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ナレーションです。
アジアンスマイル「“寺子屋”の笑顔を守りたい〜タイ ポッププラ〜」
NHK BS1
2009年7月11日(土)午後6:30〜午後6:50(20分)
http://www.nhk.or.jp/asiansmile/
再放送予定
7月15日(水) 午前9:35〜9:55(メジャーリーグ休止の場合放送)
7月19日(日) 午後11:40〜翌0:00
タイの国境沿いにあるターク県、ポッププラ。
ここには、政治状況が不安定なミャンマーから逃がれてきた避難民の村が数多くあります。
彼らミャンマー避難民が、経済成長をとげたタイの人々が嫌がる重労働を支えており、現在、タイ国内には、そうしたミャンマー人労働者が200万人いると言われています。
彼らの子ども達は、お金もなく、タイ語も話せないため、小学校にも入学せずに成長。その多くは、日雇いで重労働をするしかありません。
そうした子ども達を集め、せめて読み書きだけでも身につけさせたいとはじめられた「寺子屋」があります。シリトーン(20歳)は、そこで、タイ語とミャンマー語を教える先生。勉強だけでなく、事情があって親と暮らせない子ども達の世話もしています。
実は、彼女自身も、タイで生まれたミャンマー人。祖国も知らず、国籍もありません。しかし、独学でタイ語を習得した彼女は、タイの小学校に通い、大学にまで進学しました。
勉強をすることが、避難民の置かれた環境から抜け出せる手段だと考えているシリトーン。この春、寺子屋の子ども達をタイの公立小学校に入学させようと挑戦しました。
子ども達が夢に向かって頑張ってくれることが彼女の幸せ。
自分と同じ境遇の子ども達を支える彼女の活動と、子ども達の成長の日々を追いました。
◆制作者のコメント
穏やかで、のんびりしているように見える避難民の村。
寺子屋に通ってくる子ども達も、みんな輝く笑顔に満ちています。
しかし、彼らは国籍もなく、自由もない、出口の見えない生活を強いられている、そんな現実があります。
希望を失いがちな過酷な環境ではありますが、自ら人生を切り開いていくシリトーンの姿は、村の人々へ希望をもたらしていることがよく分かりました。常に子どものことを考え、精力的に行動するシリトーンに、村の人々が感謝している光景も幾度となく目にしました。
そんな彼女の姿を見ながら育つ子ども達。彼らも、幼くして、つらい人生を背負っていますが、それを真正面から受け止め、前向きに、たくましく生きています。
シリトーンが守りたいもの、築き上げたいもの。子ども達の懸命に勉強する姿、雨の中でもはしゃいでいる姿を見ていると、なぜだかこみあげてくるものがありました。他人の日常生活から生命の尊さを感じることになるとは、思ってもいなかったことでした。同時に、第二、第三のシリトーンが生まれてくることが自然に思え、希望の種をまき続けるシリトーンの魅力を再確認した気がします。
市川瞳
日本電波ニュース社
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