
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2013092900208
維新の失速浮き彫り=野党再編も不透明に−堺市長選
時事ドットコム
29日投開票の堺市長選で、日本維新の会傘下の大阪維新の会が擁立した新人候補が敗北した。維新の橋下徹共同代表(大阪市長)が看板政策に掲げる「大阪都」構想が浸透せず、維新の失速ぶりが浮き彫りとなった。橋下氏の求心力低下は避けられず、同氏が積極姿勢を示す野党再編も不透明感が漂う。
維新は6月の東京都議選で2議席と惨敗、7月の参院選でも8議席と伸び悩んだ。それに続く今回の敗北は大きな打撃となる。
それでも歴史が浅い同党にとっては、知名度が高い橋下氏と石原慎太郎共同代表の2人に「党の顔」を託さざるを得ないのが実情。幹部らは「一つ一つの選挙で責任を放棄することはない」(松井一郎幹事長)として、橋下氏続投で難局を乗り切りたい考えだ。
維新内には、大阪府と大阪、堺両市を再編する都構想を橋下氏が実現した上で、国政に進出することへの期待が強い。しかし、堺市長選敗北で構想の先行きが危ぶまれる事態となり、「都構想が否定されたら、橋下氏はもう終わりだ」(自民党中堅)と、橋下氏が今後、国政に影響力を及ぼすのは難しくなるとの見方が出ている。
橋下氏や側近議員は、民主、みんな両党の一部を巻き込んだ新党結成も視野に入れた野党再編に意欲的だ。これに警戒心を抱く民主党幹部の一人は「堺の敗北で、維新は分裂含みになるだろう」と、維新主導の再編が頓挫することに期待を寄せる。
自民党は今回、現職市長を支持したものの、安倍政権中枢は憲法改正などで維新との連携を引き続き探る意向だ。首相官邸筋は「維新にはある程度の力を持ち続けてもらいたい」と複雑な心境を吐露した。(2013/09/29-21:05)
南木隆治(みなきたかはる)
dpait620@kawachi.zaq.ne.jp
http://www.kawachi.zaq.ne.jp/minaki/ (南木の資料室)
http://star.ap.teacup.com/minaki/ (南木の資料室別館)
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